プレスリリース
長浜バイオ大学(滋賀県長浜市、蔡晃植学長)は、バイオサイエンス学部オルガネラ構造機能研究室(奈良篤樹准教授)が主催する「電子顕微鏡を用いた長浜地域発信SDGsプロジェクト」での電子顕微鏡画像グッズの収益を、地元団体「もりのもり」へ寄付した。2022年3月28日に贈呈式を行った。
【本件のポイント】
●「電子顕微鏡を用いた長浜地域発信SDGsプロジェクト」では、滋賀県長浜市木之本町金居原地区の山中に育つ巨木トチノキの一年を電子顕微鏡で観察し、その画像をSNS発信し魅力を伝えている。
●デジタルアートの流通プラットフォーム「HAZERU ART」に電子顕微鏡画像を投稿、グッズ化して販売して得られた収益を寄付することで、巨木トチノキ等の自然環境保全に役立てている。
●本プロジェクトは、一般社団法人環びわ湖大学・地域コンソーシアムが主催する大学地域連携事業の一環として行われた。
【プロジェクトの背景】
琵琶湖を創る水は、取り囲む森林の豊かさによる。トチノキは長寿の樹木であり、琵琶湖の水環境だけでなく、地域の暮らしに根付いた役割を果たす。しかし、気候環境の変化等によって、トチノキは失われつつある。2021年度から始まったプロジェクト「びわ湖の森の生き物「トチノキ」の電顕画像を発信する」は、トチノキの電子顕微鏡写真を広く発信するという新奇の方法から、トチノキ等の自然環境保全を目標としている。
【これまでの活動】
まず、巨木トチノキ保全をめざすために、滋賀県木之本町金居原地区の「土倉の森」に育つ巨木トチノキ(幹回り6.4メートル)をサンプルとして電子顕微鏡画像を取得し、SNS等を利用して広く発信した。電子顕微鏡は、大学設置の日立S-3400N走査型電子顕微鏡を用いた。
走査型電子顕微鏡の特徴は、ものの表面を高倍率および高解像度で観察できることである。そこで、トチノキの樹皮、花弁、花粉、葉、冬芽を使って観察した。本顕微鏡は、液体窒素(-198℃)で凍結したクライオサンプルを使用した観察も可能である。電子線照射によるダメージが考えられる花弁や茎、またこれらの割断面を観察した。巨木トチノキ試料の走査型電子顕微鏡画像や動画をSNSや写真展等多方法で発信し、巨木トチノキの新しい魅力を余すところなく広く伝えた。
■Instagram:巨木トチノキやトチノキの電子顕微鏡画像を中心に発信している。
■YouTube:2022年1月からYouTubeチャンネル「電顕ビデオ」を開設し、トチノキの電子顕微鏡画像を多数発信している。
■HAZERU ART:アートとして認定された電子顕微鏡画像を、アートグッズとして売り出し発信する「木を切らない森林ビジネス」の試みを2021年11月から始めた。
■SDGs Aichi EXPO:2021年10月22日・23日に愛知県常滑市で開催されたSDGs Aichi EXPOに出展し、多くの来場者に本活動を伝えた。
■写真展「土倉の森博」:長浜市のBIWAKO PICNIC BASEで2022年2月26日から3月6日まで開催された写真展「土倉の森博」において、トチノキの電子顕微鏡写真を展示した。写真とYouTubeとを連携させ、電子顕微鏡画像を解説する動画(土倉の森博電子顕微鏡バーチャルガイド)も作成することで、広く発信することを心がけた。3月7日にはトークミーティング「土倉の森のこれから(主催:ながはま森林マッチングセンター)」で登壇し、タイトル「電子顕微鏡で観る土倉の森の景色」について発表し、好評を博した。
【SNSアカウント、関連リンク】
■Instagramアカウント: totinoki_
■YouTube: 「電顕ビデオ」 https://www.youtube.com/channel/UCwyp32eh51rvl6DXbbglHBA
■HAZERU ART: https://hazeruart.com/
▼本件に関する問い合わせ先
アドミッション・オフィス 広報担当
住所:滋賀県長浜市田村町1266番地
TEL:0749-64-8100(代)
FAX:0749-64-8140
メール:kouhou@nagahama-i-bio.ac.jp
【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/