プレスリリース
イギリスの首都、ロンドンは2年連続でグローバル・シティ・インデックスで首位を獲得し、ボストンがサンフランシスコを抜いて2位となりました。
[画像1]https://user.pr-automation.jp/simg/2027/57543/120_113_2022033117200662456436a6845.png
マーク・ハーリー
インベストメントライター
シュローダーが発表した「グローバル・シティーズ・インデックス」において、ロンドンは2年連続で首位の座を維持する結果となりました。英国の首都は多くの分野で高い評価を獲得し、イノベーションの分野では世界のグローバル都市の中で1位となりました。また、世界トップクラスの大学や充実した公共交通網も高く評価され、今年には待望の新線である「エリザベス・ライン」が開業し、さらに充実する予定です。
シュローダーのグローバル・シティーズ・インデックスは、4つの指標を用いて、最も優れたグローバルな都市を特定し、ランク付けすることを目的としています。経済、環境、イノベーション、輸送の4つの指標です。この指標では、経済の活力、世界的な大学、先進的な環境政策、優れた輸送インフラを併せ持つ都市を特定します。
これらの要素は、高賃金の才能ある知識労働者を引き付け、都市の経済成長を促進するのに役立ちます。とりわけ世界で最高ランクの大学は、高い資格を持つ卒業生がより多くの収入を得ることで、高い税収を生み出すため、都市の将来にわたる繁栄に不可欠といえます。
「ロンドンは、グローバル・シティーズ・インデックスの4つの指標すべてで高いスコアを獲得しており、交通機関の接続性と大学の重要性はポジティブなインパクトをもたらします。」と、同指数を作成したシュローダー・グローバル・シティーズ戦略のファンドマネージャー、ヒューゴ・マーチンは述べています。
「ロンドンは、エリザベス・ラインという新線の開業と、長年にわたる地下鉄、バス、鉄道のネットワークにより、他のグローバル都市と比較して大量輸送が可能で交通容量の水準が極めて高いです。また、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)やインペリアル・カレッジなど、学術研究の最前線にある大学も、さまざまな分野で世界をリードしています。
知識経済にとってグローバル都市は依然として不可欠
新型コロナウィルスのパンデミック危機をきっかけに、在宅勤務への移行で都市から大量の人が流出するという懸念は杞憂だったようです。
データによると、人々が都心から離れる傾向はみられますが、完全に都市から離れたわけではありません。週に60:40(3日はオフィス、2日は自宅での在宅勤務)という働き方は現実になり始めています。また、都心で過ごす時間が減っているとはいえ、都市はビジネスの基幹であり、特に新規の知識経済において不可欠なコラボレーションの機会を提供するため、グローバル都市は依然として重要です。
今年の指数では、ボストンが2位に浮上し、3位に後退したサンフランシスコと順位が入れ替わりました。ボストンの指数の上昇は、コロナワクチンの開発に貢献し、バイオ・メディカル研究とイノベーションの世界的な中心地としての地位が認められたためです。ボストンはまた、輸送インフラでも1位にランク付けされました。
人口が米国最大の都市である、「ビッグアップル」と呼ばれるニューヨークは、イノベーションと輸送インフラで特に高い評価を得て、1つ順位を上げた4位となりました。
順位を上げた都市と下げた都市
オーストラリア第2の都市であるメルボルンは、順位を5つ上げ、5位となりました。メルボルンは、経済のダイナミクスとイノベーションで高い評価を得ましたが、輸送インフラでは他の都市に遅れをとっています。一方、欧州の都市で唯一トップ10入りを果たしたパリは、3つ順位を下げて7位となりました。
香港も順位を落とし、6位から9位に後退しました。ただし若干の後退となったものの、多くの分野で引き続き高い評価を得ており、特に総合3位をつけたイノベーション、輸送インフラへのアクセスで高い評価を維持しています。
米国第3の都市であるシカゴは、昨年のランキングから22位順位をあげ、トップ10入りを果たしました。同じ米国の都市であるフィラデルフィアは、31位順位をあげ、13位になりました。オランダのアムステルダムも26位順位をあげて21位と健闘しています。
新型コロナウィルスのロックダウンは今後も影響を及ぼす
「新型コロナウィルスのロックダウンがグローバルの都市に与える重大な影響は、まだデータに十分に反映されていません。しかし、いくつかの著名な都市は厳しいロックダウン規制を導入しました。これらのコロナ関連の規制は、例外なく対内投資の呼び込みや企業の都市への定着、オフィスを維持したいという意向に対して悪影響を与えるでしょう。」とヒューゴ・マーチンは述べています。
「例えば、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、香港、アメリカ西海岸の都市は、厳しく長期にわたる制限に耐えてきました。これは、都市の長期的な魅力にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。」
「米国では、テキサス州やフロリダ州といったサンベルト地帯への移住が顕著になってきています。シュローダーでは、求人情報や郵便物の転送データを通じて、この動きを追跡し始めています。おそらくこの傾向は、新型コロナウィルスのパンデミック以前から始まっていたと思われます。西海岸の都市では、生活費の高騰や社会的な問題から生活の質が低下しており、パンデミックによる規制強化がこれをさらに悪化させました。一方、南部の州の都市では、実物資産に対する需要が引き続き加速しています。」とも述べています。
【本資料に関するご留意事項】
本資料は、情報提供を目的として、シュローダー・インベストメント・マネージメント・リミテッド(以下、「作成者」といいます。)が作成した資料を、シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社(以下「弊社」といいます。)が和訳および編集したものであり、いかなる有価証券の売買の申し込み、その他勧誘を目的とするものではありません。英語原文と本資料の内容に相違がある場合には、原文が優先します。
本資料に示されている運用実績、データ等は過去のものであり、将来の投資成果等を示唆あるいは保証するものではありません。投資資産および投資によりもたらされる収益の価値は上方にも下方にも変動し、投資元本を毀損する場合があります。また外貨建て資産の場合は、為替レートの変動により投資価値が変動します。
本資料は、作成時点において弊社が信頼できると判断した情報に基づいて作成されておりますが、弊社はその内容の正確性あるいは完全性について、これを保証するものではありません。
本資料中に記載されたシュローダーの見解は、策定時点で知りうる範囲内の妥当な前提に基づく所見や展望を示すものであり、将来の動向や予測の実現を保証するものではありません。市場環境やその他の状況等によって将来予告なく変更する場合があります。
本資料中に個別銘柄についての言及がある場合は例示を目的とするものであり、当該個別銘柄等の購入、売却などいかなる投資推奨を目的とするものではありません。また当該銘柄の株価の上昇または下落等を示唆するものでもありません。
本資料に記載された予測値は、様々な仮定を元にした統計モデルにより導出された結果です。予測値は将来の経済や市場の要因に関する高い不確実性により変動し、将来の投資成果に影響を与える可能性があります。これらの予測値は、本資料使用時点における情報提供を目的とするものです。今後、経済や市場の状況が変化するのに伴い、予測値の前提となっている仮定が変わり、その結果予測値が大きく変動する場合があります。シュローダーは予測値、前提となる仮定、経済および市場状況の変化、予測モデルその他に関する変更や更新について情報提供を行う義務を有しません。
本資料中に含まれる第三者機関提供のデータは、データ提供者の同意なく再製、抽出、あるいは使用することが禁じられている場合があります。第三者機関提供データはいかなる保証も提供いたしません。第三者提供データに関して、本資料の作成者あるいは提供者はいかなる責任を負うものではありません。
シュローダー/Schroders とは、シュローダー plcおよびシュローダー・グループに属する同社の子会社および関連会社等を意味します。
本資料を弊社の許諾なく複製、転用、配布することを禁じます。
関連リンク
シュローダーの視点
https://www.schroders.com/ja-jp/jp/asset-management/insights/