プレスリリース
多様な高精細パネルの生産に対応
株式会社ニコン(社長:馬立 稔和、東京都港区)は、多様な高精細パネルの生産が可能な、第8世代プレートサイズ対応のFPD露光装置「FX-88S」を発売します。
「FX-88S」は、高解像度や高精度アライメントに加え、高い生産性を実現します。スマートデバイスやハイエンドモニター、大型テレビなどの、高付加価値なプレミアムディスプレイ向けパネルに幅広く対応し、お客様の多様なニーズに対応します。
発売概要
商品名:FPD露光装置「FX-88S」
発売時期:2022年4月上旬
開発の背景
スマートデバイスやハイエンドモニターなどに用いられる中小型パネルは、折り畳み型スマートフォンの登場や、高精細モニターへの需要の高まりなどを背景に、大画面化と高精細化への需要が高まっています。また、テレビ向けなどの大型パネルにおいても、さらなる高精細化が求められています。
ニコンは、これらのニーズに対応するため、高精細な中小型パネルの生産に適したFPD露光装置「FX-68SH/68S」(2016年発売)と、大型テレビ用パネルの生産に適したFPD露光装置「FX-103SH/103S」(2017年発売)で培った技術を応用し最適化。多様な高精細パネルの生産に対応するFPD露光装置「FX-88S」を開発しました。
主な特長
1. 1.5マイクロメートルの高解像度を達成
「FX-88S」には、第6世代プレートサイズ対応の「FX-68SH/68S」で高解像での量産実績のある、i線の投影レンズを搭載。第8世代プレートに対し、1.5マイクロメートル(L/S※)の高い解像度での露光を実現しました。
また、「FX-68SH/68S」と同様の高精度フォーカス補正システムを踏襲し、第8世代プレート全面で優れた線幅均一性を達成しました。
※L/S:Line and Spaceの略
2. 高精度アライメントを実現
第10.5世代プレートサイズ対応の「FX-103SH/103S」に搭載した大型ステージ制御技術と、「FX-68SH/68S」の高解像投影レンズを採用し、高精度アライメントを実現。また、複数の投影レンズで構成されたニコン独自のマルチレンズシステムにより、プレート面を局所的に補正することができるため、大型プレートの様々な歪み形状にも対応可能です。これにより、歩留まりの高い量産に寄与します。
3. 生産性を向上
マルチレンズシステムにより、高い解像度で広い面積の一括露光を実現しました。4回のスキャンで、第8世代プレート全面の露光が可能です。また、従来機種の「FX-86SH2」と比較して、ステージの駆動速度を30%以上改善し、タクトタイムを大幅に向上させました。
最大4本の光源の搭載が選択でき、高照度を必要とする露光プロセスにおいても、高生産性に寄与します。
4.多様なパネルの量産にフレキシブルに対応
高解像、高精度で、広い面積を露光することができ、スマートデバイスやハイエンドモニター、大型テレビなどの、様々な高付加価値プレミアムディスプレイ向けパネルを効率よく生産することが可能です。「FX-88S」は、お客様の多様なニーズに対応します。
主な性能
解像度(L/S):1.5 μm (i線)
投影倍率:1:1
アライメント精度:≦±0.40 μm
プレートサイズ:2,200 mmx2,500 mm
タクトタイム:47秒/プレート
(条件)2,200 mmx2,500 mm、4スキャン、i線、30 mJ/cm2
関連リンク
FPD装置事業 ホームページ
https://www.ave.nikon.co.jp/fpd/lineup/