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理化学研究所と昭和大学の共同研究チームが説明可能AIを用いた超音波画像診断支援の新技術を開発 -- 胎児心臓超音波スクリーニングへの臨床応用に期待

(Digital PR Platform) 2022年03月23日(水)14時05分配信 Digital PR Platform



理化学研究所(理研)革新知能統合研究センター(AIP)目的指向基盤技術研究グループがん探索医療研究チームの小松正明副チームリーダー、浜本隆二チームリーダー、理研AIP-富士通連携センター[1]の酒井彬客員研究員、昭和大学医学部産婦人科学講座の松岡隆准教授、小松玲奈助教らの共同研究グループ(※)は、超音波検査に人工知能(AI)技術を適用する上で、AIの判定根拠を可視化して検査者の診断を支援する新技術を開発しました。この研究成果は、胎児心臓超音波スクリーニング[2]におけるAIを活用した超音波画像診断支援技術の臨床応用に貢献すると期待されます。なお、本研究は科学雑誌『Biomedicines』オンライン版(2月25日付)に掲載されました。




 今回、共同研究グループは、深層学習(ディープラーニング)[3]を用いた新しい説明可能な表現「グラフチャート図」を開発しました。この技術により、超音波検査において異常所見の有無を判定する際に、判定の根拠となる診断部位の検出結果を従来手法よりも明確に提示することが可能となりました。また、実際に検査者がグラフチャート図を参考にすることで、胎児心臓超音波スクリーニング精度が向上することを確認しました。

 なお本研究は、文部科学省「次世代人工知能技術等研究開発拠点形成事業費補助金」による支援を受けて行われました。

※詳細は添付PDFを参照。

■論文情報
<タイトル>
 Medical professional enhancement using explainable artificial intelligence in fetal cardiac ultrasound screening
<著者名>
 Akira Sakai, Masaaki Komatsu, Reina Komatsu, Ryu Matsuoka, Suguru Yasutomi, Ai Dozen, Kanto Shozu, Tatsuya Arakaki, Hidenori Machino, Ken Asada, Syuzo Kaneko, Akihiko Sekizawa, Ryuji Hamamoto
<雑誌>
 Biomedicines
<DOI>
 10.3390/biomedicines10030551

■補足説明
[1] 理研AIP-富士通連携センター
 理研の産業界との連携センター制度に基づいて、理研AIPと富士通株式会社が2017年4月に開設した連携センター。環境の不確実な変化に対しても、的確な未来予測に基づいて人のより良い判断を支援する「想定外を想定するAI技術」の実現を研究テーマとした共同研究を進めている。

[2] 胎児心臓超音波スクリーニング
 先天性心疾患の早期発見のため、スクリーニング目的で胎児心臓を観察する超音波検査。原則として全ての妊婦を対象に実施する。代表的な胎児心臓の基本診断面としては、四腔断面(four-chamber view)、三血管断面(three-vessel view)、三血管気管断面(three-vessel trachea view)などが挙げられる。日本胎児心臓病学会・日本小児循環器学会編『胎児心エコー検査ガイドライン(第2版)』参照。

[3] 深層学習(ディープラーニング)
 機械学習の計算手法の一つで、多層(狭義には4層以上)のニューラルネットワークのこと。画像や動画、テキスト、音声などの分類・識別問題に用いられている。ニューラルネットワークとは、脳機能に見られるいくつかのネットワークを計算機上のシミュレーションで表現することを目指した数学モデルである。

(※)共同研究グループ
【理化学研究所 革新知能統合研究センター】
●目的指向基盤技術研究グループ がん探索医療研究チーム
  副チームリーダー 小松 正明(こまつ まさあき)
  チームリーダー 浜本 隆二(はまもと りゅうじ)
 (国立がん研究センター研究所 医療AI研究開発分野 分野長)
  客員研究員 金子 修三(かねこ しゅうぞう)
 (国立がん研究センター研究所 医療AI研究開発分野 ユニット長)
  研究員 浅田 健(あさだ けん)
  特別研究員 町野 英徳(まちの ひでのり)
●理研AIP-富士通連携センター
  客員研究員 酒井 彬(さかい あきら)
  (富士通株式会社 研究本部 人工知能研究所 研究員)
  客員研究員 安富 優(やすとみ すぐる)
  (富士通株式会社 研究本部 人工知能研究所 研究員)
●昭和大学 医学部 産婦人科学講座
  教授 関沢 明彦(せきざわ あきひこ)
  准教授 松岡 隆(まつおか りゅう)
  助教 小松 玲奈(こまつ れいな)
  講師 新垣 達也(あらかき たつや)

▼発表者・機関窓口
<発表者> ※研究内容については発表者にお問い合わせください。
●理化学研究所 革新知能統合研究センター
・目的指向基盤技術研究グループ がん探索医療研究チーム
  副チームリーダー 小松 正明(こまつ まさあき)
  チームリーダー 浜本 隆二(はまもと りゅうじ)
  (国立がん研究センター研究所 医療AI研究開発分野 分野長)
・理研AIP-富士通連携センター
  客員研究員 酒井 彬(さかい あきら)
  (富士通株式会社 研究本部 人工知能研究所 研究員)
 E-mail: masaaki.komatsu@riken.jp (小松)、 akira.sakai@fujitsu.com (酒井)
●昭和大学 医学部 産婦人科学講座
  准教授 松岡 隆 (まつおか りゅう)
  助教 小松 玲奈(こまつ れいな)
 E-mail: ryu@med.showa-u.ac.jp(松岡)

<機関窓口>
●理化学研究所 広報室 報道担当
 E-mail: ex-press@riken.jp
●昭和大学 総務部 総務課 大学広報係
 TEL: 03-3784-8059
 E-mail: press@ofc.showa-u.ac.jp


【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

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