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日本製鉄株式会社

日本製鉄 市村産業賞・市村地球環境産業賞をダブル受賞 〜2020年以来3回目のダブル受賞〜 

(Digital PR Platform) 2022年03月14日(月)11時23分配信 Digital PR Platform

日本製鉄株式会社(以下、日本製鉄)は、公益財団法人市村清新技術財団より、第54回(令和3年度)市村賞において、市村産業賞、市村地球環境産業賞をダブル受賞しました。市村賞は、科学技術の進歩、産業の発展に貢献した技術開発者を表彰する伝統と権威ある賞であり、市村産業賞、市村学術賞、市村地球環境産業賞、市村地球環境学術賞の4分野が設けられています。今回、日本製鉄は、市村産業賞と市村地球環境産業賞のダブル受賞を達成しました。贈賞式は本年4月15日に帝国ホテル東京で実施されます。受賞の概要は以下のとおりです。

1.市村産業賞の受賞内容
(1) 名 称:市村産業賞 貢献賞
(2) テーマ:新幹線用新型ブレーキパッドの開発
(3) 受賞者:日本製鉄 交通産機品事業部交通産機品技術部 主幹 宮部成央
      日本製鉄 技術開発本部関西技術研究部 室長 加藤孝憲
      日本製鉄 関西製鉄所鉄道車両品製造部 室長 坂口篤司

2.市村地球環境産業賞の受賞内容
(1) 名 称:市村地球環境産業賞 貢献賞
(2) テーマ:工場排ガス中CO2の低エネルギー分離回収システムの開発
(3) 受賞者:日鉄エンジニアリング(株) 環境・エネルギーセクター マネジャー 萩生大介
      日本製鉄 技術開発本部数理科学研究部 上席主幹研究員 松崎洋市
      公益財団法人地球環境産業技術研究機構 化学研究グループ 主任研究員
                                   Chowdhury Firoz Alam

3.開発技術「新幹線用新型ブレーキパッドの開発」の内容
(1) 概要
新幹線の速度向上に際し、安全性を維持するためにはブレーキ性能の向上が必須となります。東海道新幹線開業以来用いられてきたブレーキ(リジッド)パッドは、摩擦材を一体で押し当てる構造となっているため、高速から急制動する際は、熱変形するディスクと部分的に接触し局所的な高温部(ヒートスポット)を生じ、結果としてブレーキ力の低下等、様々な問題を誘発します。この課題を解決するために、ヒートスポットの発生を防止可能な新型パッドを開発・実用化しました。

(2) 開発した技術
高速からのブレーキ時に熱変形したブレーキディスクと摺動するブレーキパッドの摩擦材が局部接触することなく、熱変形に追従するように稼働させる目的で、皿ばねを搭載した新型ブレーキパッドを考案しました。有限要素法(FEM)解析を駆使し、より均一な接触状態となるよう設計されています。これにより新型パッドでは前述のヒートスポットの発生を防止することができます。



[画像1]https://user.pr-automation.jp/simg/84/56745/700_102_20220314102933622e9a7d298e2.JPG

 図1 ブレーキパッド(左:従来品、中央:開発品、右:開発品の断面模式図)



[画像2]https://user.pr-automation.jp/simg/84/56745/500_277_20220314102939622e9a83dbff7.JPG

 図2 ブレーキ時ディスク表面温度(左:従来品、右:開発品)

(3) 効果
新型パッドではヒートスポットの発生が防止できており、ディスク表面温度は従来品と比較すると100 ℃以上低減されています。温度低減により摩擦係数の低下を防ぐことで、ブレーキ距離の短縮も実現することができました。現在では東海道新幹線全ての車両が新型パッド搭載車両となっており、今後ますますの適用拡大が期待されています。

4.開発技術「工場排ガス中CO2の低エネルギー分離回収システムの開発」の内容
(1) 概要
化学吸収法は、吸収液にCO2を選択的に反応吸収後、加熱してCO2を分離回収する方法です。CO2分離に必要な熱エネルギーが分離回収コストの大部分を占めるため、この熱エネルギーを低減することが開発のポイントとなりました。この課題を解決するために、新しい化学吸収液の開発、実用化技術の開発を行いました。

(2) 開発した技術
吸収液に用いるアミン化合物の探索(量子化学計算やケモインフォマティックスも用いた効率的な化合物の絞り込みを実施)と吸収液の組成検討を行い、熱エネルギー消費量を大幅に削減可能な新しい化学吸収液を開発しました。また、回収したCO2に同伴する不純物の種類を峻別しこれらを除去する方法を確立しました。



[画像3]https://user.pr-automation.jp/simg/84/56745/350_298_20220314103842622e9ca2c99e4.JPG


 図3 ESCAPRの設備フロー

(3) 効果
開発の結果、以下の特徴を持つCO2分離回収システムを得ることができました。
@ 熱エネルギー消費量を40%以上(*)削減(ヒートポンプシステムとの組合せでは50%減を達成)
  (*)従来の一般的な化学吸収液MEA(モノエタノールアミン)比
A 100℃未満の低温での再生を実現(未利用の低品位排熱利用が可能)
B 不純物の多い排ガスに対応(不純物除去のため前処理設備及び後処理設備を付加)
以上のシステムを日鉄エンジニアリングの省エネ型CO2化学吸収プロセス「ESCAP」として商品化しました。

日本製鉄グループは、常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、国連で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)にも合致した優れた製品・サービスの提供を通じて、これからも社会の発展に貢献していきます。
以 上


お問い合わせ先:総務部広報センター 電話03-6867-3419、2135、2146、2977




[画像4]https://user.pr-automation.jp/simg/84/56745/250_31_20220314102920622e9a7095b01.jpg





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