プレスリリース
・アリババグループの目標は、2030年までのスコープ1、2のカーボンニュートラル達成とスコープ3の炭素強度50%低減
・アリババクラウドの目標は、2030年までのスコープ1、2、3のカーボンニュートラル達成
・更に、アリババが新たに提唱する「スコープ3+」について、2035年までにアリババグループのエコシステム全体で1.5ギガトンの炭素排出削減
アリババグループ・ホールディング・リミテッド(NYSE:BABA、HKEX:9988、以下「アリババ」、「グループ」)は12月17日付で、2030年までに自社オペレーションのカーボンニュートラルを達成し、更に新たに提唱する「スコープ3+」に基づく目標として、グループのビジネスエコシステム全体で2035年までに1.5ギガトンの炭素排出削減を目指すことを発表しました。新たに導入されたスコープ3+の考えと定義を含む目標の詳細は、「Alibaba Carbon Neutrality Action Report」(https://sustainability.alibabagroup.com/en
) に記載されています。アリババは今後、適切な監査機構によって検証された進捗状況を毎年公開する予定です。
アリババグループの会長兼CEO ダニエル・チャンのコメント
「アリババは、社会に革新的な変化をもたらす力となることを目指しています。当社のESG戦略は、102年間存続する良い会社になるというミッションに基づいています。これは、アリババの今後の発展のための重要な基盤でもあります。新たに宣言した2035年までの炭素排出量1.5ギガトン削減という『スコープ3+』に基づく目標に向けて、プラットフォーム事業者としての独自の影響力を活かしながら、中国および世界の消費者、マーチャント、パートナーとともに活動に全力でコミットしていきます。」
カーボンニュートラルのロードマップ
アリババグループは、2030年までにスコープ1、2※1のカーボンニュートラルを実現し、スコープ3※2の2030年までの炭素強度低減目標を50%に設定します(2020年のレベルを基準値とする)。アリババクラウドは、スコープ3に関してより高い目標を掲げ、2030年までに3スコープすべてでカーボンニュートラルを実現します。
※1スコープ1は、組織が制御または所有する排出源から発生する直接温室効果ガス(GHG)排出量(たとえば、ボイラー、溶鉱炉、自動車での燃料燃焼にともなう排出量)。スコープ2は、組織が購入・利用する電力、蒸気、熱、冷却からの間接的なGHG排出量。
※2スコープ3は、組織が所有または制御するものではないが、そのバリューチェーンに関連して発生する間接排出。
アリババグループは、SBTi(ScienceBased Targetsinitiative)への参加を表明しており、2015年にパリ協定で示された気候変動による悪影響を回避するための重要目標である「BusinessAmbition for 1.5°C」(https://sciencebasedtargets.org/business-ambition-for-1-5c
) とグループの脱炭素化の施策・戦略を一致させました。
脱炭素化を計画、管理する上で、アリババは体系的かつ科学的なアプローチを採用します。これには、省エネおよび効率を向上させるテクノロジーの活用による排出量削減、再生可能エネルギーの積極的活用によるエネルギー構造の転換、炭素除去に関する調査などが含まれます。一般原則として、二酸化炭素の除去よりも削減、オフセットよりも除去が優先されます。
先駆的な「スコープ3+」目標
さらにアリババは、プラットフォーム企業として、スコープ1、2、3に含まれていない、プラットフォームにおけるエコシステムの幅広い関係者から生じる炭素排出量を示す「スコープ3+」の概念を提唱し、大きな責任を果たすことにコミットします。「1.5Gigatons for 1.5°C」プロジェクトを開始し、2035年までに1.5ギガトンの脱炭素化を促進することを約束します。
アリババグループのバイスプレジデント兼 サステナビリティ運営委員会の議長を務める陳龍(チェン・ロン)のコメント
「パリ協定の1.5℃目標の達成につながる低炭素循環型経済モデルを推進する上で、デジタルプラットフォームの活用は重要な役割を果たすと確信しています。『スコープ3+』の概念は、当社のデジタルプラットフォームを活用してアリババエコシステムのより多くのステークホルダーに影響を与え、低炭素の製品、サービス、行動を推奨したり、当社のエネルギー効率を向上させるテクノロジーや革新的なビジネスツールをお客様やビジネスパートナーと共有したりすることで、カーボンフットプリントを削減する可能性に基づいています。」
アリババは、世界各地の先進的な専門機関と連携、協力し、スコープ3+の二酸化炭素削減の測定および指標の改善に継続的に取り組んでいきます。
専任のESGガバナンス機関
アリババは本日、カーボンニュートラル目標とより広範なESG目標の達成を監督、マネジメント、支援することを目的とした3層構造の新しいESGガバナンス・フレームワークについて発表しました。
ESGガバナンス・フレームワークは以下から構成されます。
サステナビリティ委員会:社外取締役・楊致遠(ジェリー・ヤン、JerryYang)が議長を務める取締役会レベルのサステナビリティ委員会。同委員会に、ウォルター・テー・ミン・クワウク(WalterTeh Ming Kwauk)、ジョー・ツァイ(JoeTsai)、マギー・ウー(MaggieWu)が含まれます。
サステナビリティ運営委員会:戦略立案、目標設定、管理を担当します。
事業横断のESGアクショングループ:各事業群の実務代表者で構成されるESGアクショングループは調整と実行を担当します。
同時に、アリババは情報およびデータの開示および報告の仕組みの改善に取り組んでいきます。2022年からアリババは、具体的な進捗状況が記載されたESGレポートを毎年公開する予定です。レポートは、国内外の基準に基づく信頼性の高い指標に準拠し、適切な監査機関による検証を受ける予定です。