プレスリリース
デジタルアーツ調査 全国教育委員会のフィルタリング導入率が約98%まで上昇 2年ぶりの変化で昨年調査から5ポイント増
情報セキュリティメーカーのデジタルアーツ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:道具 登志夫、以下 デジタルアーツ、証券コード2326)は、GIGAスクール構想の1人1台端末における有償フィルタリングの導入状況を調査したことを発表します。
2023年度の小中学校におけるネットいじめは過去最多を更新 青少年の46%がインターネットトラブルに
文部科学省が発表した「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」※1によると、小・中・高校などで認知された「パソコンや携帯電話などで誹謗(ひぼう)・中傷や嫌なことをされる」という、いわゆるネットいじめの件数は2万4,678件に上り、ネットいじめの件数は過去最多を更新し続けています。
さらに「我が国における青少年のインターネット利用にかかる調査」※2によると、インターネット利用において何らかのトラブルに遭遇したことがあると回答した青少年(中高)は46%であり、保護者に関しては、長時間利用やそれに伴う依存について、不安を抱えている傾向があります。実際に使いすぎによって学業や生活に支障が出る、コミュニケーショントラブルや人間関係の問題にあったなど、様々なトラブルに遭遇していることがわかっています。
このことから、ICT端末の活用によるいじめやトラブル、長時間利用に関するフィルタリングソフトを始めとするセキュリティ対策も推進していく必要性があると考えられます。
有償フィルタリングの導入率は昨年度の約5ポイント増79.7% 端末更新タイミングでフィルタリング導入進む
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デジタルアーツが2024年9月に実施した1741教育委員会(市区町村教委)へのヒアリング結果によると、GIGAスクール構想の1人1台端末にフィルタリングを導入している教育委員会は97.9%、有償フィルタリングを導入している教育委員会は全体の79.7%まで上昇したことがわかりました。無償フィルタリングの導入は全体の18.2%、フィルタリング未導入は全体の2.1%となり、昨年度の調査結果と比較するとフィルタリング未導入の教育委員会が何らかのフィルタリングを導入したことがわかります。
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1,741教育委員会のうち、生徒数が3,000人を超える651教育委員会へのヒアリング結果では、有償フィルタリングの導入は86.0%、無償フィルタリングの導入は13.1%、フィルタリング未導入は0.9%となりました。1,741教育委員会の調査結果と比較すると無償フィルタリングの増加率は低く、有償フィルタリングの増加率が高いことがわかります。
フィルタリング導入増加の要因
全体的に導入が増加した要因は、「GIGAスクール構想の実現 学習者用コンピュータの調達等ガイドライン」※3でフィルタリング機能を備えることが必要であることが明記され、補助金要件となった点と、GIGAスクール構想第2期の端末更新が始まった点、ネットいじめやネットトラブル、長時間使用などの問題に対する意識向上などが考えられます。
フィルタリングソフトの導入は端末更新時に行うことが多く、今年度が更新タイミングとなった教育委員会が無償または有償のフィルタリングを導入した可能性が高いです。
2022年、2023年と横並びに推移した有償フィルタリング導入が2024年度に増加した要因も、今年度からGIGAスクール構想第2期に突入したことによるものと予測できるでしょう。
無償フィルタリングと比較して有償フィルタリングが多く増加した理由としては、安全性の高さや機能が充実した有償フィルタリングニーズが高まったことによると考えられます。
全教育委員会と比べて、生徒数3,000人以上の教育委員会における教育委員会の有償フィルタリング率が高い要因は、生徒数に伴うICT予算の規模感や、セキュリティ意識への高さの表れであると考えられます。
無償フィルタリングと有償フィルタリングの機能差異と課題
無償フィルタリングとは主にOSに搭載されているフィルタリングを指しており、アダルトコンテンツのブロックを目的としています。アダルトコンテンツ以外の有害情報や脅威情報サイト等のブロックは、管理者が一つ一つ手作業で登録しなければならず、運用の負担が大きいという課題があります。
また、有償フィルタリングには安全なドメインのみアクセスを許可するDNSフィルタリングも含まれています。DNSフィルタリングは、Webサイトのすべてのページをアクセス許可するかブロックするかの極端な制限になるため、学習に関する動画のみアクセスを許可したい場合などWebページ単位での柔軟な閲覧設定ができない場合があります。
Webサイトの柔軟なフィルタリング利用時間の制限など細かな設定を行うことは、無償フィルタリングやDNSフィルタリングでは厳しい面があります。学習用端末として適切に運用するには、細かな設定ができる機能を持つフィルタリング製品を利用することが重要です。さらに、昨今加速するネットいじめや長時間利用の対策として、いじめにつながるような書き込みや自殺サイトへのアクセスなどを検知できる機能や利用を制限できる機能などが求められています。
デジタルアーツが提供する「i-FILTER」は、ネットいじめ対策機能や細かな設定ができる機能を持つフィルタリング製品であり、実際に有償フィルタリング導入済みの教育委員会の中で53%※4のシェアを獲得しています。
今年度からGIGAスクール構想第2期による端末更新が始まり、2025年度に本格化が見込まれ、来年度中に6割の更新が完了すると言われており、さらに有償フィルタリングの導入が進んでいくことが期待できます。デジタルアーツは安全かつ効果的に学習用途として端末を活用できるよう環境を整えることがセキュリティメーカーとしての責務と捉え、引き続き教育現場の現状や課題に向き合ってまいります。
■「i-FILTER@Cloud」GIGAスクール版
デジタルアーツのWebセキュリティ製品「i-FILTER@Cloud」GIGAスクール版は、GIGAスクール構想における1人1台端末を、教育の現場で安全かつ円滑に学習ができるよう利用いただくために改良した学校用フィルタリングサービスです。「i-FILTER」のフィルタリングデータベースをもとに、学習の現場に合わせたきめ細やかなフィルタリングルール設定が可能です。
https://www.daj.jp/bs/lp/mimamori/
■「見守りフィルター」
「i-FILTER@Cloud」GIGAスクール版には「見守りフィルター」が搭載されています。「見守りフィルター」はネットいじめにつながる書き込みや自殺など危険な単語の検索をブロックし、管理者にメールでアラート通知を行う機能です。ブロックする単語は、管理者(学校)が任意で設定できるほか、夜間など管理者(学校)が禁止した時間帯に端末が使われた際アラート通知する、というようにさまざまなルール設定が可能です。
https://www.daj.jp/bs/lp/mimamori/
※1 出典元:文部科学省 「令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」
https://www.mext.go.jp/content/20241031-mxt_jidou02-100002753_1_2.pdf
※2 出典元:総務省 「我が国における青少年のインターネット利用に係る調査」
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu02_02000413.html
※3 出典元:文部科学省 「GIGAスクール構想の実現 学習者用コンピュータの調達等ガイドライン」
https://www.mext.go.jp/content/20240417-mxt_jogai02-000033777_5.pdf
※4 1,741教育委員会に対するヒアリング調査(当社調べ)
本件に関するお問合わせ先
広報課 畑楠・関
TEL : 03-5220-1670
E-mail : press@daj.co.jp
関連リンク
「i-FILTER@Cloud」GIGAスクール版
https://www.daj.jp/bs/lp/mimamori/