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プレスリリース
Tracealyzer 4.9.0:ThreadX向けサポート強化 - 高効率タスクスケジューリングと低メモリ消費を実現するリアルタイムOSに最適なトレース解析機能を提供し、組み込みシステム開発を加速
2024年10月28日、東京都渋谷区 - ポジティブワン株式会社(スウェーデンに拠点を置くPercepio社の日本総代理店)は、組み込みシステム向けトレース解析ツール「Tracealyzer」の最新バージョン4.9.0のリリースに伴い、リアルタイムOS「ThreadX」に対するサポートがさらに強化されたことをお知らせいたします。ThreadXは、特にIoTや組み込みデバイスで広く使用されるリアルタイムOSであり、高い効率性と信頼性が求められるシステムに適しています。今回のTracealyzer 4.9.0のリリースによって、ThreadXを利用するシステム開発者は、より精密で詳細なトレース解析が可能になり、デバッグやパフォーマンス最適化が一層進みました。
◆ThreadX向けのTraceRecorderサポート機能の強化
Tracealyzer 4.9.0では、ThreadXを使用するシステムに対して、トレースデータの取得や解析がさらに効率的に行えるようになりました。ThreadXに特化したTraceRecorderサポートが強化され、各タスクやスレッドのスケジューリング、イベント発生、リソースの利用状況など、システムの動作を詳細に可視化できるようになっています。これにより、開発者はリアルタイムシステムの中で発生する潜在的な問題をより早期に発見し、迅速に対応できるようになりました。
ThreadXは、特にメモリ効率や高速なタスクスケジューリングが求められるシステム向けに最適化されていますが、これらの特性が原因でデバッグが難しい場合もあります。Tracealyzerは、ThreadXの動作をリアルタイムで詳細にトレースし、スレッドの状態やタイミング、イベントの発生頻度や処理内容を視覚化することで、ThreadXの利点を最大限に活かしながらもデバッグの手間を軽減します。
◆組み込みシステムの課題解決を支援するThreadX向けトレース解析機能
組み込みシステムでは、リアルタイムOSを活用する場合、優先度逆転やデッドロック、リソース競合といった課題が発生しやすく、これらの問題を迅速に解決するためには、トレースデータの詳細な解析が欠かせません。Tracealyzer 4.9.0は、ThreadX上でのタスクの動作やリソースの競合状態を可視化することで、これらの課題に対処できるよう支援します。
具体的には、各タスクのスケジュール情報や待機時間、実行時間などをリアルタイムで把握することができ、ボトルネックの発生箇所をすぐに特定できます。また、リソースの使用状況を監視することで、どのタスクがどれだけのリソースを消費しているか、またリソースの競合が発生していないかといった点についても、簡単に確認することが可能です。これにより、開発者はThreadXシステムの信頼性と効率性を保ちながら、パフォーマンスの最適化を図ることができます。
◆ThreadX向けTracealyzerの適用領域
今回のThreadX向けサポートの強化により、Tracealyzer 4.9.0は、医療機器、自動車制御、産業機器、IoTデバイスなど、特に高いリアルタイム性が求められる分野での利用において一層の効果が期待されます。ThreadXは、さまざまな分野での組み込みシステムに採用されており、効率的なスケジューリングと低メモリ消費を特長としていますが、こうしたシステムの構造上、デバッグが困難な場合が多くあります。Tracealyzer 4.9.0により、ThreadXの各スレッドやタスクの動作を詳細にトレースすることで、デバッグとパフォーマンス解析が容易に行えます。
例えば、医療機器では、リアルタイムに動作するセンサーや制御システムが求められるため、システムの応答性と安定性が非常に重要です。Tracealyzerは、こうした医療機器向けの組み込みシステムにおいて、タスクやスレッドの動作を視覚化し、システムが安定して動作するかを検証するためのデータを提供します。また、イベント処理や優先度管理の面で発生しがちな問題も、リアルタイムトレースを通じて即座に確認でき、システムの安定性が確保されます。
自動車制御や産業機器でも、リアルタイム性と信頼性が求められるため、ThreadXとTracealyzerの組み合わせは、デバッグや最適化の強力な支援ツールとなります。自動車のエンジン制御や安全機能、工場の生産ラインの自動制御システムといったアプリケーションにおいて、各タスクが正確なタイミングで実行されることが要求されます。Tracealyzer 4.9.0は、タスクがスケジュール通りに実行されているかをリアルタイムで監視できるため、設計段階から製品の信頼性向上に寄与します。
◆TracealyzerによるThreadXシステムの最適化
ThreadXを活用する組み込みシステム開発において、Tracealyzerは特にメモリ管理やCPU使用率の最適化に役立ちます。Tracealyzer 4.9.0は、各タスクやスレッドのメモリ使用状況やCPU負荷を詳細に監視し、不要なメモリ使用やCPU負荷の偏りを解消するためのデータを提供します。これにより、組み込みシステムの効率的なリソース管理が可能となり、システム全体のパフォーマンスと安定性が向上します。
また、Tracealyzerは、ThreadXシステムの優先度管理にも対応しており、優先度逆転の発生状況をリアルタイムで把握できるため、システム設計者は適切な優先度を設定し、タスクが本来の目的に従って動作することを確認できます。これにより、システムの応答性やパフォーマンスを保ちながら、安定した動作を確保することが可能です。
◆Percepio社の今後の展望とThreadXサポートの拡充
Percepio社は、組み込みシステムの開発効率と信頼性を向上させるため、Tracealyzerの機能強化に取り組んでいます。今回のThreadX向けサポートの強化は、Percepio社の方針の一環として、さまざまなリアルタイムOSへの対応範囲を広げるものです。Percepio社は今後も、リアルタイムOSの幅広いサポートと、異なる組み込みシステム構成に適した機能を提供し、信頼性の高いシステム開発を支援していく予定です。
ThreadXを含むリアルタイムOS向けのトレース解析ツールとしてのTracealyzerの利用は、今後ますます重要性を増していくことが予想されます。Percepio社は、Tracealyzerを通じて、組み込みシステムのリソース管理、タスクの効率的なスケジューリング、パフォーマンス解析など、さまざまな課題に対応する機能を提供し、組み込みシステム開発者が安定性と信頼性の高いシステムを構築できるよう支援しています。
今回のTracealyzer 4.9.0のリリースによって、特にリアルタイムOS「ThreadX」を採用するシステムにおいて、さらなるデバッグ効率とパフォーマンスの最適化が図れるようになりました。詳細なトレースデータを活用することで、開発者はシステムの潜在的な課題を早期に発見し、迅速に解決することが可能です。今後もPercepio社は、組み込みシステム開発者に信頼されるツールを提供し、組み込み分野の開発環境の改善に貢献していく方針です。
【Percepio社について】
Percepio社は、スウェーデンのヴェステロースに本社を構える組み込みシステム向けトレース解析ツールのリーディングカンパニーです。主力製品「Tracealyzer」は、リアルタイムOSを利用する組み込みシステム開発者に、デバッグやパフォーマンス最適化のための高度な可視化ツールを提供しています。TracealyzerはSafeRTOS、FreeRTOS、ThreadX、VxWorks、LynxOSなど、さまざまなRTOSに対応しており、システムの安定性と信頼性が要求される医療機器や産業制御など、セイフティクリティカルな分野での利用が広がっています。Percepio社は、システム開発の効率化と信頼性向上を目指し、今後も多様なリアルタイムOSのサポート拡充と新機能の提供を継続していきます。
【ポジティブワン株式会社について】
社名: ポジティブワン株式会社(POSITIVE ONE CORPORATION)
東京本社: 〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-12-1 渋谷マークシティ・ウエスト22F
関西本社: 〒651-0087 兵庫県神戸市中央区御幸通8-1-6 神戸国際会館 22F
URL: https://www.positive-one.com
ポジティブワン株式会社は、最先端技術と時代を先読みしたエンベデッドソリューションを提供します。海外の有力な技術会社と提携し、多様化する仕様に対応できるOEMハードウェアやISO準拠のツールを提供し、システムコンサルティングからハードウェア、ソフトウェアのシステム受託開発まで、幅広くサポートしています。
【本件に関するお問い合わせ先】
ポジティブワン株式会社
メールアドレス:poc_sales@positive-one.com
TEL:03-3256-3933
FAX:03-4360-5301