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プレスリリース

Bluetooth SIG、画期的な距離認識技術「Bluetoothチャネルサウンディング」を発表

(DreamNews) 2024年09月04日(水)11時30分配信 DreamNews

新たな高精度測距機能がBluetooth(R)接続デバイスの可能性を拡大

Bluetooth(R)技術を管理する業界団体である Bluetooth Special Interest Group (本部:米国ワシントン州カークランド、以下、Bluetooth SIG)は、米国時間2024年9月3日、Bluetooth Channel Sounding (以下、Bluetoothチャネルサウンディング)という画期的な新機能の公開を発表しました。この新しいセキュアな高精度測距機能は、Bluetooth接続デバイスの利便性、安全性、セキュリティを飛躍的に向上させます。Bluetoothチャネルサウンディングは、日常的に用いられる数十億台ものデバイスに正確な距離認識機能をもたらし、開発者とユーザー双方に革命的な可能性を切り拓いて、コネクテッドデバイスの世界に無限の可能性を解放します。

Bluetooth SIGのCEOであるネヴィル・マイヤーズは次のように述べています。「Bluetooth技術は既に私たちの日常生活に欠かせない存在となっています。接続されたデバイスが正確な距離を認識できるようになることで、全く新しい可能性が幅広い分野で生まれます。Bluetooth技術に高精度な距離認識機能を追加することは、Bluetooth SIGコミュニティが人とデバイス、人と人、人と周囲の世界とのつながりを絶え間なく強化し続けていることの証しです」

この新機能は、様々なアプリケーションに画期的な進化をもたらし、未知の可能性を切り拓きます。

Bluetooth紛失防止ソリューションの革新
鍵、財布、バックパック、旅行かばんなどの個人の持ち物に取り付けるBluetoothタグに加え、「紛失防止」機能を内蔵するBluetoothデバイスが急速に増加しています。これにより、あらゆるBluetooth接続デバイスが「紛失防止」デバイスとなる可能性が生まれています。Bluetoothチャネルサウンディングを活用することで、開発者は紛失防止デバイスに正確な距離認識機能を追加でき、ソリューションの精度とユーザーの使用感を高めることができます。それによりユーザーは、これまでよりもはるかに容易かつ迅速に紛失物の位置を特定できるようになります。

Bluetoothデジタルキーソリューションの進化
自動車からドア、門、金庫、自転車に至るまで、あらゆるものがBluetooth技術を採用し、キーレスアクセスとより高いセキュリティの施錠メカニズムを実現しています。Bluetoothチャネルサウンディングを使用することで、開発者はデジタルキーソリューションのセキュリティと使い勝手を向上させ、認証されたデバイスが特定の距離内にある場合にのみ解錠を許可するなど、より高度な制御を実現します。

ICCOA(インテリジェント・カー・コネクティビティ・オープン・アライアンス)のチーフセクレタリー、フォン・ユンシェン(Feng Yunsheng)氏は次のように述べています。「今後リリース予定のBluetoothデジタルキー仕様にこの新機能を追加できることを大変嬉しく思っています。Bluetoothチャネルサウンディングの採用により、ICCOAはこれからも世界中のドライバーや同乗者に、より優れた利便性、性能、セキュリティを提供し続けることができます」

また、ICCE(インテリジェント・カー・コネクティビティ・インダストリー・エコシステム・アライアンス)のチーフセクレタリーであるレン・フォン(Ren Feng)氏は、「ICCEは、シームレスなインテリジェント車載サービスを実現するため、業界標準の策定と業種の枠を超えた協力関係の促進に取り組んでいます。そのため現在、ICCEの自動車キー規格における測距方法の一つとしてBluetoothチャネルサウンディング技術の採用について検討を進めています。この機能を規格に統合することを心から楽しみにしています」と述べています。

Bluetoothチャネルサウンディングは、紛失防止やデジタルキーソリューション以外のアプリケーションにもメリットをもたらす大きな可能性を備えており、私たちのコネクテッドな世界との関わり方を根本から変える可能性があります。

ABI Researchのシニアリサーチディレクター、アンドリュー・ジニャーニ(Andrew Zignani)氏は次のように述べています。「Bluetoothチャネルサウンディングは、消費者、企業、産業分野など様々な環境で応用が可能です。例えば、ノートパソコンからの距離に応じて自動的にオン/オフ状態を切り替えるBluetoothマウス、キーボード、ゲームコントローラを想像してみてください。また産業分野では、距離を認識するBluetooth HMI(ヒューマンマシンインターフェース)ソリューションにより安全な距離からの操作のみを許可することで、従業員の安全性を高めることができます。一方、ネットワーク照明制御などで使用されるBluetoothデバイスネットワークは、この革新的技術を活用することで、システムパフォーマンスを向上させるための自己設定がより容易になります。2024年だけでも50億台を超えるBluetooth対応デバイスの出荷が予想される中、その可能性は計り知れません」





メリット
Bluetoothチャネルサウンディングは、コネクテッドデバイスに容易かつ安全に追加できる高精度測距機能を求める開発者に、3つの重要なメリットを提供します。

 高精度:Bluetoothチャネルサウンディングは位相ベース測距 (phase-based ranging:PBR)を活用し、Bluetooth接続デバイス間で正確性の高い距離測定を可能にします。これにより、長距離でもセンチメートル単位の精度を実現し、大部分のアプリケーションでニーズを満たし、最もシンプルなコネクテッドデバイスでも正確な距離認識のメリットを実現できます。

 セキュリティ:コネクテッドデバイスの数が増加するにつれ、それらの接続の完全性を維持することの重要性も増しています。Bluetoothチャネルサウンディングは、堅牢な多層防御のセキュリティを採用しており、そこには二次的な測位方法であるRTT(往復時間)ベースの距離制限も含まれます。これにより、高度な中間者攻撃(MitM攻撃)に対する追加の保護対策層が得られます。

 遍在性:Bluetooth技術は既に、スマートフォン、タブレット、ノートパソコンなど、すべての主要なコンシューマープラットフォームに搭載されています。Bluetoothチャネルサウンディングによって、開発者はあらゆる場所に存在するBluetooth接続デバイスに、正確な距離認識機能を追加できるようになります。追加の無線技術の設計は必要ありません。

サムスン電子のシステムLSI事業部 接続性開発チーム担当エクゼクティブバイスプレジデントであるキム・ジュンソク(Joonsuk Kim)氏は次のように述べています。「Bluetoothチャネルサウンディングは、幅広いBluetooth対応デバイスに正確な距離認識をもたらし、様々な産業分野で距離を認識するアプリケーションの性能をより高い次元へと解き放ちます。Bluetoothチャネルサウンディングにより、センチメートル単位の精度を実現することで紛失防止アプリケーションの性能を向上させ、より容易に大切な品を見つけられるようお客様を支援できます。さらに、Bluetoothチャネルサウンディングによりデジタルキーソリューションのセキュリティが向上し、キーレスエントリーのユーザーに追加の保護層を提供できます。こうした例は、Bluetoothチャネルサウンディングが持つ革新的な可能性のほんの一部分に過ぎません。この機能は、今後の実現に向けた数多くの可能性を備えています」

Bluetoothチャネルサウンディングは、本日リリースされたBluetoothコア仕様バージョン6.0に含まれています。Bluetoothチャネルサウンディングとその活用の可能性について、詳しくは、bluetooth.com/channelsoundingをご覧ください。

Bluetooth(R)技術について
Bluetooth(R)技術は、年間50億台を超える製品に搭載される、セキュアなワイヤレス通信と測位のグローバルな標準規格です。1998年に登場して以来、Bluetooth技術は新しい市場を確立し、文化を形づくり、人々の生活を豊かにするつながりを実現してきました。かつて有線に代わるシンプルな技術として生まれたBluetooth技術は、今では人々の生活をより安全で生産的に、そして楽しいものにするつながりを結ぶ、目に見えない糸となっています。

Bluetooth SIGについて
1998年に設立されたBluetooth SIG(Special Interest Group)は、世界で最も広く普及する無線規格であるBluetooth(R)技術を管理する非営利団体です。 Bluetooth SIGは国際標準化機関、製品認証機関、特許・商標ライセンス管理機関、業界団体という側面を併せ持つ、独特な組織です。4万社を超えるメンバー企業と連携して絶えず技術の拡張・強化に努め、ワイヤレス通信の可能性を再定義しています。

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