プレスリリース
フジサンケイグループのシンクタンク、株式会社エフシージー総合研究所(東京都江東区/社長:岸本一朗)のIPM・環境研究室では、喘息やアトピーの原因となる室内のカビや微小昆虫類、ダニなどの有害生物の研究を行っています。このたび同研究室による調査で、対象とした7割の住宅で喘息やアトピーのリスクが高まるダニやその糞などのアレルゲン量が国際的基準値を超過していたことがわかりました。今回の調査結果は本年10月14日発行の弊社広報誌で発表の予定です。
ダニは喘息やアトピーの原因生物で、高温多湿の日本では特に寝具が高濃度のダニに汚染されています。睡眠中にダニやその糞を吸い込んだり、皮膚に接触したりすることで、喘息やアトピー発症のリスクにさらされているのです。国際的基準値では、寝具のダスト1グラム当たり、ダニの糞などのアレルゲン量が、2マイクログラム(100万分の2グラム)を超えると発症リスクが高まるとされますが、調査では少なくとも7割の家庭でこの数値を超過していたことが判明しました。
今回の調査は2016年6月から2022年10月にかけて、ダイソン(株)と共同で、一般住宅40軒の寝室の床や寝具を対象に行った結果を集計したものです。寝室の床には1グラム当たり平均437個体のダニがいたことに対して、寝具の中にはその4倍超の1933個体が含まれていました。人は1日に7-8時間を寝具と密着することから、寝具と喘息やアトピーとの相関関係があると考えられています。一方で床に関しては、健康被害との相関関係は見いだせません。
ダニはジメジメした環境を好み、高温多湿の日本においては寝具が最も適した環境と言えます。一方、同じ寝室内にあっても、床は定期的に掃除をされることからダニの増殖を防いでいると考えられます。実際、2016年6月〜2022年10月にかけて延べ128人に行ったアンケート結果では、床を週に最低でも3回は掃除機にかけている割合が59%に対して、86%が寝具に月一回もしくは全く掃除機をかけていないという回答を得ています。
今回の調査研究からの提言
1)少なくとも2日に1回は寝具に掃除機をかける。
2)防ダニシーツも有効だが、週に1回は掃除機かけが望ましい。
3)週一回程度、布団乾燥機で布団を60℃以上に加熱することでダニの抑制が可能。
4)シーツは週一回以上洗濯すること。
5)アレルゲン対策は、出生直後から実施すること。
エフシージー総合研究所では、フジサンケイグループの一員として、私たちの約束である『誰もが安全で安心できる未来をめざす』理念のもと、社員とともに、皆様の信頼と期待に応え、公共の利益に資する貢献を果たしていく所存です。