プレスリリース
生誕90年の山本直純の合唱組曲「田園・わが愛」(寺山修司・作詩)や「笑いの喜遊曲」を室内合唱団「日唱」を8月15日に豊洲で特集! 息子の山本純ノ介、孫の山本澄奈が指揮。
スリーシェルズ代表の西耕一が合唱団「日唱」をプロデュースする「日本の巨匠」シリーズ(2016年にスタート)。2023年は、生誕90年の山本直純と山本家の音楽家(直純の父、息子、孫、直純の妻)を特集することを、2023年8月4日に発表しました。コンサートは、8月15日(豊洲駅・豊洲シビックホール5階・19時開演)で行われます。
生誕90年の山本直純の合唱組曲「田園・わが愛」(寺山修司・作詩)や「笑いの喜遊曲」を室内合唱団「日唱」を8月15日に豊洲で特集!息子の山本純ノ介、孫の山本澄奈が指揮。
■生誕90年!山本直純。叙情と笑いの大作を上演
山本直純は、作曲家・指揮者として、戦後の日本音楽界を様々に盛り上げた巨匠。1932年12月16日に東京で生まれたので、昨年から今年にかけて生誕90年のコンサートが行われています。映画「男はつらいよ」のテーマ音楽や、CM「大きいことはいいことだ」、童謡「一年生になったら」など、幅広く知られています。その膨大な作品のなかでも、直純が気に入っていた合唱組曲「田園・わが愛」(寺山修司作詩)と、「笑いの喜遊曲」(阪田寛夫作詩)を取り上げます。いずれも20分を超える大作です。
「田園・わが愛」は、故郷・青森を捨てて上京した若者と、その故郷の恋人や自然を寺山修司の美しい言葉と物語が彩っています。直純の純粋で叙情的な世界が、晴れやかにひろがる生命賛歌といえましょう。田園にリンゴが実り、幸せな気持ちにあふれるラストは特に聴きどころです。
「笑いの喜遊曲」は、「うたえバンバン」の作詩などで山本直純とコラボレーションも多い阪田寛夫が、「笑い」をテーマに、赤ちゃんの微笑みや、笑いのスキャットや、ダジャレの笑いなど、様々な状況で生まれる笑いを組曲としています。直純は、高い芸術性と職人的な技術で音楽化しており、ジャズ的なイディオムや、ドリフ音楽や特撮音楽でもおなじみの要素も聴き取れます。この二つの組曲に、直純の孫である山本澄奈が指揮者として出演いたします。
■山本直純の父・直忠の合唱曲を蘇演!
直純の父であり、作曲家・指揮者・音楽教育者の山本直忠(やまもと・なおただ/1904-1965)の知る人ぞ知る作品「聖フランシスコの平和のための祈り」を上演します。この曲は、1950 年、スペインのバスク地方にある教会の神父が口ずさんだ旋律を、山本直忠が単旋律の曲として創譜と伝えられています。その後、山本直純が四声に編曲して、賛美歌として歌われています。今回、この曲を、直純の息子・純ノ介がピアノパートを加えて編曲しました。時を超えた3代にわたるコラボレーションとなります。また、コンサート当日が8月15日・終戦記念日であることを踏まえ、コンサートの冒頭に、世界の平和を祈って演奏されます。
■山本純ノ介の傑作「光葬」と、新作「RAUM」委嘱初演
『音楽は崇高な祈り』という理念で創作する山本純ノ介の新作「RAUM」は、音響儀式・身振りを伴う祭礼的な作品となっています。舞台上だけでなく、ホール全体、客席を取り囲んでの歌唱も意図されており、山本がドイツ留学でディーター・シュネーベルから学んだ成果や、黛敏郎の唱える「祈りと叫び」とも共通した発想です。
「光葬」より(宗左近作詩)は、宗左近の「人間が光になって、遠くあちらへ行きます」という考えによって作られた一連の詩に、山本純ノ介が作曲をした、合唱界でも人気の作品です。宗左近は、この新たな創造に「驚嘆した」「これまでの日本の歴史がもちえなかった眞実の鎮魂歌なのではないでしょうか」「わたしはおののきながら、ふるえながら、聴きいることでしょう、いつまでも」と述べている。「RAUM」を山本純ノ介による作曲者指揮、「光葬」を山本澄奈の指揮で聴く。また、「RAUM」には、気鋭のクラリネット奏者岩瀬龍太、ソプラノソロとして山本澄奈が入る。
■おなじみの作品も演奏予定
演奏会の主となる大作は、上記の作品ですが、山本直純の人柄や幅広い創作を知るための「男はつらいよ」「小沢昭一的こころ」「大きいことはいいことだ」「歌えバンバン」や、直純の妻である山本正美の「ねむの木の子もり歌」(初版の混声合唱版)なども演奏。音楽の楽しみを様々な角度から味わえる公演を予定しています。
山本家4代にわたる音楽家の時空を越えた共演となる「山本直純・純ノ介・澄奈の世界」は2023年8月15日19時から豊洲シビックホールにて開催されます。是非ともお誘い合わせの上、お越しくださいませ。
【詳細】
タイトル 日唱特別演奏会「山本直純、純ノ介、澄奈の世界」
日時 8.15(火)19時開演(18時半開場)
会場 豊洲シビックホール 〒135-0061 東京都江東区豊洲2-2-18 豊洲シビックセンター5F(豊洲駅すぐ)
出演
山本純ノ介(作曲・指揮)
山本澄奈(ソプラノソロ・指揮)
山本きよみ(ピアノ)
重本遼大郎(ドラムス)
岩瀬龍太(クラリネット)
西耕一(司会・プロデュース)
室内合唱団「日唱」
【Sop.】
太田史夏 片山沙緒里 上出朝子 加藤茜 品川更紗 矢作沙織
【Alt.】
小野由弥香 北添智子 佐藤智子 菅沼安佐代 西本文子 田中正子
【Ten.】
金沢青児 坂口義行 長尾隆央 根岸一郎
【Bas.】
大津康平 白井智朗 豊永武志 中村隆太
【日唱所属ピアニスト】
松元博志
演奏曲目(企画構成:西耕一)
山本直忠 作曲
平和のための祈り(1950/作詩:山本直純)
山本直純 作曲
合唱組曲「笑いの喜遊曲」(1973/作詩:阪田寛夫)
1 ハ調のインヴェンション
2 ほほえみのメヌエット
3 笑いの誕生
4 インテルメッツォ
5 こばなし
6 鬼の笑い
7 へ調のアレグロ
合唱組曲「田園・わが愛」(1962/作詩:寺山修司)
ふるさと
間奏曲・田舎の少女の手紙
夏の花
がっこの先生
やさしき歌
間奏曲・都市の青年の手紙、
仕事の唄「仕事節」
きみが人生の時
夜明けのひばり
間奏曲・田舎の少女の手紙
我が田園
山本純ノ介 作曲
クラリネット・ソプラノ・混声合唱のためのRAUM (委嘱初演)
合唱組曲「光葬」より(2004年版/作詩:宗左近)
チケット
一般3500円 学生 1000円
購入・お問合せ
日唱公式サイトhttp://www.nissho-chorus.com/
日唱連絡センター080-7050-9410
イープラスhttp://eplus.jp
主催 一般社団法人 日本合唱協会
写真提供・協力:ミリオンコンサート協会
後援:日本作曲家協議会
芸術文化振興基金助成事業
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
【東京ライブ・ステージ応援助成】
出演者プロフィール
■山本純ノ介
1958年(東京)作曲・指揮。幼少より祖父直忠に音楽の手ほどきを受ける。
東京藝術大学修士課程修了作品の作曲過程で「音楽は崇高なりである」との理念に至る。四つの交響曲、多数の室内楽曲、邦楽作品がある。合唱組曲では日唱の委嘱から組曲に発展した「心象の海」をはじめ「万象」「20億光年の孤独」「光葬」、アカペラでは西行の和歌などをテキストに、「パンタレイ」「ピュシス」「無・不・空」などが音楽之友社より出版されている。また浄瑠璃・コンテンポラリーコーラス・オーケストラのための「アンティフォナ・スーラ」は井上道義、新日本フィルにより初演された。「法顕伝交響曲(第二交響曲)」は合唱と管弦楽による交響曲。父直純の助手を手始に、NHK 映画音楽の分野でも活躍し第44回アカデミー優秀音楽賞を受賞した。東京藝大非常勤講師、千葉大学教授を経て現在放送大学客員教授、JFC理事、音絵巻代表。NHK全国学校音楽コンクール、全日本合唱コンクールのいずれも全国大会の審査員を務めた。
■山本澄奈
NHK児童合唱団在籍中、教育番組などにレギュラー出演。東京音楽大学声楽専攻演奏家コース卒業。同大学大学院声楽専攻オペラ研究領域修了。現在、東京音楽大学大学院博士後期課程に在籍。
長江杯国際コンクール声楽一般の部1位、並びに理事長賞受賞。モーツァルテウム国際音楽大学サマーアカデミーに特別奨学生としてザルツブルクへ渡航し、優秀受講者としてSchloss Konzert 2017に出演。Kurt Widmer、Luciana serraのもとでディプロマ取得。東京2020オリンピック競技紹介アニメや、『GODZILLA ゴジラS.P 』の音楽制作で合唱ヴォイスアドバイザーとして携わるなど、イベントやコンサートのプロデュースワークでも活躍。複数の合唱団で邦人作品に於いて、詩と音楽と表現者(歌い手)の個性、それぞれを活かし融合させた導きに高評価を受ける。
■山本きよみ
武蔵野音楽大学ピアノ科卒業。在学中より演奏活動を始め、オーケストラとショパン、ベートーヴェン等のピアノ協奏曲を共演し好評を博す。
伴奏の機会も多く、新作オペラのコルペティ、NHK教育番組出演、放送番組、CD、映画のレコーディング、地方自治体主催レクチャーコンサートなど多岐にわたり活躍。世田谷区主催事業『せたがや歌の広場』において3歳からご老人までが楽しめる合唱組曲、動物狂騒曲「ワンニャンチュッピー」を企画初演。以来歌曲伴奏を継続。
放送大学非常勤講師。日本演奏連盟会員。音楽グループ「ねいろ」主宰。
■岩瀬龍太
桐朋学園大学卒業後、ベルギーのアントワープ王立音楽院とモンス王立音楽院にて、ワルター・ブイケンス、ロナルド・ヴァン・スパンドンクの両氏に師事。これまでに、ピエトロ・アルジェント国際室内楽コンクール第1位。マルコ・フィオリンド国際室内楽コンクール第3位。パドヴァ国際室内楽コンクール第3位。夏期国際音楽アカデミー(ウィーン)においてバルトーク賞を受賞。
ウィーンモデルン現代音楽祭をはじめ数々の音楽祭に招聘される。
■重本 遼大郎
東京音楽大学 器楽科 打楽器専攻卒業。同校卒業演奏会出演。
2016年カプースチンピアノ協奏曲第3番世界初演、2018年カプースチン六重奏曲 作品79日本初演およびレコーディングにドラム奏者として参加。
現在、オルタナティブ・プログレッシブ・ロックバンド「Romanesco」のドラマー、その他、現代音楽やポピュラー音楽を中心としたライブ活動、オーケストラ、吹奏楽等幅広く演奏活動を行なっている。
■松元博志
国立音楽大学音楽学部器楽学科ピアノ専攻卒業。同大学院音楽研究科修士課程器楽専攻修了。
これまでにピアノを大内裕子、大黒康子、山内直美、安井耕一の各氏に、室内楽を徳永二男、長尾洋史の各氏に、伴奏法を浅井道子氏に師事。
現在、室内合唱団 日唱(日本合唱協会)をはじめ多くの合唱団にてピアニストを務め、声楽・器楽・合唱の共演者として多くの演奏会に出演。新作初演やレコーディングにも携わるなど、活発な演奏活動を行っている。
■室内合唱団 日唱
1963年に設立した日本初のプロ室内合唱団「日本合唱協会(通称 日唱)」の意思を継承し、2014年より「室内合唱団 日唱」として演奏活動を続けている。その演奏は透明なハーモニー、緻密なアンサンブル、美しい音色、豊かな音楽性を有し、日唱の特性として他の追随を許さない評価を得ている。
■西耕一
昭和の現代音楽、アニメ音楽、映画音楽、3人の会等を専門とする評論家、プロデューサー。 伊福部昭百年紀代表。渡辺宙明、チャージマン研など。日本作曲家専門レーベル・スリーシェルズ代表。黛敏郎、團伊玖磨、芥川也寸志、松村禎三等の企画・演奏・CD化。 解説執筆、楽団・奏者へ企画提案等。BSテレ東、TBSラジオ、NHKラジオ、DOMMUNE、ニコニコ動画などに出演。
https://twitter.com/johakyu_
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担当 西