プレスリリース
Nordic Semiconductor、nRF54シリーズを発表〜Bluetooth LEにおける自社のリーダーシップを再定義〜
2023年4月17日 【参考日本語訳】
Bluetooth Low Energy市場のシェアリーダーであるNordicが、新たな第4世代の低電力ワイヤレスSoCによりイノベーションへの取り組みを拡大。nRF54シリーズ初のSoCであるnRF54H20は、高い処理能力、優れたエネルギー効率で、最先端のセキュリティが要求される画期的なIoT用途に最適
ノルウェー、オスロ発(2023年4月12日) - IoT向け低電力・高性能ワイヤレス接続をリードするNordic Semiconductor(OSE:NOD、以下Nordic)は本日、第4世代のマルチプロトコルSystem-on-Chip(SoC)であるnRF54H20の発売を発表しました。nRF54シリーズは、Bluetooth Low Energy(Bluetooth LE)における当社の先進的なアプローチを拡張し、定評のあるnRF51、nRF52、およびnRF53の各シリーズに続き、最先端のプロセスノードであるGlobalFoundries 22FDXをベースに製作された革新的な最新ハードウェアアーキテクチャを採用しています。nRF54H20は、より広範なnRF54シリーズの中の「H」という分派であるnRF54Hシリーズに属しています。
Bluetooth 5.4および今後のBluetooth仕様のほかLE Audio、Bluetoothメッシュ、Thread、Matterなどの規格に対応するnRF54H20は、革新的なIoT最終製品のニューウェーブを生み出す基盤になると考えられます。先進的な機能が組み合わさることで、これまでは実現不可能であった複雑な最終製品も開発可能となります。
NordicのCEOであるSvenn-Tore Larsenは次のように述べています。
「数十年にわたる超低電力ワイヤレスでのNordicの経験と知識が、nRF54シリーズという形で結実しました。当社の第4世代Bluetooth LEソリューションとして初のSoCであるnRF54H20は、Nordicにとって大きな節目となる製品であるだけでなく、当社のお客様に、今日我々が目にするよりもはるかに先進的かつ効率的な製品の開発を可能にするものでもあります。」
Nordicの研究開発および戦略担当CTO/EVPであるSvein-Egil Nielsenは次のように述べています。
「nRF54H20のような画期的な製品は研究開発への長期的な取り組みによって生まれるもので、Nordicはかねてよりその取り組みを続けてまいりました。早期に寄せられたフィードバックは圧倒的に肯定的なものが多く、Nordicのお客様はこのnRF54H20が、次世代IoTソリューションの意欲的なロードマップにおいて、お客様の期待をはるかに超えるSoCであることを確信されたのではないでしょうか」
高性能なプロセッシング
nRF54H20には、Arm Cortex-M33プロセッサーとRISC-Vコプロセッサーがそれぞれ複数搭載されています。プロセッサーのクロック周波数は最大320MHzで、各プロセッサーが特定のタイプの作業負荷に対して最適化されています。
専用のアプリケーションプロセッサーは、Nordicの現行の主力モデルであるnRF5340 SoCのアプリケーションプロセッサーの2倍の処理能力(CoreMarkでの測定の2倍)があります。nRF54H20のコンピューティングリソースを支えるのは、2MBの不揮発性メモリと1MBのRAMからなる統合メモリです。nRF54H20の高い集積レベルにより、開発者は複数のコンポーネント(アプリケーションMCU、外部メモリ、ワイヤレスSoCなど)をたった 1 つの超小型デバイスに置き換えることで、設計のさらなる小型化を図ることが可能になります。先進的なウェアラブルデバイスやスマートホーム、医療機器、LE Audioといった用途に加え、複雑な機械学習(ML)やエッジでのセンサーフュージョンへのサポートを必要とする用途に対して、nRF54H20は理想的なソリューションとなります。
nRF54H20には、高性能外部メモリインターフェイス(400 MBps)や、高速USB(480 Mbps)、2つのI3C(周辺機器用)、CAN FDコントローラー、14ビット ADCといった、新しいデジタルおよびアナログインターフェイスが各種装備されています。これらの先進的なインターフェイスは、nRF54H20に組み込まれている多くのアナログおよびデジタルインターフェイスと共に搭載されます。
超低電力ワイヤレス機能の拡張
一新されたクラス最高レベルのマルチプロトコル2.4GHz無線機能により、nRF54H20 SoCは、世界で初めて1MbpsのBluetooth LE信号受信時に-100dBmのRX感度を実現しました。最大10dBmのTXパワーと組み合わせることで、より高い堅牢性と長い通信距離を可能にする、十分なリンクバジェットを確保できます。数十年にわたるNordicの超低電力ワイヤレスでの経験と知識をベースに作られた本製品の無線RX消費電流は、nRF5340の消費電流のわずか半分です。ワイヤレスイヤホンやウェアラブル機器など主に受信を行う用途では、エネルギー消費量が小さいことでバッテリーの小型化やバッテリー稼働時間の長期化が可能となります。
最先端のセキュリティ
nRF54H20は、現在市販されている低電力マルチプロトコルSoCの中でも屈指のセキュリティ性能を誇ります。本製品の最先端のセキュリティは、Platform Security Architecture(PSA)認証を受けたIoTセキュリティ規格の中でも最高レベルのPSA認証レベル3に対応した設計になっています。Secure Boot、Secure Firmware Update、Secure Storageといったセキュリティサービスに対応しています。サイドチャネル攻撃に対抗して強化された暗号アクセラレーターや、進行中の攻撃を検知して適切に対処するタンパーセンサーを搭載しています。
Nordicのプロダクトマネジメント担当EVPであるKjetil Holstadは次のように述べています。
「この画期的なnRF54H20は、Nordicの技術の結晶です。 当社のnRF51、nRF52およびnRF53の各シリーズの後継として真に価値のある製品であり、nRF54シリーズが低電力ワイヤレス業界に再び大きな動きをもたらすことを期待しています。これは当社のワイヤレスSoCラインナップの単なる進化ではなく、革命なのです。当社のお客様がnRF54シリーズを活用して、先進的かつ複雑なIoT製品業界において次の波を起こしてくださることを楽しみにしています」
一部のお客様にnRF54H20 SoCの試供品をご提供中です。ご興味のある方は、お近くのNordic販売担当者までお問い合わせください。
nRF54H20について(英語)
https://www.nordicsemi.com/Products/nRF54H20
Nordic Semiconductor ASAについて
Nordic Semiconductor(以下、Nordic)は、モノのインターネット(IoT)のためのワイヤレス通信技術に特化したノルウェーのファブレス半導体企業です。1983年に設立し、世界中に1,000人を越える社員がいます。Nordicはアワード受賞歴のあるBluetooth Low Energyソリューションを提供する、超低消費電力無線テクノロジーのリーディング・プロバイダーです。Nordicのテクノロジーは、ANT+、Thread、Zigbee対応のみならず、2018年には、IoT分野のさらなる市場拡大に向け、LTE-M/NB-IoT向けの低電力でコンパクトなセルラーIoTソリューションも発表しました。 Nordicの製品ポートフォリオは、2021年にWi-Fi技術によりさらに拡充しています。
開発者をRFの複雑さから解き放つ画期的な開発ツールにより、最先端のワイヤレス技術を提供することで市場での地位を築き、優れたアイデアがあれば誰でもIoTプラットフォームに基づいてイノベーションを構築できるようにしました。 今日、Nordicのアワード受賞歴のある高性能且つ設計が容易なBluetooth Low Energyソリューションは、ワイヤレスPC周辺機器や、ゲーム、スポーツとフィットネス、携帯電話アクセサリ、コンシューマ向け家電製品、おもちゃ、ヘルスケア、オートメーションなどさまざまな用途で世界をリードする企業に採用されています。 Nordicは、ANT+ Alliance、Bluetooth SIG、Thread Group、Zigbee Alliance、Wi-Fi Alliance、およびGSMAのメンバーです。
https://www.nordicsemi.com/About-us(英語)
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