プレスリリース
新たな世界情勢のなかで、中国がいかに質・量両面で経済成長を実現していくかということを論点に議論を展開
広州、中国、2022年12月6日 /PRNewswire/ -- International Finance Forum(国際金融フォーラム、IFF)年次総会中に行われたIFF討論会にて、専門家や研究者による中国の抱える課題と政策提言に関する議論が行われました。
出稼ぎ労働者への社会福祉の拡大、改革の深化、および新型コロナ対策の調整といった政策は、中国の経済成長促進において非常に重要となっています。
中国人民政治協商会議全国委員会の副主席を務める世錦(Liu Shijin)氏は、国内消費底上げするため、出稼ぎ労働者も社会福祉の対象とすべきであると述べました。
同氏はまた、「中国は、出稼ぎ労働者が都市住民同等の恩恵を受けられるよう社会福祉改革を加速すべきであり、これが消費とサービス部門へのさらなる投資を呼び込むでしょう」 とも述べました。
IFF共同主席と国際連合総会議長評議会(UNCPGA)議長を兼任する韓昇洙(Han Seung-soo)氏は、中長期にわたる持続可能で質の高い発展を実現するには、中国は市場に根ざした改革を前倒しする必要があると述べました。この10年間、中国は構造改革を着実に進めてきました。同氏は気候変動に向けた世界規模の対策として、中国が重要な役割を果たす必要があるとの見解を持っています。
また、香港上海銀行(HSBC)の元大中華圏主席エコノミストを務めるQu Hongbin氏は、世界的な感染症感染拡大の影響にもかかわらず、中国はほぼ全員の期待を遥かに超えるレベルの輸出を行ったと述べました。同国は、新型コロナ感染症対策を微調整して国内消費と投資を底上げする必要があります。
広発証券(Guangfa Securities)のグローバル主席エコノミスト兼サプライチェーン研究所長の沈明高(Shen Minggao)氏は、世界的な主要機関による今後の長期的な世界経済見通しによれば、地域の成長は新興市場経済が担うことになると述べています。中国経済がもはや輸出に頼ることができなくなった今、今後同国が向き合わなければならないことは、いかにして量的成長を維持するかという問題です。
IFFの学術委員会メンバーでマカオ大学社会科学部学部長を務める胡偉星(Hu Weixing)氏は、米中関係が最重要課題になっていると述べています。同氏は、新たな世界情勢によって生まれる非常に大きな課題に対応するには、米中関係を第一に考えることが重要だと強調しました。両国の関係は世界に多大な影響を与えています。
胡偉星氏は、先日行われたバリ島サミット期間中に設けられた首脳会談の席上で、両国の指導者が国家元首外交の共通点を見出した点についても言及しました。
国際金融フォーラム(IFF)について
国際金融フォーラム(IFF)は2003年10月に設立された独立系非営利の非政府国際組織であり、その設立には中国、米国、EUその他G20諸国のリーダーが、新興経済国と協調して、国連、世界銀行、IMFを含む複数の国際機関のリーダーが関与しています。IFFはファイナンス20(F20)としても知られ、金融界における長年にわたる高レベルな対話機構であり、多国間の協力によって運営されています。