プレスリリース
〜コロナ禍を越えて、3年ぶりに「第4回納豆サミット」を東京で開催〜 USSEC、納豆業界が原料高騰、サステナビリティ、海外展開等について議論
USSEC・アメリカ大豆輸出協会(本部米国 ミズーリ州 U.S. Soybean Export Council, 日本オフィス 東京港区)は、全国納豆協同組合連合会と共同で、2022年11月10日(木)11日(金)の2日間、ホテルニューオータニ東京(千代田区・紀尾井町)において「第4回納豆サミット(4th NATTO SUMIT)」を開催、日本の納豆メーカーとアメリカの大豆生産者総勢約60名以上が参加しました。また、12日(土)には埼玉県桶川に位置する納豆の製造販売をおこなう日東食品株式会社の工場見学が開催されました。
納豆サミットは、納豆の主原料となる大豆の調達先であるアメリカの生産者との関係強化や日米の業界が直面する課題や事業機会の共有を目的に、2017年から開催されていましたが、コロナ禍のために、本来の開催年であった2021年から延期を余儀なくされ、今回は東京で3年ぶりの対面開催となりました。
近年、世界的な原料価格の高騰という大きな課題に直面。また、コロナ禍によって、外食産業や食品産業全体が停滞する一方で、2021年の納豆市場は、巣ごもり需要の影響により国内消費が拡大傾向にありました。さらに、世界的な健康志向の高まりによって、納豆の健康効果が評価され、海外輸出も2021年には3,227トンと17年の1.8倍に増えています。こうした中、今回の納豆サミットでは主原料である大豆の生産実績、供給の見通し、輸送の問題、日本の納豆市場の近況、サステナビリティに関する取り組みや、今後の納豆食文化の海外展開の可能性など、中長期の成長戦略に関する様々なテーマについて活発なディスカッションが参加者の間で交わされました。
<第4回納豆サミット(4th NATTO SUMIT)概要>
【主 催】 USSEC(アメリカ大豆輸出協会)、全国納豆協同組合連合会
【開催日】 2022年11月10日(木)、11日(金)、12日(土)
【会 場】 ホテルニューオータニ東京(千代田区・紀尾井町) 他
第一日目(DAY1)のプログラムでは、米国からリッチランドIFCのジェイク・ノル氏がレッドリバーバリー地域について、モンタギュー・ファームズ社のトム・トリヴァー氏がヴァージニア州を中心とした東海岸地域の生産について、スターオブザウエスト社のブルース・ワイマー氏がミシガン州の状況について、タガードシード社のタル・タガード氏が登壇しアーカンソー州およびミズーリ州の2022年の大豆の生産実績や見通しについて、サプライヤーとしてそれぞれのエリアの大豆生産と品質について報告がありました。昨今、世界の物流システムに大きな混乱が生じています。参加者の興味を引くこの話題についてSSGA副会長アダム・バッケンタイン氏から近年の「コンテナ問題」の現状と今後の見通しが語られました。続いて納豆連の野呂会長から日本の納豆市場の現状、そして、納豆製造事業社である株式会社Mizkanの梶原氏から納豆市場の展望を報告。コロナ禍にも関わらず巣ごもり需要の拡大を受けて、2021年は堅調に国内消費が拡大、また世界的な健康志向の高まりをうけて海外への輸出も伸びており、今後も健康志向の高止まりと発酵食品ブームに牽引されて成長が期待できる市場であると説明されました。
また、SB&Bパートナー ボブ・シナー氏からは、納豆用の“非遺伝子組み換え大豆”が、今後も安定的に生産、供給されるのかという点について報告があり、全体として食品用の“非遺伝子組み換え大豆”の作付け面積は減少傾向にあるものの、日本市場に対して最優先で供給の努力を重ねていくことが確認されました。
第二日目(DAY2)のプログラムでは、大豆食品協議会の創設者で長年にわたり事務局長を務めているリンダ・ファンク氏が登壇し、世界の食トレンドとその中における大豆食の可能性について多くの示唆に富んだ提案がありました。パンデミックの影響で、免疫力の向上に効果ある発酵食品の代表としての納豆に世界的な関心が集まっており、海外向けのレシピや納豆ベースの調味料等、アプリケーションの開発により、今後、海外市場においても大きなチャンスがあることが示唆されました。
次いで、消費者庁の石田森生氏が登壇し、非遺伝子組み換え食品の表示に関わる表示法改正およびその運用について報告があり、参加者からは様々な質問が投げかけられました。
納豆連の長谷川専務理事からは、納豆の輸出の可能性とその課題に関する報告があり、コーデックス委員会に提出されている、納豆および大豆発酵食品の国際規格の策定の進捗状況について報告がありました。
また、USSEC日本副代表の立石雅子からは、アメリカ大豆SSAP認証について説明がありました。日本市場においてSSAPの導入が着実に拡大しており、現在、輸入アメリカ大豆の92%がSSAP認証付きのものになったこと、SSAPマークが付与された商品も18社350製品に拡大したこと、SSAP認証に取組むメリットなどが共有されました。
2日間の納豆サミットを通じて、納豆の様々な可能性、今後の市場育成のための課題についても活発な議論が交わされました。
※本イベントの講演資料は、以下の参加登録ページからダウンロードできます。
https://ussoybean.jp/nattosummit2022/
<アメリカ大豆輸出協会について>
アメリカ大豆輸出協会 (USSEC) は大豆生産者、関連団体、政府機関とのパートナーシップを通じ、世界90ヶ国以上でアメリカ大豆と大豆製品の市場拡大や輸出プロモーションをおこなっているダイナミックなマーケティング機関です。日本事務所 (港区) は初の海外オフィスとして1956年に設立され、今年で66周年目を迎えます。現在オフィスは日本、韓国の北東アジア地域の管轄内にあり、各国と連携しながらローカルかつグローバルな活動を目指しています。情報提供、海外視察、コンファレンス開催や業界とのコラボイベントなどを通じ米国大豆の利用の最大化および大豆製品の価値向上を目的とした施策の立案・実行を行っています。近年はサステナビリティに関する情報発信に力を入れています。