プレスリリース
ユネスコ無形文化遺産登録の「旅する大工職人」が下関市長を表敬訪問 ドイツの伝統的な風習“放浪の旅”(ヴァルツ)により世界各地で修行 日本の職人とともに家づくりを学ぶ
福岡県・山口県を中心に地域の木や職人の技を生かした環境共生住宅を提案する株式会社安成工務店(本社:山口県下関市、代表取締役:安成 信次)では、10月31日(水)、ドイツより滞在中の大工2名とともに山口県下関市長に表敬訪問を行いました。彼らは、ユネスコ無形文化遺産にも登録されたドイツの伝統的な職人養成のための風習「ヴァルツ(放浪の旅)」により、修行のために世界各地を巡っており、10月5日(水)より当社で研修中です。当社の大工と共に一戸建て住宅建築の現場で日本の家づくりを学ぶため12月3日(土)まで滞在します。
■中世から伝わるドイツの伝統的な風習「ヴァルツ(放浪の旅)」
PC・スマホの利用禁止、伝統的な作業着の着用など独自ルールの中で心技体を磨く
「ヴァルツ(放浪の旅)」は、中世から続くドイツの伝統的な職人養成制度の1つです。ドイツでは早くて16歳から手工業職の養成コースに進学、企業との徒弟(見習い)契約で実践的な訓練も交えながら3年間にかけて技術を習得し、卒業試験を合格すると一人前の職人として「ゲツェレ」の称号を与えられます。その後2年間の就業経験を経て、国家資格取得を目指しますが、その間に義務付けられたのが、世界各国をめぐる修行のための旅「ヴァルツ」でした。(現在は任意)
ヴァルツでは、旅の期間を3年と1日、旅の間は故郷の50km圏内には戻ってはいけない、伝統的な衣装を身に着けて過ごし、PCやスマホの使用は禁止など独自のルールが設けられています。(現在は絶対ではありません)旅を通じて風土や文化の違う場所で異なる技術や仕事の仕方、考え方を学び、自分の技能や人間力を高める事を目的としています。
■「お寺や神社など独自の建築スタイルを生んだ日本で建築を学びたい」と日本へ
当社の大工とともに日本の家づくりに携わり、休みの日は日本の料理や建築など文化に触れる
現在、二人は会社近くの寮に住み、平日は当社の大工と共に一戸建て住宅の建築現場で作業に携わっています。世界各国での豊富な経験からか「一度説明したり、手本を見せるだけですぐに作業を進めてくれる」と現場の大工も称賛するほどの活躍を見せています。現場でのコミュニケーションはスマホのアプリを通じて行っています。(原則、放浪の旅の期間中はPC・スマホの使用は禁止されていますが、コミュニケーションツールとして例外的に使用しています)家づくりについて質問をしあうことで、互いに知識を広げ、意識を高めあう貴重な経験にもなっています。
2020年7月から放浪の旅をしているクリスチャンは、日本が7か国目、コロナ禍でさまざまな制限を受けながらも旅を続けてきました。休みの日にも建物を見て回るなど熱心に日本の建築を学んでいます。「日本にはお寺や神社など特殊な建築スタイルがある。それをこの目で見て、それらの文化が生まれた国の建築を学びたい」と思い、日本を修行の地に選んだと言います。
■家づくりを通した交流はお互いの意識を高めあう貴重な経験、当社大工の刺激にも
今回の取り組みは、国産木材を使った家づくりを行う全国の工務店で構成される「NPO法人環境共棲住宅地球の会」(大阪市)による「海外と日本における職人交流事業」を通じて行われています。当社はこれまでも環境先進国であるドイツを定期的に訪問し、その環境技術を学んできましたが、その過程で職人を大切に育てる文化や、職人が社会の中で高い評価を受けることができる制度や仕組みに対し、社会のあるべき姿の方向性を感じてきました。
今回の受け入れでは、現場で共に働く大工から「沢山の事に興味が持てて、知識を高めることができる」と言った声もあがっており、家づくりを通した交流により、当社の大工も視野を広げる貴重な経験をしています。
※ 滞在期間中のご取材をご希望のメディア関係者さまはお気軽にお問合せください。
【会社概要】
福岡県を中心に地域の木や職人の技を生かした環境共生住宅を提案、これまでに2000棟以上(年間約120棟)を手掛ける。日田市上津江町との出会いをきっかけに自然素材でつくる林産地連携の家づくりを始め、近年では「木の家が住まい手の健康にもたらす影響」を九州大学と共同で取り組むなど、木の家の普及啓蒙活動にも力を入れている。
企業名 :株式会社安成工務店
代表者 :代表取締役 安成信次
本社所在地 :山口県下関市綾羅木新町3丁目7−1
設立 :1966年
資本金 :72,000,000 円
従業員数 :184名
事業内容 :住宅建設・事業用建築・商業開発・プレカット事業
ホームページ :https://www.yasunari-komuten.com/
【報道関係者 お問い合わせ】
安成工務店 広報事務局
担当:川崎(090-2401-4914)杉村(070-1389-0175)
E-mail: pr@netamoto.co.jp TEL:03-5411-0066 FAX:03-3401-7788