プレスリリース
2022年8月20日、「人民網」(中国メディア人民日報社が運営するニュースサイト)は、「海外の保健食品をどのように輸入・購入すればよいか(税関の質疑応答)」を発表しました。
税関では、日々税関に寄せられる質問に対して税関職員が個別回答しますが、当該記事では南京税関所属江陰税関からの回答が紹介されています。
株式会社ワールドワイド・アイピー・コンサルティングジャパン(以下「WWIP」東京都港区西新橋)は、「人民網」の発表内容を要約し、保健食品の中国展開を検討している日本企業へ向け注意点をお知らせします。
(HP:https://wwip.co.jp/news20220907/)
一、記事要約
保健食品とは、特定の保健機能を謳ったり、ビタミンやミネラルを補うことを目的とした食品のこと。すなわち、特定の消費者グループに適し、身体機能を調整する機能を有し、疾病の治療を目的とせず、人体に急性、亜急性、慢性的な危害を与えない食品のことである。
例えば、骨密度を高める機能を持つアミノグリカン・コンドロイチンカルシウム錠、腸内フローラの機能を整えるプロバイオティクス錠、睡眠を改善するメラトニン錠などがある。これらの食品は、消費者の身体機能を整え、生活の質を向上させたいという欲求に応えており、消費者は様々な機能を持つ保健食品を積極的に購入・試用している。
近年、海外の有名な保健食品ブランドの製品が徐々に中国市場に進出し、より多くの中国の消費者に好まれている。中国税関は輸入保健食品に対して厳しい規制措置をとっており、輸入保健食品に関わる誇大宣伝や虚偽宣伝に対して特別な是正を行っている。
このため、税関(南京税関江陰税関検査第二課3級主弁王彪氏)は消費者に対し、輸入保健食品を購入する際には以下の点に気をつけるよう注意喚起している。
1.大型スーパーや薬局、専門店で購入し、保健食品事業の範囲に応じた食品営業許可証を取得しているかどうか、注意して確認する。
2.保健食品が正規のルートで通関したことを証明する輸入品検査・検疫証明書を販売者から取得する。
3. 商品パッケージに「青帽子」※のロゴと保健食品のロット番号があるかどうかを確認する。
4.保健食品の中国語ラベルをよく読み、その具体的な機能が自分のニーズに合っているかどうかを理解すること。
5.賞味期限切れの保健食品を購入しないように、パッケージの賞味期限や消費期限を確認すること。
6.越境ECで保健食品を購入する場合、正規のECプラットフォームを経由しているかどうか、中国語の電子ラベルに注意すること。購入証明書を保管し、問題が生じた場合には、苦情、賠償請求、合法的権益の保護を円滑に行うこと。
※青帽子(下図参照):中国において認可を受けた保健食品に付されるマーク。「ブルーハット」とも呼ばれる。
出典:2022年3月21日《市場管理監督総局による保健食品ラベルの管理強化に関する公告(意見募集案)》
二、当該ニュースリリースの注目すべきポイントとWWIP見解
●中国食品安全法、輸出入食品安全管理弁法等の法令により、輸入「保健食品」※は厳しい管理監督を受ける。
※保健食品は「機能性保健食品」と「栄養補助剤」に分けられる。
●保健食品を中国国内で販売する方法は「一般貿易」「越境EC」の2つである。
●【一般貿易】初めて輸入される保健食品は国務院傘下の食品薬品監督管理部門(現国家市場監督管理総局.、略称:SAMR)に“登録”する必要がある。※
初めて輸入される輸入保健食品に対しては比較的ハードルが高い「登録制」が適用され、ビタミン、ミネラルなどの栄養素を補充する製品は通常「登記制」を採る。
※保健食品には「登録制」「登記制」の2つの制度がある。
●【一般貿易】輸入保健食品には、「輸出国での販売が許可されていること」という条件がある。
※1年以上の販売実績が必要とされる。
●【一般貿易】輸入保健食品の中文表記は「ラベル貼付」が認められず、全て「印字」しなければならない。
※日本語のままの製品を輸出できないので要注意!
●【越境EC】税関は越境EC流通製品を「個人用輸入商品」として監視する。
※個人使用目的であるため中国の関連法規に準拠する必要はなく、商品が自己の需要に合ったものか、問題がないかどうかは消費者判断に委ねられるということ。
<本件に関するお問い合わせ>
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