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立命館大学経済学部 寺脇拓ゼミ

大学生が着物姿で検証!滋賀県八幡堀で着物の「普段使い」促進に ESD(持続可能な開発のための教育)が与える効果を計測

(@Press) 2024年11月27日(水)09時30分配信 @Press

立命館大学経済学部・寺脇拓教授、および同教授のゼミ生22名は、「ESD(Education for Sustainable Development)」と呼ばれる、持続可能な社会の実現を目指す学習・教育活動が、サステナブルファッションとしての特性を持つ日本の伝統的な「着物」の需要に与える効果を計測する研究活動に取り組んでいます。そのデータ収集のため、当ゼミは2024年11月16日(土)、滋賀県近江八幡市の八幡堀にて、着物の普段使いを促すイベント「八幡キモノコレクション」を開催しました。

当日は着物交換会など、着物の着用を促す仕掛けを取り入れながら、人々に着物の普段使いのイメージをつかんでもらうため、学生らは全員着物姿でアンケート調査を行いました。調査は比較的リーズナブルな価格で手に入るアンティーク/リサイクル着物にフォーカスして行われ、得られたデータから、ESDによって着物の普段使いの頻度が上昇するとともに、それらの着物に対して人々が支払っても良いと思う金額(支払意思額)も上昇する傾向が示されました。なお当ゼミは、この調査研究に必要な資金を得るため、「CAMPFIRE」にてクラウドファンディングを実施しています。

<サステナブルファッション>
環境や社会に配慮して、将来に渡って持続可能(サステナブル)となるよう、衣服の生産、消費、廃棄に取り組むファッションの在り方

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/418320/LL_img_418320_1.jpeg
八幡キモノコレクション開催

■活動の背景
寺脇拓ゼミは、2024年度の春学期に取り組んだ研究の中で、現代のファッション産業が及ぼす環境負荷の大きさを伝えることにより、人々の古着に対する支払意思額が大きくなるという結果を導きました。同年秋学期、このテーマを着物のケースに応用し、ゼミ全体で取り組む研究プロジェクトとして、環境教育が着物需要に与える効果を分析する「ESD-持続可能な開発のための教育-による着物の「普段使い」普及促進プロジェクト」を立ち上げました。

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/418320/LL_img_418320_2.jpg
メンバー全員の集合写真

■活動の内容
今回寺脇拓ゼミは、現代のファッション産業が引き起こす環境負荷と、着物の環境に優しい特性を広く伝えることで、人々の着物の「普段使い」が促進されるという仮説の検証に取り組んでいます。その分析に必要なデータを集めるとともに、人々に着物の普段使いを促すため、当ゼミは2024年11月16日(土)、滋賀県近江八幡市の八幡堀にて「八幡キモノコレクション」を開催しました。そのメインイベントである着物交換会には100人以上の人が集まり、7カ所に分かれて実施したアンケート調査では合計209の回答データを得ました。

<八幡キモノコレクションの概要>
●日時:2024年11月16日(土)11時〜15時
●場所:滋賀県近江八幡市八幡堀周辺(旧吉田邸:滋賀県近江八幡市多賀町758)
●内容:
(1) 八幡堀周辺の着物姿が映える7つのスポット(旧吉田邸・白雲館・白雲橋・旧八幡郵便局・明治橋あまな・ほりかふぇ・たねや日牟禮乃舍)で、調査員が着物を着てアンケート調査を実施
(2) 滋賀県で活動する整理収納アドバイザー集団「Linkしが」さんとの共催で、旧吉田邸にて着物の交換会を開催
(3) 八幡堀周辺の着物姿が映えるスポットを紹介するマップ「八幡堀 着物映えマップ」を配布
(4) 八幡堀周辺の協力店舗を着物姿で訪れた方に割引などの特典を提供
(5) 八幡堀を着物姿で訪れた方をチェキで撮影し、その写真をプレゼント
(6) 明治橋あまなさんとのコラボにより、着物姿に合うスイーツを当日限定で販売
※詳細はクラウドファンディングのページ( https://camp-fire.jp/projects/802699/view )を参照

画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/418320/LL_img_418320_3.jpg
アンケート調査の様子
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/418320/LL_img_418320_4.jpg
着物交換会の様子
画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/418320/LL_img_418320_5.jpeg
着物姿に合うスイーツを販売

分析の結果、普段着としての着物の年間着用頻度は、ESD前(環境情報提供前)は平均値が1.78回、中央値が0回であったものが、ESD後は平均値が2.65回、中央値が1回に上昇しました。またアンティーク/リサイクル着物に対する支払意思額は、ESD前は平均値が10,251円、中央値が9,083円でしたが、ESD後は平均値は11,443円、中央値は10,341円に上昇しました。ESD前後の平均値、中央値のそれぞれの値には統計的に有意な差が確認されています。

画像6: https://www.atpress.ne.jp/releases/418320/LL_img_418320_6.png
分析結果の要約

今後、着物姿での調査ではありませんが、より多様な人々のデータを集めるため、着物姿の人々が多く訪れる京都市内でもアンケート調査を実施することを予定しています。その後統計的な分析を行い、最終的には着物の着用頻度とアンティーク/リサイクル着物に対する支払意思額を規定する要因の解明を目指します。


■クラウドファンディングの概要
●タイトル: 着物で歴史景観を彩りたい!
"ESD"で着物の普段使いを促す学生プロジェクト!
●期間 : 2024年11月2日(土)〜2024年12月15日(日)
●目標金額: 25万円
●URL : https://camp-fire.jp/projects/802699/view


■寺脇拓ゼミの概要
●研究テーマ:市場で直接取引されないモノやサービス(非市場財:自然環境、食品安全、歴史文化財など)の価値を計測し、それらを含めた社会の在り方を考える。
●地域連携・課題解決型プロジェクト:3回生の秋学期開講科目「演習III」の中で、学んだ知識を使って実社会の課題に応える集団的な研究活動を行う。
●URL: https://terawaki-lab.com/

プレスリリース提供元:@Press

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