プレスリリース
公益社団法人土木学会(会長:佐々木 葉)では、土木学会選奨土木遺産委員会(委員長:天野光一)を設置し、社会へのアピール、土木技術者へのアピール、まちづくりへの活用などを促すことを目的に近代土木遺産(原則として、竣工後50年を経過したもの)を対象として、土木学会選奨土木遺産の認定を行っております。
このたび2024年8月7日に開催された委員会において令和6年度土木学会選奨土木遺産14件を選定し、2024年9月20日に開催した弊会理事会において認定が承認されましたので、ここに公表いたします。
今後は11月18日の土木の日を中心に、土木学会の各支部で選奨土木遺産認定書授与式の実施を予定しております。
令和6年度土木学会選奨土木遺産
旧岩保木水門きゅういわぼっきすいもん
画像 : https://newscast.jp/attachments/9PhJpVEBQmcP74k1vjNf.JPG
■認定理由
旧岩保木水門は、釧路の発展に寄与した新釧路川開削を象徴し、後年増築された木造上屋が特徴的な道内最古の鉄筋コンクリート造水門です。
■所在地
北海道釧路町
■竣工年
1931(昭和6)年
奥行臼の交通施設群おくゆきうすこうつうしせつぐん
画像 : https://newscast.jp/attachments/fMr89zcNTUdQAOcQNlP1.jpeg
■認定理由
奥行臼の交通施設群は、近現代の根釧地方の開拓と酪農振興、人々の定住に貢献した交通土木施設が、各年代のシステムとして一箇所に現存する唯一の遺産群です。
■所在地
北海道別海町
■竣工年
1910(明治43)年〜1964(昭和39)年
黒川橋梁(上り線)くろかわきょうりょう(のぼりせん)
画像 : https://newscast.jp/attachments/06I2AXv24CgutbL2EgJ1.jpeg
■認定理由
黒川橋梁(上り線)は、近代の鉄道技術を伝える貴重な鋼ワーレントラス橋で、重厚感漂う壮大な石張り橋脚が連続する圧倒的スケールの優美な鉄道橋梁です。
■所在地
栃木県那須町〜福島県白河市
■竣工年
1920(大正9)年
駒形橋こまがたばし
画像 : https://newscast.jp/attachments/ske9mwKYdXjLFeEQmxiX.jpeg
■認定理由
駒形橋は、隅田川に架かる関東大震災の復興橋梁であり、国内初の本格的鋼中路式アーチ橋として歴史的に価値の高い貴重な土木遺産です。
■所在地
東京都台東区〜墨田区
■竣工年
1927(昭和2)年
相模大橋さがみおおはし
画像 : https://newscast.jp/attachments/PUCCpEt2dMmvPiEclkdp.jpg
■認定理由
相模大橋は、国内で初めて、20t荷重で設計され、主桁の大半に高張力鋼を用いた橋梁で、我が国の橋梁技術発展の礎となった貴重な土木遺産です。
■所在地
神奈川県厚木市〜海老名市
■竣工年
1955(昭和30)年
覚王山ずい道かくおうざんずいどう
画像 : https://newscast.jp/attachments/nU6TSHDR2r41f0fDheMx.jpeg
■認定理由
覚王山ずい道は、都市部における国内初の開放型手掘り式シールド工法、円形断面シールドと鉄筋コンクリート製セグメントを採用した地下鉄トンネルです。
■所在地
愛知県名古屋市千種区
■竣工年
1963(昭和38)年
犬山橋いぬやまばし
画像 : https://newscast.jp/attachments/RXJrbdEJ8kzLjztfRy8x.jpeg
■認定理由
犬山橋は、大正時代に樺島正義が鉄道道路併用橋として設計し鉄道橋へ改修された、オベリスク様の親柱が残る3連の鋼ワーレントラス橋です。
■所在地
愛知県犬山市〜岐阜県各務原市
■竣工年
1925(大正14)年→2000(平成12)年に鉄道専用橋として改修
大谷大津間の開業時の鉄道遺構おおたにおおつかんのかいぎょうじのてつどういこう
画像 : https://newscast.jp/attachments/sj1a9EswntIdROhrjz2q.jpeg
■認定理由
大谷大津間の開業時の鉄道遺構は、初めてわが国の技術者・技能者だけで建設された明治13年の鉄道遺構で、わが国の鉄道技術の自立を示す貴重な土木遺産です。
■所在地
滋賀県大津市
■竣工年
逢坂山ずい道:1880(明治13)年
旧上関寺町架道橋橋台:1880(明治13)年→1921(大正10)年に橋桁撤去
逢坂地下道:1879(明治12)年
林田隧道はやしだずいどう
画像 : https://newscast.jp/attachments/MkmdTgBhj8JkBifzsQwb.jpeg
■認定理由
林田隧道は、摂津・丹波間の交通の難所を解消するため建設され、石ポータルを有する現役の道路隧道の中で日本最古の土木遺産です。
■所在地
兵庫県猪名川町
■竣工年
1883(明治16)年→1984(昭和59)年改修(ボックスカルバート継足・覆工コンクリート設置)
阪神甲子園球場・枝川橋梁はんしんこうしえんきゅうじょう・えだがわきょうりょう
画像 : https://newscast.jp/attachments/nOXkBHYcgIfgVw9S5U5T.jpeg
■認定理由
阪神甲子園球場・枝川橋梁は、我が国最古の本格的野球場と地域拠点の鉄道駅を支える橋梁で、廃川敷に計画・開発された「甲子園開発」を象徴する貴重な施設です。
■所在地
兵庫県西宮市
■竣工年
阪神甲子園球場:1924(大正13)年→外野の築堤式スタンドを1929(昭和4)年にRC造(アルプススタンド),1936(昭和11)年に全てをRC造に改修
枝川橋梁:1925(大正14)年
港大橋みなとおおはし
画像 : https://newscast.jp/attachments/THyNSBVIqXEHDUDAVjl4.jpeg
■認定理由
港大橋は、規模、材料、工法ともに我が国のトラス橋の到達点を示した、中央径間長としては日本最長、世界第3位のゲルバートラス橋です。
■所在地
大阪府大阪市
■竣工年
1974(昭和49)年
目の字形ラーメン橋−志谷川橋梁、日向川橋梁めのじがたらーめんきょうーしたにがわきょうりょう、ひなたがわきょうりょう
画像 : https://newscast.jp/attachments/hJTr7zOjyYdb0auNWekF.jpeg
■認定理由
志谷川橋梁、日向川橋梁は、三江線でのみ採用された極めて珍しい目の字形鉄筋コンクリートラーメン橋です。
■所在地
島根県川本町
■竣工年
1934(昭和9)年(開通年)
瀬詰橋せづめばし
画像 : https://newscast.jp/attachments/kVggWvf1QvfPOhGwHrgj.jpeg
■認定理由
瀬詰橋は、吉野川支流の川田川に架かる旧道の橋で、大正時代の中路式鋼鈑桁橋は希少であり、左岸に建設当時の親柱が現存する貴重な土木遺産です。
■所在地
徳島県吉野川市
■竣工年
1925(大正14)年
尾鈴橋おすずばし
画像 : https://newscast.jp/attachments/aUSobilhSRvmqII6ePz6.jpeg
■認定理由
尾鈴橋は、戦後初めて支間長100mを超え、恐竜を彷彿させるダイナミックなフォルムが特徴の戦後復興期を代表する貴重な土木遺産です。
■所在地
宮崎県木城町〜日向市
■竣工年
1951(昭和26)年
土木学会選奨土木遺産について
選奨土木遺産の概要
土木学会選奨土木遺産の認定は、土木遺産の顕彰を通じて、歴史的土木構造物の保存に資することを目的として2000(平成12)年度に創設され、土木学会選奨土木遺産委員会が選考を行っております。2024(令和6)年度までの累計で531件が認定されており、土木学会ではこの認定により、
・社会へのアピール(土木遺産の文化的価値の評価、社会への理解等)
・土木技術者へのアピール(先輩技術者の仕事への敬意、将来の文化財創出への認識と責任の自覚等の喚起)
・まちづくりへの活用(土木遺産は、地域の自然や歴史・文化を中心とした地域資産の核となるものであるとの認識の喚起)
・失われるおそれのある土木遺産の救済(貴重な土木遺産の保護)
などが促されることを期待しています。
○賞の設立
2000(平成12)年度
○対 象
交通(道路、鉄道、港湾、河川、航空、灯標)、防災(治水、防潮、防風)、農林水産業(灌漑、干拓、排水、営林、漁港)、エネルギー(発電、炭田、鉱山)、衛生(上下水道)、産業(工業用水、造船)、軍事などの用途に供された広義の土木関連施設で、原則として、竣工後50 年を経過したもの
○選考方法
支部推薦および公募の中から土木学会選奨土木遺産委員会が選考する
○件数
毎年 20 件程度
○賞 牌
青銅製の銘板(30cm×20cm)を授与する
画像 : https://newscast.jp/attachments/yuUl0GCWa2MqmAMGLpoZ.jpg
過去に選定された選奨土木遺産は土木学会ホームページでご覧いただけます。
土木学会選奨土木遺産 : https://www.jsce.or.jp/contents/isan/
土木学会支部所在地・連絡先
○北海道支部 http://www.jsce.or.jp/branch/hokkaido/jsce-hc.html
〒060-0061 札幌市中央区南1条西2丁目 南1条Kビル8F
TEL 011-261-7742・011-251-7038 FAX 011-251-7038
○東北支部 http://www.jsce.or.jp/branch/tohoku/
〒980-0014 仙台市青葉区本町2-5-1 オーク仙台ビル3階
TEL 022-222-8509 FAX 022-263-8363
○関東支部 http://www.jsce.or.jp/branch/kanto/index.html
〒160-0017 東京都新宿区左門町6−17 SANOU BLD.5F
TEL 03-3358-6620 FAX 03-3358-6623
○中部支部 https://jsce-chubu.jp/
〒460-0008 名古屋市中区栄2-9-26 ポーラ名古屋ビル8F
TEL 052-222-3705 FAX 052-222-3773
○関西支部 https://www.jsce-kansai.net/
〒541-0055 大阪府大阪市中央区船場中央2-1-4-409
TEL 06-6271-6686 FAX 06-6271-6485
○中国支部 http://www.jsce.or.jp/branch/chugoku/
〒730-0017 広島市中区鉄砲町1-18 佐々木ビル8F
TEL 082-222-2376 FAX 082-222-2496
○四国支部 http://www.jsce7.jp/
〒760-0066 高松市福岡町3-11-22 建設クリエイトビル
TEL 087-851-3315 FAX 087-851-3313
○西部支部 http://www.jsce.or.jp/branch/seibu/
Map 〒810-0041 福岡市中央区大名2-4-12 CTI福岡ビル1F
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