プレスリリース
特定非営利活動法人日本トイレ研究所(所在地:東京都港区、代表理事:加藤 篤)は、子どもの排便の実態把握を目的に、「うんちweek2023」にあわせて排便記録調査を実施し、全国の小学校112校12,307人・中学校12校1,258人の7日間の記録を集計しました。便秘が疑われる小学生は26.3%となり、早期の対策が求められます。
▼調査結果の詳細
https://toilet-magazine.jp/unchiweek#date
<主な調査結果>
●7日間のうち「排便があった日数が2日以下」は小学生9.0%、中学生8.7%
●7日間のうち便秘傾向の「硬い便が2回以上」出ていたのは小学生17.8%、中学生9.2%
最も多かったのは小学2年生・女子24.9%で、次に多かったのは小学1年生・女子24.6%
●便秘が疑われる児童(「排便があった日数が2日以下」と「硬い便が2回以上」のどちらかに該当するまたは、両方に該当する児童)は、26.3%。2021年から3年連続で20%を超えている
<調査概要>
●対象 :全国の小学校1年生〜6年生および中学校1年生〜3年生
●期間 :2024年10月〜11月のうちの7日間
●方法 :郵送による配付・回収
●項目 :排便の有無および便形状
●有効回答:小学生12,307サンプル(112校)、中学生1,258サンプル(12校)
(回収した記録用紙のうち、未記入の日があるものを除く)
●実施主体:特定非営利活動法人日本トイレ研究所
※本調査では、小数第2位を四捨五入しているため、数字の合計が100%とならない場合があります
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/380269/LL_img_380269_1.png
[表1]排便のあった日数(2023、小学生)
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/380269/LL_img_380269_2.png
[表2]硬い便が2回以上出ていた児童(2023、小学生)
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/380269/LL_img_380269_3.png
[表3]便秘が疑われる児童(2021-2023、小学生)
<小児外科医・中野 美和子先生のコメント>(抜粋)
毎日排便していても、すっきり出せていない場合などは便秘の可能性がありますし、便秘症かどうかは、本来は便性や、排便しやすさなどと合わせて判断するべきものですが、今回の排便記録からの推測では、少なくとも8〜9%、多く見積もると20%以上の児童が積極的な介入(生活習慣の調整、薬剤治療を含む)が必要な便秘症の可能性が高いといえます。
小学生も中学生も、自らの排便状況には疑いを持たないことが普通で、治療したほうがよい便秘症でも、よほど強い症状がない限り自ら便秘を訴えることはありません。また、食事を含む日常生活の調整で排便状態をより良くすることが可能なのに、それを知る機会は少ないのです。
排便記録は、日ごろ無視しがちな排便状況を子ども自身が振り返り、自分の身体に関心を持つという重要な一歩です。そして1週間連続して記録することで、ふだんの生活を振り返り、生活習慣を改善するきっかけになるという行動療法でもあります。場合によっては、医療機関を受診し、積極的な治療に結び付けてもらいたいものです。
また、この記録を家庭内で共有することにより、家族全員が排便、そして身体と生活習慣について話し合う機会が増えることを期待します。
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中野 美和子先生(学校法人神戸学園 神戸動植物環境専門学校理事・校長、吉川小児科排便外来、さいたま市立病院 小児外科 非常勤・元部長)
<日本トイレ研究所のコメント>(抜粋)
子どもの便秘は放っておくと悪化することもあるため、大人が早めに気づいて、早めにケアできる環境をつくることが必要です。子どもが便秘になりやすい契機として、入学による環境の変化や、学校でトイレに行くのを避けることが便秘のきっかけになる可能性があります。
一般的に学校のトイレは老朽化が進んでおり、家庭のトイレとのギャップが大きいことも課題として挙げられます。また、学習指導要領において排便教育が位置づけられていないことも課題です。
便の状態には、食事、運動、睡眠、心の状態などさまざまなことが影響します。排便をきっかけに自分の体の状態に目を向け、体の調子を整えようと意識することは、とても重要だと考えています。
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/380269/LL_img_380269_4.png
排便記録に用いたうんちチェックシート
■うんちweek2023について
排泄は、食事・睡眠・運動と同様に、生きる上で欠かすことのできない生理的欲求です。しかし、大人も子どもも排泄について学ぶ機会はほとんどありません。「うんちweek」では、自分の便の状態を知ることで健康について考え、おなかにいい生活を実践することを呼びかけています。
期間 : 2023年11月10日(いいトイレの日)〜11月19日(世界トイレの日)
特設サイト: https://toilet-magazine.jp/unchiweek
目的 : 排泄をとおして、健康や生活リズムを整えるきっかけをつくる
内容 : 小学校・中学校を通した児童・生徒の排便記録、フォーラム開催 等
主催 : 特定非営利活動法人日本トイレ研究所
協賛 : EAファーマ株式会社、太陽化学株式会社、カルビー株式会社、
小林製薬株式会社、イチジク製薬株式会社、株式会社ケンユー、
野村乳業株式会社、マグミット製薬株式会社(順不同)
■特定非営利活動法人日本トイレ研究所
「トイレ」を通して社会をより良い方向へ変えていくことをコンセプトに活動しているNPOです。近年は「子どものトイレ・排泄環境」「災害時のトイレ・衛生環境」「街なかのバリアフリーなトイレ環境」に力を入れています。
所在地 : 東京都港区新橋5-5-1 IMCビル新橋9F
コーポレートサイト: https://www.toilet.or.jp/
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