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学校法人 名城大学

【名城大学】初期段階のさな癌などの動検知に貢献できる可能性−医画像内の領域分割を動でう AIの新しい学習法を提案−

(@Press) 2023年12月11日(月)08時00分配信 @Press


名城学理学部電気電学科の堀弘教授(画像認識、機械学習)と博後期課程3年の加藤聡太は、AIが医画像に写り込んでいる被写体(臓器等)をピクセル単位で識別するための、新たな学習法を提案しました。本研究成果は、2023年 12 6にElsevierの国際論誌「Com puters in Biology and Medicine」の電版(https://doi.org/10.1016/j.compbiomed.2023.107695)に掲載されました。
【本件のポイント】
・医画像内の領域分割を動でうAIの新しい学習法
・動臓診断チャレンジの臓器識別で94.26%の最識別精度を達成
・医師では発が難しい疾患や初期段階のさな癌などの動検知に貢献できる可能性
【研究の背景】
近年、 医学分野や細胞物学分野では、画像に写り込んでいる被写体の画素つつを分類する画像解析技術のセマンティックセグメンテーション1)が重要視されています。セマンティックセグメンテーションは物体が重なっていると区別が難しいという点がありますが、空や道路などの不定形の領域を検出することが可能です。そのため、の動運転や医画像解析など幅広い分野で活が進んでいます。特に医療分野においては、内視鏡画像から腫瘍領域の動特検出や、CTやMRI画像からの病気の動診断など、幅広く利されています。 よりい精度を達成するため深層学習を基にした法が提案されていますが、セマンティックセグメンテーションのための深層学習モデルの学習には単純なコスト関数2)がいられる場合が多く、画像内にきさの異なる物体が複数存在している場合、さい物体に対する識別精度が不分であることが問題でした。
【研究内容】
そこで我々の研究では、従来のコスト関数を再考し、より領域間で不均衡が発するセマンティックセグメンテーションに特化したコスト関数を定式化しました。 従来のコスト関数を変形すると、特徴量の内積に基づくコサイン類似度をいたコスト関数に書き換えることが可能であることを発しました。この結果から、各クラスで同じコサイン類似度をいた学習が、本質的な問題点であると考えられます。


画像 : https://newscast.jp/attachments/shbb38KZoDKcrB2UFUty.jpg
図1: 提案手法の概要。従来では大きさの異なる各領域の学習に同じ類似度関数を使用していたが、提案手法では大きさの異なる各領域に対し、異なる類似度関数を適用することが可能となりました。


そこで提案法では、コサイン類似度の代わりにt-vMF類似度4)をいたコスト関数を新たに提案しました。 このt-vMF類似度をいることにより、コサイン類似度の形を由に変えることが可能となります。これにより、分割したい領域のきさごとに最適なコスト関数を使することができ、さい物体に対しても効果的な学習が可能となりました(図1)。その結果、内視鏡画像からの腫瘍検出や、CT画像からの多臓器の識別をいた実験の結果、提案法は従来の学習法よりも精度が幅に改善することを確認しました(図2, 図3)。
また最新の深層学習モデルを提案する法で学習させることにより、精度をさらに改善することが可能であり、動臓診断チャレンジデータセット5)で現在最精度を達成している深層学習モデルに、提案法の学習法を適することで、精度をさらに更新して94.26%の最識別精度を達成しました。このチャレンジのコンペティションは既に終了していますが、提案されている最新のモデルにも提案法は有効であることが確認できました。


画像 : https://newscast.jp/attachments/VGCr6osKy9Q14Qwt6UJn.jpg


【今後の展開】
今後は動運転のための載画像や河川の監視カメラをいた位の予測など、医療分野以外での提案法の多様な汎化性能について検証したいと考えています。
【謝辞】
この成果の部は、JSPS科研費 23KJ2065、22H04735の援を受けたものです。
【語の解説】
1) セマンティックセグメンテーション:画像を画素レベルで分類するための深層学習をいた画像認識技術
2) コスト関数:AIの誤差を定量化することを的とした関数。このコスト関数の返す値を最化するように、AIのパラメータの重みと閾値を学習する。
3) コサイン類似度:2つのベクトルがどの程度似ているかを表す尺度
4) T-vMF類似度:これまで使されてきたコサイン類似度の範囲を由に変化させることができる類似度関数
5) 動臓診断チャレンジデータセット(Automated Cardiac Diagnosis Challenge):医画像分野のトップカンファレンスであるMICCAI2017で開催された、臓のMRI画像から領域を分割するコンペティション(コンペティションは既に終了済みであるが、データセットは公開されている)。
【お問い合わせ先】
・研究内容に関すること 名城学 理学部電気電学科 教授 堀 弘 E-mail:kazuhotta at meijo-u.ac.jp
・広報担当 名城学渉外部広報課 Tel: 052-838-2006 Email: koho at ccml.meijo-u.ac.jp (atを@に置き換えてください)


電気電子工学科|理工学部|名城大学 : https://www.meijo-u.ac.jp/academics/sci_tech/electrical/



プレスリリース提供元:@Press

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