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関西福祉大学 勝田吉彰研究室

企業現場において激増するネパール人労働者の対応に知っておきたい知見を「グローバルヘルス合同大会2023」で発表 (11月24日 東京大学本郷キャンパス 伊藤国際学術研究センター)

(@Press) 2023年11月15日(水)11時00分配信 @Press

近年激増する在留ネパール人数。今後、企業の生産現場でネパール人労働者に対応する機会も増えてゆきます。そのような中、関西福祉大学 勝田吉彰研究室(所在地:兵庫県赤穂市、代表:勝田 吉彰 教授)は、企業の総務人事や現場関係者がはじめてのネパール人労働者の対応にあたって知っておくべき知見について調査し、「グローバルヘルス合同大会2023」(11月24日 東京大学本郷キャンパス 伊藤国際学術研究センター)で発表します。


【背景】
日本国内におけるネパール人労働者数が激増し、2012年当時の24,071人から2022年の139,393人に、さらに今後2年あまりで倍増、30万人に達する見込みです(ネパール紙関係者聞取り)。増加の最初期は料理人としての就労が主で、企業現場におけるネパール人対応は多くなく、カースト制度やヒンズー教による食のタブーなどを抱える労働者に対する経験値は限定的でした。今後、在留の主流が料理人から留学生に、そして、企業現場での就労が増加してゆく中で、企業側、経営層や人事・総務・産業保健職が知っておくべき知見をネパール人社会のキーパーソンに対する聞取りや文献的調査をおこないました。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/375493/LL_img_375493_1.png
在留ネパール人数の推移(出入国在留管理庁統計から制作)

【研究成果の概要】
1. 文化的要素
多民族国家のネパールでは、休日や冠婚葬祭などに対する受け止めもバラエティに富みます。自民族の正月に休暇申請すると却下された、親戚の結婚式への出席が就業規則の壁にはばまれた、命日の剃髪が笑われた等、知識の不足が軋轢となる実例も見られました。その中には文化的要素に関する情報が共有されれば回避できることも多いと思われます。

2. 食のタブー
工場の給食など、企業の生産現場では大量の食事を供給する場面があります。人口の81%をヒンズー教徒がしめるネパールでは、配慮すべき食のタブーがありますが、世代や出身カーストにより受け止め方に違いがあります。在留(在日)ネパール人のなかで食のタブーを気にする人と気にしない人の割合は4:6ぐらいで、気にする人は中高年や高位カースト者に多い傾向があります。牛肉はほとんど食べられず、豚肉は半々、鶏肉は7:3ぐらいの割合です。肉類を口にしない菜食主義者も一定数おり、工場給食等ではベジタリアン用メニューを設けると良いでしょう。

3. 生活習慣
日本の習慣について情報提供の不足から周囲の日本人社員との摩擦が発生しつつ、ちょっとした知識の共有により解決したり未然に防いだりできるケースがあります。たとえば夏季に強い体臭が続き周囲の日本人社員が忍耐の限界に達していたところ、相談を受けた滞日経験の長いネパール人からのアドバイスにしたがい、日本では毎日入浴する習慣であることを伝えたところ、たちどころに解決したケースなどの実例があります。

4. メンタルヘルス
来日後、生活の激変・複雑な行政手続き・サポート不足等によるストレスからメンタル不調をきたし、なかには自殺例の発生もあることが分かりました。その要因にネパール現地側の日本語学校が日本生活の現実を伝えず華やかな面のみ話して生徒募集をおこなうこと、日本側の日本語学校によるサポート不足があげられます。

5. 感染症
感染症では結核罹患率が229と日本の20倍の率であり、2020年から制度開始された入国前スクリーニングの開始が待たれますが、まだ実施されていません。また、カタールではネパール人労働者のE型肝炎抗体保有率の高さを明らかにした報告が出ております。企業の産業保健現場におけるスクリーニング等の対策をが望まれます。


画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/375493/LL_img_375493_2.jpg
すでにネパール化した街角1
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/375493/LL_img_375493_3.jpg
すでにネパール化した街角2
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/375493/LL_img_375493_4.jpg
日本国内のネパール人向けネパール語紙もすでに成立

【提言】
企業現場において、ネパール人側・日本人側ともに情報不足により本来必要のないストレスが発生している現状が分かりました。体臭問題のように日本の習慣を伝えればたちどころに解決した例、正月や冠婚葬祭の意味を知らないための軋轢、来日してから実生活での困惑など、ネパール出国前からあらかじめの情報を得られる仕組みがあれば未然に防ぐことができることも多く、そのような仕組みの構築に向けて政府・業界団体・企業などの対応の必要性が明らかとなりました。
また、感染症分野では結核など感染性が高く企業現場において問題化するものがありますが、いずれも検査法は確立したものがあり、これらの疾患に対する意識の有無により結果が異なる面もあるので、今後ネパール人労働者を受け入れる企業全体に情報提供が望まれます。


【「グローバルヘルス合同大会2023」概要】
日程: 11月24日(金)〜26日(日)
※当研究室の発表は11月24日(金)となります。
場所: 東京大学本郷キャンパス 伊藤国際学術研究センター
URL : https://pco-prime.com/gh2023/index.html


【研究室概要】
研究室 : 関西福祉大学 勝田吉彰研究室
所在地 : 〒678-0255 兵庫県赤穂市新田380-3
TEL : 0791-46-2525
FAX : 0791-46-2526
研究内容: 渡航医学(国境を越える感染症・海外の医療・海外赴任者支援・外国人労働者)
多文化間精神医学(国境を越えるメンタルヘルス)
産業医学(産業医・労働衛生コンサルタント)
URL : https://www.kusw.ac.jp/professorpost/katsuda_yosiaki

プレスリリース提供元:@Press

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