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ワールド・ファミリー バイリンガル サイエンス研究所

トランスランゲージングが当たり前になる外国語教育!

(@Press) 2023年08月09日(水)13時00分配信 @Press

トランスランゲージング実践を研究するターンブル博士のインタビュー記事公開!

「ワールド・ファミリー バイリンガル サイエンス研究所」(※以下、IBS)<東京都新宿区 所長:大井静雄>ではグローバル化社会における幼児期からの英語教育の有効性や重要性に関する情報を定期的に発信しています。今回は、バイリンガリズム、トランスランゲージング、外国語学習について研究し、京都大学にて外国語習得・外国語教育の分野で博士号を取得された大谷大学(京都府)のブレイク・ターンブル博士にお話を伺いました。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/364971/img_364971_1.jpg
<インタビュー記事概要>
●第二言語を学習中の人も、バイリンガルの人々の一員と考えられる。自分を「学習者」と「バイリンガル」のどちらで捉えるかによって、学習への取り組み方が変わってくる。
●両方の言語(母語と学習中の言語)を使ってコミュニケーションや学びに役立てられることは、授業外でも役立つ重要なスキル。 そのためには、トランスランゲージングの実践が効果的である。

<用語解説>
トランスランゲージングとは?
例えば、日本人の英語学習者は、「日本語」と「英語」が統合されて一つのシステムになっている言語リソースを持っていて、そのリソースすべてを活用して効果的にコミュニケーションをしている、というふうに考える概念。また、そのリソースすべてを戦略的に活用させることで外国語学習の効果を高めようとする授業実践。

■ 日本と英語は、脳内で別々に存在しているわけではない
言語は、音声や単語、文法規則などさまざまな言語的特徴から成り立ち、それらがすべて連携して一つの統合システムをつくり上げています(Garcia and Li,2014)。日本語と英語は、脳の中で別々に存在しているのではなく、一つの総合的なシステムの中で、それぞれの言語的特徴の集合体として共存しています。新しい言語を学ぶときは、新しい言語システムを脳内に追加しているのではなく、すでに存在しているネットワークに新しい言語的特徴を追加しています(取り入れている)。

■ 授業中のトランスランゲージングとは?(具体例)
例えば、「英語でプレゼンテーションをする」という学習目標がある場合、まず、英語と日本語(あるいは、知っていればほかの言語!)を使ってグループ・ディスカッションをします。次に、どちらか自分が選んだ言語を使ってリサーチ計画を書き、両方の言語で資料を探し、すべての情報を整理して、英語でのプレゼンテーションを用意します。プレゼンテーション終了後は、教師が英語または日本語でコメントをしたり、生徒同士がどちらかの言語でフィードバックし合ったりします。 このような実践は、何か課題をやり遂げるために、自分が持っている、統合された言語的特徴(日本語・英語の音声や単語、文法など)をすべて駆使する、という実社会での実践と同じであり、その練習になります。

■ トランスランゲージングの3つのポイント
1)自分の言語リソースすべてを活用できる!:英語しか使ってはいけないという英語教育の方針は、生徒が持っている言語レパートリーの多くを無視し、窮屈な環境をつくり出している。一方、トランスランゲージングの実践は、生徒が自分のリソースすべてを活用することを可能にし、生徒の学習や自己アイデンティティを支える。
2)学習効果を高めるためには「戦略」と「目的意識」が重要!:教師は、単に「どんな言語を使ってもいい」と生徒に言うのではなく、その理由を説明し、トランスランゲージングの時間・活動を体系的に計画することが重要。ターンブル博士による英語のリーディング・ライティング活動における効果を調べた研究では、トランスランゲージングの方略を使って取り組んだほうが、より理解(読解力)が深まり、より質の高い文章を書けることが示された。
3)日本語を使うことがネガティブからポジティブへ!:このような実践によって、生徒たちは、日本語を「学習を簡単にする」ためのものというよりも、全体的な言語発達に役立つツールとして捉えるようになる。

■ 英語力があまりない教師でも、トランスランゲージのテクニックを使える
ターンブル博士は言います。日本の子どもたちは、成長するにつれて、さまざまな文脈で日本語や英語を使う機会を持つようになる。授業は、あらゆる言語能力を使う練習を小さいころからできるように手助けする機会。子どもたちは、トランスランゲージングを通じた言語使用の練習をすることによって、自分が持っている知識を最大限に活用し、将来の仕事や旅行、人間関係に結びつく日々の生活に活かすことができるようになる、と。
また、完全にモノリンガルの教師であっても、トランスランゲージングを実践することができると言います。「もしトランスランゲージングを授業に役立てるのであれば、教員の養成課程に組み込む必要があると思います。そうすることで、教師は、授業で英語だけを使うことに苦手意識を持つのではなく、もっと安心して母語である日本語を使い、戦略的かつ有意義な方法で教室での学びをサポートできるようになるでしょう」

【Profile】ブレイク・ターンブル(Blake Turnbull)博士
大谷大学 国際文化学部 講師
京都大学にて外国語習得・外国語教育論の博士号、ニュージーランドのオタゴ大学にて応用言語学(英語教育)の修士号を取得。主な研究テーマは、外国語教育におけるバイリンガリズム。特に、教師と学習者のトランスランゲージング実践について研究している。そのほか、言語学習者と教師がバイリンガルについてどのような信念を持っているか、学習者がどのようなアイデンティティを持っているか、日本の英語教育における新たな進歩などについて調査している論文や学会発表がある。
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/364971/img_364971_2.png

※詳しい内容はIBS研究所で公開中の下記の記事をご覧ください。
前編:https://bilingualscience.com/english/2023080401/
後編:https://bilingualscience.com/english/2023080901/


■ワールド・ファミリーバイリンガル サイエンス研究所
(World Family's Institute of Bilingual Science)
事業内容:教育に関する研究機関
HP(https://bilingualscience.com/
Twitter( https://twitter.com/WF_IBS )
所 長:大井静雄
脳神経外科医・発達脳科学研究者ドイツ・ハノーバー国際神経科学研究所
(INI)小児脳神経外科名誉教授・医学博士
所 在 地:〒160-0023 東京都新宿区西新宿4-15-7
パシフィックマークス新宿パークサイド1階
設 立:2016年10月


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