プレスリリース
株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)とNTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は、画像認識AIを用いて遠隔から建設現場を仮想的に巡回できるシステム(以下、本システム)にて、現場作業の段取りを妨げる資材(以下、作業を阻害する資材)を未然に検出し、作業を阻害する資材の移動指示などを作業員に共有する実証実験(以下、本実証実験)に成功しました。
ドコモおよびNTT Comは、本システムにより、現場巡回業務における現場監督の巡回作業の負担軽減や作業員の長時間労働削減に貢献し、2024年度の実用化をめざします。
1.本システムの概要
本システムは、あらかじめ利用期間を設定した資材ヤード、工事区画、搬入口などの建設現場のエリア(以下、対象エリア)において、画像認識AIを用いて作業を阻害する資材を検出するとともに、作業員へ作業を阻害する資材に関わる対応事項および対応期限を共有する機能を提供します。
具体的には、5分ごとに固定カメラにて撮影する対象エリアの画像から、画像認識AIを用いて資材を検出し、登録済みの対象エリアの情報と利用期間を照らし合わせ、作業を阻害する資材か否かを判定し、必要に応じ、作業員に移動場所や移動期日を添えて対応を指示(以下、作業指示)します。これにより、資材ヤードなどでの円滑で効率的な作業員間のコミュニケーションを支援します。
2.本実証実験の詳細
本実証実験では、建設現場の搬入口とエレベーター前にそれぞれ固定カメラを1台ずつ設置し、現場から離れた場所にあるパソコンから本システム上で作業を阻害する資材を検出しました。検出した各資材に対して作業指示を作成するとともに、作業指示内容を作業員が閲覧できることを確認しました。結果として、システムが資材として検出した物体のうち、実際に資材であった確率(適合率)が90%以上、実際の資材のうち、システムが資材として検出した確率(再現率)が80%以上(※1)で遠隔から建設現場の段取りを妨げる資材を未然に検出する技術の有効性を確認しました。遠隔から建設現場で作業を阻害 する資材をAIにより未然に検出する技術の確立は日本初(※2)となります。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/364636/img_364636_2.png
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/364636/img_364636_1.png
<遠隔から建設現場を確認する様子><建設現場のエレベーター前における資材検出の様子>
3.今後について
ドコモおよびNTT Comは、本システムを高度化した上で、NTT Comが提供する「ドコモ建設現場IoTソリューション」(※3)の「段八エリア(R)」(※4)における新しい機能として2024年度の実用化をめざし、現場巡回業務の負担軽減や建築スケジュールに沿った効率的な工事に貢献し、働き方改革や作業員の安全確保といった建設現場の課題解決に取り組みます。
さらに、デジタルツインコンピューティング(※5)を活用して、現場のデジタルツインを実現し、よりスマートな未来を切り拓いていきます。
なお、本実証実験は、パートナーとともに人々の生活がより豊かになる技術の価値検証を行うドコモの「ライフスタイル共創ラボ」(※6)の取り組みの一環で、さまざまな産業分野で活用可能とする「イノベーション共創基盤」の開発も行ってまいります。
(※1):資材全体を評価した精度。
(※2):2023年8月7日現在、ドコモ調べ。
(※3):「ドコモ建設現場IoTソリューション」は、建設現場の業務を「安全施工サイクル」「現場作業の効率化」「現場の情報共有」の領域からサポートするソリューションです。
(※4):「段八エリア」とは、建設現場の空間調整/段取り業務を効率化するソリューションで、これまでアナログで実施していた現場の調整業務(空間・搬出入・揚重機調整)をアプリ上で完結することが可能となるものです。
https://www.ntt.com/business/services/iot_construction/dan8_area.html
(※5):「デジタルツインコンピューティング」とは、モノやヒトをデジタル表現することによって、現実世界(リアル)のツイン(双子)をデジタル上に構築することです。
(※6):「ライフスタイル共創ラボ」の詳細は、以下のウェブサイトをご確認ください。
ライフスタイル共創ラボプレスリリース:https://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/2021/09/30_02.html
ライフスタイル共創ラボウェブサイト:https://smartcity.ad.at.nttdocomo.co.jp
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