プレスリリース
日本メナード化粧品株式会社(愛知県名古屋市中区丸の内3-18-15、代表取締役社長:野々川 純一)は、藤田医科大学 ばんたね病院 総合アレルギー科(愛知県名古屋市中川区尾頭橋3-6-10、教授:矢上 晶子)との共同研究で、肌悩みの一つである「肌の赤み」と皮膚常在菌との関係を調べた結果、アクネ菌が多い人ほど肌の赤みが強いことがわかりました。さらに、肌の赤みは夏より冬に強くなりますが、このとき皮膚常在菌叢におけるアクネ菌の割合も増加していることを発見しました。このことから、アクネ菌を抑えることが肌の赤みを抑えることにつながると考えられました。
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肌の赤みとアクネ菌数との関係
肌の赤みは肌悩みの一つで、メナードが過去に行った調査でも気にしている人が多いことがわかっており、その対策が望まれています。今回、肌の赤みの改善を目指すなかで、肌の赤みと皮膚常在菌との関係性、およびニキビにも関連するアクネ菌との関係性を調べました。
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肌の赤みとアクネ菌の割合の季節変動
その結果、肌の赤みが強い人はアクネ菌の菌数が多いことがわかりました。また、一般的に肌の赤みは夏より冬に強くなりますが、このとき、アクネ菌の割合が高くなり、皮膚常在菌叢の多様性が低下することも明らかになりました。つまり、アクネ菌を抑えることが肌の赤みの軽減につながると示唆されました。今後も肌の赤みと皮膚常在菌に関する研究を続け、肌の赤みを抑える技術の開発を目指していきます。
なお、本研究の成果は2023年6月1日から4日にかけてパシフィコ横浜で開催される第122回日本皮膚科学会総会にて発表します。
【参考資料】
1.肌の赤みとアクネ菌数の関係
健常女性14名(20代〜40代)のほほを対象とし、綿棒を用いた拭き取り法によって皮膚常在菌のサンプリングを行い、PCR法※1を用いてアクネ菌数の測定を実施しました。また、肌の赤みについては、顔写真よりほほ部の赤みの強さ(赤みスコア)を算出しました※2。
その結果、肌の赤みが強い人はアクネ菌の数も多くなる傾向がみられました(図1)。すなわち、アクネ菌の数が肌の赤みに関与していると考えられました。
※1 Polymerase Chain Reaction法。菌からDNAを抽出して酵素(ポリメラーゼ)を用いた増幅反応を行い、増幅速度から元の菌数を推定する方法
※2 顔画像解析装置VISIAで撮影した赤み画像(ヘモグロビン画像)から算出
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図1 肌の赤みとアクネ菌数との関係
2. 肌の赤みと皮膚常在菌叢の季節変動
1.と同被験者のほほを対象に、綿棒を用いた拭き取り法によって皮膚常在菌のサンプリングを行い、皮膚常在菌の菌叢解析※3を実施しました。また、肌の赤みは1.と同様の方法で赤みスコアを算出しました。なお、サンプリングは年4回(春・夏・秋・冬)実施しましたが、特に差があった夏と冬の結果のみ示します。
肌の赤みと皮膚常在菌叢の関係を解析した結果(図2)、肌の赤みは夏に比べて冬に強くなることが示されました。また、皮膚常在菌叢中のアクネ菌の割合も、夏より冬に高くなることが明らかになりました。皮膚常在菌叢の多様性評価(Simpson Index※4)では、夏に比べて冬に多様性が低くなることがわかりました。すなわち、皮膚常在菌叢におけるアクネ菌の割合の増加と多様性の低下が肌の赤みの増強に関与していることが示唆されました。
※3 菌叢解析は、微生物の遺伝子を網羅的に解析できる次世代シーケンサーを用いて実施
※4 菌叢からランダムに選んだ2つの個体が違う種である確率の評価
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図2 肌の赤みと皮膚常在菌叢の季節変動
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