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プレスリリース

理化学研究所 革新知能統合研究センター認知行動支援技術チーム

40、50代から認知症を予防 会話支援ロボットの体験会を開催しました 忖度ない会話バランスで脳が活性化

(@Press) 2023年05月15日(月)11時00分配信 @Press

理化学研究所 革新知能統合研究センター認知行動支援技術チーム(チームリーダー・ロボット工学博士:大武 美保子)は、2023年4月20日に理化学研究所(東京・日本橋)にて40・50代向けの、認知症予防のための会話支援ロボット「ぼのちゃん」を使った共想法(きょうそうほう)の体験会を開催しました。認知症予防のための正しい知識を得て、早めに取り組む大切さを理解していただいた体験会となりました。


■認知症・認知症予備軍は高齢者の約4人に1人
現代は、高齢者の約4人に1人は認知症または認知症予備軍となっています(2012年時点。厚生労働省老健局データから)。認知症になると、生活する上で支障が出ることになり、本人だけでなく、家族にも大きな負担となります。口腔ケア習慣の普及によって、55〜60歳で歯がない人の割合は、1975年の20%から、2005年の2%まで30年間で10分の1と激減しました。口腔ケア習慣によって歯の健康を保っているように、認知症予防の習慣を普及させることで、認知症を大幅に減らせると考えています。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/355391/LL_img_355391_1.jpg
会話支援ロボット「ぼのちゃん」

■「ぼのちゃん」によって共想法を実践。体験会の内容
そこで、「40・50代のための認知症予防〜『ぼのちゃん』と共想法を体験〜」イベントを2023年4月20日に開催しました。

●共想法の実践:会話支援ロボット「ぼのちゃん」体験
*共想法とは、認知症予防のために「3〜6人程度のグループで、テーマを決めて、写真などの素材や話題を持ち寄り、時間を決めて話し手と聞き手が交互に会話し、想いを共有する手法」です。

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/355391/LL_img_355391_2.jpg
気を使わず話に割り込めるのも利点。笑いも生まれる。

*「ぼのちゃん」は、話題の提供や時間の管理を行う司会者となって、会話を支援します。会話量の測定をして、時間を区切ったり、聞き手と話し手が互いにバランスよく会話をしていないと、割り込んで発話量が少ない方に話をするよう促したりします。

●考え方と方法(認知症を防ぐ4大ポイント)の解説
●身体の状態を測定(骨密度、体組成、糖化度、脳疲労とストレス)

画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/355391/LL_img_355391_4.jpg
体験会後には座談会を実施した

■参加者の感想
●「単なるおしゃべりと、思考を巡らすおしゃべりとの違いの大きさを納得しました。周りの友人たちにも伝えたい」(40代女性)
●「関心がないことは、自分でもびっくりするくらい質問が浮かばなかった。好きなことだけでなく、もっといろんなことに興味を持とうと思った」(50代女性)
●「ぼのちゃんの司会もあって、初めてお会いする方々でも安心して会話ができたのがよかった。日ごろから健康マニアだと思っていたのに、身体の状態を測定してもらえて、現実がわかった。ショックな数値もあったけれど、これから改善していきます。認知症は予防できるということが知れて本当によかった」(40代女性)


■祖母の認知症経験から「認知症をなんとかしたい!」
ロボット工学博士の大武は、ゲルロボットという柔らかいロボットの研究時に、祖母が認知症となりました。要介護になっていく姿を目の当たりにすることとなったのです。「認知症をなんとかしたい!」と強く思い、関連する人ロボット共生学、こころの時間学、思春期主体価値、共創言語進化、対話知能学の研究領域に参加し研究を進め、人間の認知機能を育む人工知能技術の基盤要素技術を開発しました。それが、認知症予防支援ロボットを使った共想法です。


■劇的に減らせる手応え「だからこそ認知ケア習慣を!」
体験会を終えて、「同世代に是非伝えたいと考えていたことを、切実味を持って実感頂けました。40・50代の方々が、今から動けば、要介護、認知症になる人の割合を、劇的に減らせる。そんな手応えを、得ることができました」(チームリーダー・大武)。

画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/355391/LL_img_355391_5.jpg
説明を受ける参加者たちの様子

■チームリーダー:大武 美保子(おおたけ みほこ)プロフィール
ロボット工学博士/
理化学研究所 革新知能統合研究(AIP)センター 目的指向基盤技術研究グループ
認知行動支援技術チーム チームリーダー/
NPO法人ほのぼの研究所 代表理事・所長

画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/355391/LL_img_355391_3.jpg
大武 美保子

東京大学大学院博士課程修了・博士(工学)。
柔らかいロボット、ゲルロボット(機能性高分子で構築された連続体の変形と運動の制御)の研究を経て、祖母の認知症発症をきっかけに、会話支援AIによる認知行動支援技術の開発に携わる。ドイツやフランスなど海外の高齢化が特に進んだ国との戦略的な国際連携にも積極的に取り組んでいる。
日本学術振興会特別研究員、東京大学大学院特任助手、助教授、准教授、スイス連邦工科大学チューリッヒ校の客員研究員、千葉大学大学院准教授を経て、現在は、理化学研究所AIPセンター チームリーダーとして活動。
これまでに、日本ロボット学会研究奨励賞(2003年)、文部科学大臣表彰若手科学者賞(2014年)、人工知能学会現場イノベーション賞(2015年)などを受賞している。


■今後の予定のご案内
認知症になる方を1人でも減らすために、認知症予防の習慣を普及する必要があると考えています。認知症予防のための会話支援ロボット「ぼのちゃん」体験会を2023年6月8日(木)に開催します。

プレスリリース提供元:@Press

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