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空の無線ネットワークを利用したセンサネットワーク基盤のためのテストベッドを構築 10月18日から10月21日まで開催されるCEATEC 2022に出展

(@Press) 2022年10月14日(金)11時00分配信 @Press

芝浦工業大学(東京都江東区/学長 山田純)電子情報システム学科・三好匠教授を代表とするS-SPIRE(SIT Supporting Program for Innovative Research)の研究チームは、同学科・山崎託准教授を中心に、3月に世界で初めて自立型でのスマートポール実験に成功しました。その技術を活かし、50メートル程度の低空の無線ネットワークも考慮した自律分散型情報基盤づくりを行い、空のセンサネットワーク基盤のテストベッドを構築していきます。
また、本取り組みは、10月18日から10月21日に幕張メッセで開催される「CEATEC 2022」において株式会社空撮技研(香川県観音寺市/代表取締役 合田豊)と共同出展を行います。


【ポイント】
●世界初の自立型空中固定のスマートポール実験に成功し、今後は空のセンタネットワーク基盤のテストベッド構築を目ざす
●空中での通信ネットワーク、センシングの研究を行うことができ、今後多くの学術的な成果を生み出すことが期待される
●10月18日から幕張メッセで開催される「CEATEC 2022」での展示を実施

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/329829/LL_img_329829_1.png
図1.空のセンサネットワークを用いたスマートシティ構想

■研究の背景
都市生活の利便性向上に寄与するCaaS(City as a service)の実現に向けては、交通情報や天候情報などをリアルタイムで住民(利用者)に伝達する必要があります。そのサービス基盤を確立するためには、陸上での情報ネットワークだけでは網羅性がありません。そのため、50メートル程度の低空での無線ネットワークを活用した自律分散型情報基盤が必要です。自律分散型情報基盤から、空のセンタネットワーク基盤のテストベッドを構築することができます。


■研究の概要
空中での自立・固定状態におけるスマートポール実験では、ポールの強度や重量、そしてしなやかさなど多くの考慮しなければならない課題があります。その他にもポールの傾斜を検知し、ポール先端についているドローンのようなプロペラを適切に制御する必要があります。このため、安定して自立するためにはノウハウが必要になります。
2022年3月には、大宮キャンパスにおいて、10メートル程度のポールを自立させる実験に世界で初めて成功しました。ポールは、風の影響で傾いた場合においても自らを制御し、自立姿勢を維持することができます。

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/329829/LL_img_329829_2.jpg
図2. 4本の自立スマートボールを使った空のテストベッド構築実験(4台のドローンが浮動している環境を再現)

■今後の展望
現在は10メートル程度のポールで実験を行っていますが、今後は、スマートポールの先端にセンサデバイスや通信デバイスを複合的に取り付け、数十メートルの高さのポールを製作します。ポールは、ドローンと異なり、地上から電源供給が可能であり、100メートル間隔で自立させ、メッシュネットワークを構成します。多数の縦横無尽に飛行するドローンに電源やセンサデータ、通信の経由機能を空から提供します。こうして構築された「空のセンサネットワーク基盤」を試験用プラットフォームであるテストベッドとして活用することで、自動運転タクシーや災害時ドローンなど、様々なアプリケーション分野との融合を目ざしていきます。そして最終的には、陸だけでなく、空も考慮した無線センサネットワークの構築を実現します。


■CEATEC 2022への出展
10月18日から10月21日まで幕張メッセで開催される「CEATEC 2022」において、空の無線ネットワークも利用したセンサネットワーク基盤づくりに関するコンセプトの展示を行います。


■本研究における株式会社空撮技研の取り組み
ドローンの制御技術を応用してプロペラの推力でポールを自立させる機構を2018年に発案し、試作・技術検証を行っています。開発当初は、長尺ポールの安定化補助のための機構に留まっていましたが、2020年には、この機構だけで完全自立できるユニットの開発に成功しました。
今後は、より高いポールに対応でき、かつ信頼性の高いユニットの開発を進めることで、災害発生時やインフラ点検等へのさらなる利活用をめざしています。

株式会社空撮技研
https://www.multicopter.co.jp/


■語句解説
<S-SPIRE(SIT Supporting Program for Innovative Research)>
「知と地の創造拠点」の形成のため、学内公募で採択された学内横断的な研究チームを組織化し、学部、学科の垣根を越えた研究ブランディング事業のこと。

<自立スマートポール>
株式会社空撮技研が開発したもので、本学の研究チームはその改良と応用に向けた共同実証実験を行なっている。

<テストベッド>
実際の使用環境に近い状況を再現可能な試験用環境、または試験用プラットフォームのこと。


■研究助成
本研究成果は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT(エヌアイシーティー))の委託研究(採択番号:05601)により得られたものです。


■研究者情報
芝浦工業大学システム理工学部 准教授 山崎託(スマートポール実験担当)
芝浦工業大学工学部 准教授 宮田純子(CEATEC 2022出展担当)


■その他
S-SPIRE事業について
https://sites.google.com/shibaura-it.ac.jp/nru-sit/home
CEATEC 2022における本学の展示情報
https://www.ceatec.com/ja/exhibition/detail.html?id=283


【芝浦工業大学とは】
工学部/システム理工学部/デザイン工学部/建築学部/大学院理工学研究科
https://www.shibaura-it.ac.jp/

日本屈指の海外学生派遣数を誇るグローバル教育と、多くの学生が参画する産学連携の研究活動が特長の理工系大学です。東京都と埼玉県に2つのキャンパス(豊洲、大宮)、4学部1研究科を有し、約9千人の学生と約300人の専任教員が所属。2024年には工学部が学科制から課程制に移行し、従来の教育の在り方を根本から変えていきます。創立100周年を迎える2027年にはアジア工科系大学トップ10を目指し、教育・研究・社会貢献に取り組んでいます。

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