プレスリリース
1975年、京セラ株式会社(以下、京セラ)は再結晶技術を生かした人工宝石のエメラルドの製造に成功し、同年9月にエメラルドの石の色から「クレサンベール(緑の三日月)」と名付けた宝飾ブランドを立ち上げ、販売を開始しました。しかし当時は、人工宝石は「イミテーション」と言われるなど、その価値はなかなか認められませんでした。
現在、人工宝石は「ラボ(研究所で)グロウン(育てられた)宝石」と呼ばれ、人や社会、地域、環境にやさしい宝石として、そのエシカル(倫理的)な面が注目されています。特に、海外では、エシカルは近年、一つの社会現象となり、ラボグロウン宝石への需要が高まっています。
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京セラの宝飾ブランド「クレサンベール」
■京セラのラボグロウン宝石の誕生
実は、ラボグロウン宝石自体の歴史は長く、1900年ごろから研究開発が行われていたといわれます。
京セラが宝石の開発・製造に着手した1970年当時、天然宝石の良質な原石は既に不足しており、誰もが手軽に買えるものではありませんでした。「宝石本来の魅力とは、人に夢を与え、心を豊かにすること。それが今、忘れられつつあるのではないか」と、当社の創業者である稲盛 和夫(現:京セラ名誉会長)の想いから、ラボグロウン宝石の製造に着手しました。
京セラは半導体セラミックの結晶技術を応用し、1975年のエメラルドに始まり、現在ではサファイアやルビーなど、14種のラボグロウン宝石を展開しています。
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京セラのラボグロウン宝石
■ラボグロウン宝石のエシカルという新しい価値
「エシカル」とは、「倫理的な」という意味です。商品がどのように作られ、流通しているのかを十分確認し、環境や社会に配慮した地産地消、フェアトレード製品の購入を「エシカル消費」といいます。
ではなぜ、今、エシカル消費を背景にラボグロウン宝石が注目されているのでしょうか。
その理由は製造方法にあります。
一般的に天然宝石は、しばしば地下30mで手掘り採掘されることもあり、過酷な労働環境であることが危惧されている面があります。また、限られた良質な資源をめぐって、地域間の対立、抗争が起きることもあるといわれています。
一方、京セラでは、再結晶技術を用い、最高の天然宝石の生まれる過程を京都伏見事業所(京都府)内に再現し、危険な採掘が不要な原鉱石を使ってラボグロウン宝石を製造しています。純度が高い京セラのラボグロウン宝石は、天然のものと化学的・物理的・光学的性質にほとんど違いがありません。
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ベリル原鉱石(左) 工場内に再現した地球内部のマグマと同じ状態のるつぼ(右)
■京セラのラボグロウン宝石の製造方法に関する詳細はこちら:
日本語版 https://www.kyocera.co.jp/prdct/jewelry/cv/stone/how_to.html
英語版 https://global.kyocera.com/prdct/jewelry/rough_stone/
その商品がどう作られているのか、ということまでを考えた消費により、人と環境、社会が共存できる世界を目指すというエシカルの考えと、労働環境や人権、環境に配慮して育成されるラボグロウン宝石の理念や製造方法が結びつき、現在、多くの人からの共感を得ているのではないでしょうか。
京セラでは、ラボで育成されたエシカルな宝石としてクレサンベールの魅力を一人でも多くの方に知っていただきたいという思いから、このたび、宝飾事業のグローバルサイト内に「エシカルサイト」を作成しました。ラボグロウン宝石が持つエシカルな面を具体的に説明するにあたり、SDGs(持続可能な開発目標)で掲げられている、10番「人や国の不平等をなくそう」、16番「平和と公正をすべての人に」についても触れています。
■サイトURL: https://global.kyocera.com/prdct/jewelry/rough_stone/#sec1007
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宝飾事業(グローバルサイト)のエシカルサイト(抜粋)
京セラは52年前から、人に夢を与え、心を豊かにする人工宝石の実現に挑戦し、数々のラボグロウン宝石を生み出してまいりました。これからも、当社の技術力、開発力で人・環境・社会と共存する世界を目指してまいります。
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