プレスリリース
住友不動産株式会社(以下「住友不動産」)と、ダイキン工業株式会社(以下「ダイキン」)は、オフィスビル等で使用する空調設備において、脱炭素・循環型社会の実現に貢献することを目的とした包括連携協定を6月23日(木)に締結し、空調設備の省エネ効果の検証・運用最適化を図る取組みや、「空調冷媒」※1の循環利用実現に向けた取組みを共同で進めていくことを決定しましたので、お知らせします。
あわせて、包括連携協定のプロジェクト第一弾として、ダイキングループをはじめとする各取引先と協力したうえで、住友不動産の運営するオフィスビルの空調機器から回収される空調冷媒の全量再生利用※2、リサイクル製品化を推進し、冷媒製造に由来するCO2排出量の削減と、冷媒の安定供給に資する資源循環型システムの構築に貢献いたします。
今後も、2050年脱炭素にさらに貢献するべく、多岐にわたって協業を検討してまいります。
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※1 空調冷媒:室内機と室外機の間に充填されている、熱を媒介するガスのこと。
※2 全量再生利用:冷媒R410Aおよび後継冷媒の全量再生を想定。
1.空調設備の脱炭素に向けた包括連携協定締結の目的
オフィスビルのエネルギー使用量の半分近くは空調設備が占めており、テナント企業とともに脱炭素を推進していくにあたって、空調設備の高効率化やその効率的な運用は重要課題の一つとなります。空調機器による温室効果ガス排出量は、使用時の影響が最も大きく、次いで冷媒による影響が大きくなっており、それらの削減にあたっては空調機器の利用、廃棄時の適切な管理等が重要になります。オフィスビルにおける高効率な空調機器の導入や、ライフサイクルを通しての適切な利用、冷媒の管理・再生化促進など、多岐にわたって両社が連携することで、脱炭素・循環型社会の実現に貢献します。
2.第一弾プロジェクト:回収冷媒の全量再生利用
住友不動産は、運営するオフィスビルの空調機器から回収される冷媒を、各取引先と協力して原則として全量再生処理してリサイクル利用を推進すること、ダイキングループはその取組みに全面協力することを決定いたしました。
空調機器の新設や入替時に充填する冷媒は、その製造過程でエネルギー消費に伴いCO2を排出します。これまで、回収された冷媒は破壊処理されることが一般的でしたが、冷媒を再生利用することで、冷媒製造量を削減し、CO2排出量の削減に貢献します。
また、今後冷媒供給が不足することが懸念されており、回収冷媒の再生量を増やすことは、冷媒の安定供給に貢献するばかりでなく、資源循環型社会への移行にも寄与します。
3.「空調設備の脱炭素に向けた包括連携協定」の今後の展開
今回の回収冷媒の100%再生利用を皮切りとして、住友不動産のオフィスビルに採用する空調機器の冷媒を100%再生冷媒由来とする取組みや、空調設備の省エネ効果の検証・運用最適化に関する取組みなど、多岐にわたって協業を検討してまいります。
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参考
冷媒に関する温暖化対策の動向
地球温暖化の抑制のため、「モントリオール議定書※3」に基づいて空調機器に使用されるHFC冷媒の生産・消費量の段階的な削減が世界的に進められています。また、国内において「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」(以下フロン排出抑制法)による空調機器管理者の冷媒管理や、廃棄時における冷媒の漏えい防止・回収義務が強化されています。
「破壊処理」と「再生利用」
破壊処理は、大気中に漏洩した際に温暖化効果をもたらす代替フロン等を無害化する工程を指し、再生利用は、使用時に油等の不純物が混ざった冷媒の不純物を取り除き、成分調整の上、再利用可能な冷媒製品とする工程を指しています。 空調機器の入替やメンテナンスの際に回収された冷媒は不純物を取り除くことにより、品質基準を満たした冷媒に再生し繰り返し使用することができますが、現状、業務用冷凍空調機器の廃棄時等に回収された多くの冷媒は破壊処理されています※4。
住友不動産とダイキンの環境への取組み
住友不動産 (東京都新宿区、代表取締役社長 仁島 浩順)
住友不動産は、「より良い社会資産を創造し、それを後世に残していく」を基本使命に掲げ、事業を通じた社会課題の解決に取り組んでいます。
※サステナビリティに関する取組み(詳細): https://www.sumitomo-rd.co.jp/sustainability/
ダイキン工業 (本社:大阪府大阪市、代表取締役社長 兼 CEO:十河政則)
ダイキンは、長年にわたり培ってきた空気へのさまざまな技術とノウハウを生かして、地球上の暮らしを快適にしてきました。これからも、省エネルギーでありながら、人と空間を快適で健康にする新しい価値を提供します。
※サスティナビリティに関する取り組み(詳細): https://www.daikin.co.jp/csr
SDGsへの貢献
本リリースに関する取り組みは、右記のSDGsの目標に貢献しています。
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※3 1987年、オゾン層を破壊するおそれのある物質を特定し、当該物質の生産、消費及び貿易を規制して人の健康及び環境の保護を目的として採択された「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」。2016年にオゾン層を破壊しないが温室効果の高いHFCを規制対象に追加する議定書の改正(キガリ改正)が採択されている。
※4 平成25年改正フロン排出抑制法の施行状況の評価・検討に関する報告書(案) https://www.env.go.jp/council/06earth/furon12/mat004.pdf
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