プレスリリース
北アルプスのラストフロンティア『伊藤新道 復活プロジェクト』 37年前に廃道となった伊藤新道に新たな登山文化を切り開くためにクラウドファンディングを開始
北アルプスの最深部、黒部源流周辺に位置する山小屋、三俣山荘・水晶小屋・湯俣山荘を運営する、三俣山荘株式会社(所在地:長野県安曇野市、代表:伊藤 圭)は2022年5月31日(火)から8月12日(金)の日程で「【北アルプス最後のフロンティア】伊藤新道復活プロジェクト」クラウドファンディング( https://camp-fire.jp/projects/view/589526 )をCAMPFIRE上で実施します。
本プロジェクトは、北アルプスに“密度の高い自然体験”ができる新しいプレイフィールドを創出するとともに、北アルプスの“持続可能な環境保全の在り方に役立つ仕組みづくり”の第一歩となるプロジェクトと位置付けています。
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伊藤新道復活プロジェクト
■伊藤新道とは
長野県大町市の高瀬川上流部にある湯俣温泉から、鷲羽岳と三俣蓮華岳の鞍部に位置する三俣山荘までを結ぶルートで、現在は一般登山者の通行が困難な廃道に近い状態になっています。
“伊藤新道”はその景観的要素で、渓谷・絶景・原生林・ハイキングの4つのセクションで構成されており、火山性ガスの臭気の中、ときにはカモシカが命を落とし、見事な湯俣ブルーの渓流にはその温泉成分から魚も住んでいません。そんな美しき死の世界にも近い景色の中、繰り返す渡渉、ルートファインディング。現代社会ではなかなか体験できない、冒険心と興奮があなたを待ち受けています。
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湯俣川の渡渉
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湯俣ブルーの水面
■これまでの取り組み
2021年、38年ぶりに第1吊り橋を架橋いたしました。伊藤新道の再興に向けて全3本の吊り橋を設置する予定です。
■伊藤新道復活プロジェクトで実現したいこと
伊藤新道の復活においては、その特異な景観を活かして、より冒険的で発見に満ちた自然体験ができるフィールド作りと、同時に利用者全員で保全できる仕組み作りを目指します。
【新しい伊藤新道のコンセプト】
1. 道自体の歴史や自然体験を楽しむことができるトレイル
2. ルートファインディングによるセクションがある
3. 環境インパクトを最小限にするため、工作物の設置を最小限にする
4. 沢歩き経験者以上か、ガイド付きのグレードとする
5. 管理者、利用者、行政全体で保全する
【伊藤新道の整備方針】
最低限の安全を確保しつつ、不安定な地質をクリアーして登山道の恒久化をめざす
1. オリジナルでは伊藤新道に5本あった吊り橋を、管理の利便性と最低限の安全確保の観点から3本に絞り込む
2. 吊り橋以外の渡渉箇所や河原歩きに関しては、通行者のルートファインディングに任せる
3. 河川部と稜線部の境界地点にある通称「茶屋」という場所に、渡渉困難時の緊急避難、および登山道整備の資材置き場として避難小屋を設置する
4. 湯俣川の水量を観測するカメラを数カ所に設置し、湯俣山荘にてモニタリング、三俣山荘と共有し、登山者にアナウンスする際の通行可否の目安とする
5. 伊藤新道の維持・管理、専属ガイドの教育、ツアーの斡旋を行なう団体を立ち上げる
一般登山道というよりは、バリエーションルートに近い冒険性を残した道としての復活となるが、専属ガイドを用意するなど、誰でも訪れられる可能性を残した仕組みを心がけている。
■リターン
●5,000円
三俣山荘・水晶小屋・湯俣山荘・三俣山荘図書室で利用できるコーヒーチケット[1杯提供]。
有効期限:2022年12月1日(木)〜2023年11月30日(木)
●10,000円
伊藤新道応援セット!H/A/R/V/E/S/T 真田 緑さんが伊藤新道の為にデザインしたオリジナルテキスタイルがプリントされた手ぬぐいと、イラストレータージェリー鵜飼さんデザインのステッカーのセット。
●50,000円
三俣山荘・水晶小屋・湯俣山荘のいずれかで利用できる一泊二食券×1名分。
有効期限は2023年4月29日(土)〜2023年11月30日(木)
お客様の希望に応じて、山小屋スタッフが伊藤新道 展望台までご案内いたします。
この他にもプランがあります。
■伊藤新道開通までの計画
2022年5月〜 湯俣山荘の約35年ぶりの再開に向け、改修工事の開始
2023年1月〜 湯俣エリアの整備、エコツアーの開始
2022年6月 クラウドファンディングによる資金調達 昨年、新第1吊り橋は架橋済み、残りの吊り橋2本と桟道、タラップ設置のための資金調達を行う
2022年10月 伊藤新道の新第2吊り橋・新第3吊り橋の架橋工事、および桟道・タラップの設置を開始。これが終了次第、伊藤新道を仮開通とする
2023年4月 茶屋避難小屋建設、および周辺環境の整備、各種看板の設置・重要箇所にマーキング
2023年7月 茶屋に避難小屋建設。
2023年8月 本開通
■使用用途
今回のプロジェクトでは第2吊り橋、第3吊り橋、タラップ、桟道の計4つの建造物と、監視カメラの設置費用を募集します。
【第2吊り橋】
1956当時に赤いペンキで書かれた「引き返す勇気を 雨天の時」の文字が書かれている通り、水量が多い場合は通行不能となる場所。橋のない現在は、1m前後の水深のある強めの水流の中を大岩の裏へまわりこむようにして渡渉を行う必要がある。架橋でスムーズな渡渉を実現する。
【第3吊り橋】
第5吊橋跡に架橋。両吊り橋ともに、硫黄尾根の噴気に含まれる硫化水素に強い素材を採用した、吊りワイヤー形式の吊り橋。
【タラップ】
通称「ガンダム岩」。岩の下をくぐり抜けるには水量次第では不可能で、高巻きは斜面がもろく非常に危険なため岩自体にタラップを設置する必要がある。
【桟道】
山側を大きく巻く必要のあったスラブに約30メートルの水平桟道を設置。ルートの安全性と利便性を改善する。
【監視カメラ】
登山者の安全性を確保するため、湯俣川の水量を監視する水量観測カメラを各吊り橋に設置。
■三俣山荘「山と人と街プロジェクト」
三俣山荘では、山と街が一体となり、双方向に刺激しあい、新しいトレイルカルチャーを創出し、経済的にも環境保全の面でも持続可能な文化圏をつくることを目的とした「北アルプス 山と人と街」プロジェクトを進行しています。伊藤新道の復活は大町、裏銀座エリアに人流を戻すメインコンテンツの一つとして位置づけられています。
「山と人と街プロジェクト」
https://kumonodaira.net/project/index.html
■最後に
伊藤新道のある、高瀬渓谷から黒部源流にいたるエリアは、地下のマグマが地表に近く、至る所に温泉や噴気が存在し、熱水変質した花崗岩でできた赤い硫黄尾根、温泉成分を含んだ「湯俣ブルー」の湯俣川、豊かな原生林を擁する鷲羽岳により、世にも稀な景観を生み出しています。この道を通過することは、その利用者にとって生涯忘れえぬ貴重な体験となるでしょう。
しかし、天然記念物の噴湯丘を擁する湯俣温泉を含むこのエリアは、都市部からのアクセスの悪さや、地方行政の弱体化、高瀬ダムと二次交通の整合性の悪さから、不遇な時代を長く過ごしてきました。
今回の伊藤新道復活プロジェクトが、この日本最奥地の神秘に満ちた自然を「遊び、学び、保全する」官民を問わない新たな枠組みを作るきっかけになることを願ってやみません。
■会社概要
会社名: 三俣山荘株式会社
代表者: 代表取締役 伊藤 圭
所在地: 長野県安曇野市
設立 : 2016年
URL : https://kumonodaira.net/
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