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プレスリリース
EMIRA×PEP共催ビジネスアイデア学生コンテスト。学生が「住まい方×エネルギー」について、ビジネスモデルを提案!アイデアの頂点が決定!最優秀賞は早稲田大学LivLoop「生ゴミの水切り促進アプリ」生ゴミの水切りアプリで廃棄物発電の処分事業者の負担を軽減
イノベーション(変革)を「エネルギー」という視点で読み解くことで未来を考えてゆくメディア「EMIRA」は、2022年2月12日、早稲田大学パワー・エネルギー・プロフェッショナル育成プログラム(以下、PEP)とともに、ビジネスアイデアコンテスト「EMIRAビジコン2022 エネルギー・インカレ」をオンラインにて実施しました。今回で3度目となるコンテストの当日の様子をご報告します。
本コンテストは、EMIRAと、早稲田大学を代表校に13大学が連携する5年一貫の博士人材育成プログラムであるPEPが共催。今回は、「住まい方×エネルギー」というテーマにて、ビジネスアイデアを全国の大学生・大学院生から募り、145チームの頂点が決定しました。
最優秀賞を受賞したのは、「生ゴミの水切り促進アプリ」について発表したLivLoopチーム。最優秀賞を受賞したアイデアに対して、審査員である早稲田大学理工学術院 田辺新一教授は、「生ごみの水切りに着目し、廃棄物発電の負担軽減に繋げるという着眼点が良かった。さらに、収益の少なさをゲーム型のアイデアを取り入れて解消し、より普及するように工夫したことが高く評価された」と語りました。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/297542/img_297542_1.jpg
<「EMIRA」 URL>
https://emira-t.jp/
■出場5チームのプレゼン内容詳細
全国145チームの中から、審査によって選ばれた5チームが本コンテストに出場。「住まい方×エネルギー」をテーマに、各チームがプレゼンテーションを展開しました。EMIRA最優秀賞は、LivLoopチームが受賞。発表内容の詳細はEMIRAで掲載予定です。また、KADOKAWA賞は赤松・大池チームの「農耕×テレワーク 省エネルギーな住まい方の創出」、TEPCO賞はNO2チームの「個人向け排出権取引サービス i-ETS」、優秀賞は椙山女学園大学現代マネジメント学部チームの「スモールハウスによるコンパクトシティ実現」と、Y-Laboチームの「省エネテクノロジーレンタルサービス」が受賞しました。
<EMIRA最優秀賞>LivLoop(早稲田大学 創造理工学部 社会環境工学科)
西川貴章・市川一茶・草場公祐・宮下武虎・リゲツ
テーマ:廃棄物発電を活性化させる生ゴミの水切り促進アプリ「LivLoop」
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/297542/img_297542_2.jpg
発表概要:
生ゴミに含まれる水分量を減らす手段を一般家庭に普及させるためのアプリを提供し、家庭から出る生ゴミによる廃棄物発電の促進を提案。これにより処分事業者の負担を軽減しつつ、資源循環型社会の実現を目指す。一般廃棄物の中でも生ゴミ発電に着目した理由は、約120億円もの潜在的市場価値がありながら、発電効率の悪さを理由に、廃棄物発電の中で最も普及が遅れているから。その原因は、生ゴミの8割を占める水分が燃焼効率を下げているためと考えられる。この課題を解決するために、生ゴミを水切りしたくなるような工夫を凝らしたアプリを提供。加えて、減らした水分量に応じて、廃棄物発電で得られた収益のうち毎年最大70億円を抽選で還元することで、ユーザーに対するメリットも訴求。
水切りに協力する人をさらに増やす。こうした取り組みが処分事業の消費エネルギーを大きく削減し、資源循環型社会に近づくと考えられる。
<KADOKAWA賞> 赤松・大池(北海道大学大学院 工学院 空間性能システム専攻)
赤松大成・大池里志
テーマ:「農耕×テレワーク」省エネルギーな住まい方の創出
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/297542/img_297542_3.jpg
発表概要:
住まい方を「住まいの利用者の行動様式」と定義したうえで、住まいに生活と仕事・勉強の両立が求められるようになった点に着目。コロナ禍でテレワークが増えたこと、生産緑地問題(2022年問題)で土地が開発されることを挙げ、「農耕×テレワーク」で仕事・勉強に適した住まいとなる農園付き集合住宅を提供する事業を考案した。北海道大学工学部の建物を例に、各室の窓の景観の緑視率と昼光率をシミュレーションすることで生産性が高くなる空間を算出。緑視率をエビデンス化し、農園付き集合住宅で提供する緑視率の高い部屋でより生産性が高まることに期待した。
<TEPCO賞> NO2(大阪大学工学研究科ビジネスエンジニアリング専攻)
川村俊介・長田裕生・大島海里
テーマ:個人向け排出権取引サービス「i-ETS」
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/297542/img_297542_4.jpg
発表概要:
企業だけでなく一般の人もカーボンニュートラルとSDGsの達成に貢献できるよう、「節電」によってインセンティブを付与するサービスを提案。各世帯で行った「節電」という行為自体に価値を持たせる。一般送配電業者と提携し、各世帯の消費電力量を測り、削減した電力量に値するCO2を個人向け排出権取引サービス「i-ETS」が取りまとめる。メーカー等の企業に排出枠をシェアリングし、その仲介手数料で収益を得る。排出権取引での売上から節電に貢献した度合いを考慮して各家庭にインセンティブを付与。環境省が毎年公表している世帯構成人数別世帯あたりの年間エネルギー種別消費量をもとに、世帯構成人数別の基準を設け、そこから算出された各家庭の節電量に応じてインセンティブの値を決定する。
排出権取引とは2022年に実証実験開始が期待される制度であり、CO2の削減への意識が高まることが期待される。電気代の節約と節電によるインセンティブという利用者のメリットがありながら、企業にとってもCO2削減目標の達成や環境への配慮をアピールできる。
<優秀賞> 椙山女学園大学現代マネジメント学部
磯谷咲季・市川晴菜・高橋美央
テーマ:スモールハウスによるコンパクトシティ実現
画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/297542/img_297542_5.jpg
発表概要:
消滅可能性都市への危惧から、コンパクトシティの促進を目指し、維持管理がしやすい小さな家「スモールハウス」の設計をオンラインで売るビジネス「スマート設計」を提案。「スマート設計」では、冷暖房が効きやすくエネルギー効率の良いコンパクトな部屋や、窓を大きくして日中の照明が少なくて済むような設計を提供する。地域性を考慮して最適な冷暖房設備等を設置。高齢者向けには介護がしやすいように、段差をなくす、引き戸にする、トイレを大きくする等のバリアフリー化を徹底し、住み替えでの転売がスムーズに進むように設計。これらの観点から設計をパターン化し、コンパクトな住宅にする。
地方創生、コンパクトシティ化に向けて地方の環境に合わせた家づくりのためにZEHを取り入れ、民間制度も利用しながらより安価な設計プランを提案。設計をパターン化することや、補助金制度の利用、民間の制度を取り入れることで設計料を安く抑え、建築費を少なくすることが見込める。
<優秀賞> Y-Labo(東京工業大学 物質理工学院 材料系 原子核工学コース)
Chung Ying・滝沢亮人
テーマ:省エネテクノロジーレンタルサービス
画像6: https://www.atpress.ne.jp/releases/297542/img_297542_6.jpg
発表概要:
コロナ禍で家にいる時間が増えたことで起きる、各家庭のCO2排出量増加と、運動不足による健康被害に着目。家で運動しながら発電しCO2の削減を見込めるエアロバイク、フィットネス機器を貸し出すレンタルサービスを提案した。自宅で発電・それを使用することで、火力発電がもたらすCO2の増加を抑える。加えて、フィットネス機器のサブスクリプションサービスと連動して運動データと発電量を計測し、ポイントを受け取れるアプリを開発。データ調査会社、ポイント提携会社、自治体のエコ・アクション・ポイント等と連携して収益を得る。パーソナルトレーナーのオプション契約も手掛け、顧客満足度の向上を狙う。
<審査員>
林 泰弘(早稲田大学理工学術院 教授 / スマート社会技術融合研究機構(ACROSS) 機構長)
高橋 徹(東京電力エナジーパートナー株式会社お客さま営業部 副部長(くらしTEPCOブランド担当、リビング分野DX担当))
亀谷 潮太(EMIRA編集長)
<特別審査員>
田辺 新一(早稲田大学理工学術院 教授 / 日本建築学会 会長)
大畑 慎治(O ltd. 代表 / マカイラ株式会社 事業&ブランド開発プロデューサー)
<主催>
EMIRA編集委員会
(株式会社KADOKAWA、東京電力ホールディングス株式会社、株式会社読売広告社)、
早稲田大学パワー・エネルギー・プロフェッショナル育成プログラム(PEP)
<後援>
早稲田大学スマート社会技術融合研究機構(ACROSS)
早稲田大学マーケティング国際研究所(MII)、
早稲田大学ビジネススクール(WBS)、早稲田大学住宅・建築環境研究所
<協力>
WASEDA-EDGE人材育成プログラム
最優秀賞受賞者インタビュー
コンテスト終了後、EMIRA最優秀賞を受賞したLivLoopチーム、および審査員である早稲田大学理工学術院 教授 田辺新一氏と東京電力エナジーパートナー株式会社 高橋徹氏にインタビューしました。
<「EMIRA最優秀賞・LivLoop」インタビュー>
画像7: https://www.atpress.ne.jp/releases/297542/img_297542_7.jpg
―最優秀賞を受賞した、今の率直な感想を聞かせてください。
発表する前から最優秀賞を受賞できる自信があったくらい、チーム一丸となっていいものを作ってきたつもりでした。思った通りの結果が出て、本当に良かったと思っています。
―発表のテーマである、「廃棄物発電を活性化させる生ゴミの水切り促進アプリ」という内容に着目したきっかけは何ですか?
今回のビジコンのテーマが「住まい方×エネルギー」だったので、みんなでアイデアを出し合ったところ「家庭ゴミの分類」に辿り着きました。自粛期間が増えたことで家庭ゴミが増えたことも共通した課題として挙がっていたので、そこから掘り下げた結果、「生ゴミ」に着目することに。問題はそこにどうやってエネルギーを絡めるか、というところでした。海外の事例も分析し、インドネシアでスマートソートという概念が生まれていたこともあり、参考にしながら考案しました。
―実際にこの事業を進めていくとしたら、課題はどのようなことになると思いますか?
廃棄物発電所を運営しているのが自治体なのですが、そこまで財政に余裕がないので、民間に比べると事業として契約を結ぶハードルが高いなというのが一番感じている課題です。もう一つは、還元額が自治体との契約数に依存してしまうので、自治体と連携が取れないと還元額も低くなってしまう。そうなるとアプリが成り立たなくなってしまうので、いかにスタートダッシュで自治体に魅力を伝え、多くの契約を獲得できるのかというところも課題だと感じています。
―コロナ禍で、今回の発表の準備や日々の研究を行っていると思います。苦労している点など実情を教えてください。
ミーティングは基本的にオンラインで行なっていたのですが、オンラインだと時間の都合が合わせられるメリットの一方、画面越しであることで認識の齟齬が生まれてしまうこともありました。気が付かないうちに思ってもいない方向に話が進んでしまうこともあり、そういう点ではオンラインでアイデアを詰めていく難しさは感じました。
―この研究の今後について、どのようにお考えですか?
今のところ明確な予定は決まっていませんが、まずは、このアイデアを考える上でいくつかの発電所や自治体にヒアリングを行なって、色々なことを教えていただいたので、こういう結果になったことを報告したいと思っています。もしそこで話の進展があれば、チームで再考し発展させていければと思います。
<審査員 早稲田大学理工学術院 田辺新一教授インタビュー>
画像8: https://www.atpress.ne.jp/releases/297542/img_297542_8.jpg
―5組のアイデアについてどのように感じましたか?
普段の研究や論文とは違って、制約なく考えるということが重要かと思います。そのことで世の中が変化し、ビジネスになる、という点もすごく重要です。レベルがすごく高くて、質疑応答では審査員側が難しい質問をすることもありましたが、みなさん明るく真面目に答えているなと思いました。5つともそれぞれすごくよかったです。
―学生のアイデアから感じたことや、印象を率直にお答えください。
現実の会社では、何か提案するとすぐにダメ出しがきてしまうのですが、学生の皆さんは明るく受け答えしていてとても良かったです。批判されたり否定的な意見をもらってもブレイクスルーする方法を見つけて答えていましたよね。我々が若い頃よりシビアな社会になっています。提案に対しての反対意見も多くあると思うのですが、そういうことを打破する試みはすごく重要だと感じます。
―ご自身は「住まい方×エネルギー」というテーマに対して、どのようにお考えですか?
実は世界全体の1/3が住んだり働いたりしていることで排出されているCO2なんです。意識する機会は少ないと思いますが、エネルギーは暮らしに直結しています。家計支出の5%程度がエネルギーに使われています。今後、脱炭素化の過程で値段も上がると思いますし、国際的に非常に大きな問題ですよね。日本は天然資源がない国なので、どうやって大切に使っていくのかということを他の国以上に考えないといけないと思います。
―勉学に励む、全国の学生にアドバイスなどをお願いします。
未来を考えることってすごく重要なこと。今はコロナ禍でなかなかディスカッションする機会がないかと思いますが、議論をしたりみんなの作品を見たりすることは、一人で考える以上に得られるものがあります。恥ずかしがらずにこういう機会に参加して、意見をもらって、みんなの発表を聞いて、議論して高め合っていけると良いのではないでしょうか。
<審査員 東京電力エナジーパートナー株式会社 高橋徹氏インタビュー>
画像9: https://www.atpress.ne.jp/releases/297542/img_297542_9.jpg
―5組のアイデアについてどのように感じましたか?
どれも素晴らしいアイデアでした。大変優秀で、みなさん東京電力に入ってほしいと思うくらいです。プレゼン能力もすごく高いですね。喋り方もそうですし、資料もそうですし、中には動画を活用する発表もあり、非常にレベルが高いと思いました。また、いくつかのチームは二次審査での審査員からの指摘について、最終審査時に反映させて変化をつけていたことも印象的でしたね。
―学生のアイデアから感じたことや、印象を率直にお答えください。
発想が斬新で、柔軟でしたね。歳と共に失われていく部分かと思うので、刺激を受けました。電気って「人」に送ると感電してしまうし危ないのですが、「モノ」に送ると価値が生まれるんです。蛍光灯に入ると「光」になり、空調に入れば「熱」になる。そこで初めて価値が生まれているんです。私たちは電気を提供しているのですが、電気を提供することで最終的には「快適さ」や「安全」を提供していると思っています。ただ、それは電気にしか出来ないわけではないとも思っていて、今回の発表を聞いて改めて考えさせられた部分もありました。我々が提供しているものは何なのか、あるいは違った方法でできることはあるのか、ということを考えるきっかけになりましたね。
―ご自身は「住まい方×エネルギー」というテーマに対して、どのようにお考えですか?
審査員メンバーで話していたのですが、ギャップはすごく重要だと思います。ギャップに価値が内包している。電気は今や当たり前のものになっているのかと思いますが、その当たり前を「価値」としてどう認識してもらうかが重要だと思いますね。その時に、電気そのものではなくてその先の価値、住まい方の価値を見せていきたいと考えています。
―今回のアイデアに、手がけられている事業や、提供しているサービスと共通することはありましたか?
テーマがエネルギーだったこともあり、大いにありました。こういったアイデアを参考にしながらうまくビジネスにしていけたら良いなと思っています。つい先日リリースした「太陽光発電」と「おひさまエコキュート」と「蓄電池」を使った暮らしの提案では、太陽光発電で発電したエネルギーを、蓄電池やエコキュートに溜めておくことができます。そうすると通常時だけでなく災害時もお湯や電気が使うことができ、初期費用0でカーボンニュートラルの実現に貢献しながら、「快適」「安心」が手に入るというサービスを始めました。このエネカリプラスは、お客様の屋根を借りて東京電力が太陽光発電をやらせて頂くスキームです。屋根という場所を借りて、ミニ発電所を作らせてもらうというイメージですね。
こうしたサービスと関連するテーマもあったので、参考にして発想を広げていきたいなと思いました。
■EMIRA
EMIRA(エミラ)は、イノベーション(変革)を「エネルギー」という視点で読み解くことで未来を考えてゆくメディアです。
<メディア公式サイト>
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