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人民日報海外版日本月刊

願いは、人類運命共同体建設に身を投じること インタビュー記事を『人民日報海外版日本月刊』にて公開

(@Press) 2022年01月26日(水)17時00分配信 @Press

『人民日報海外版日本月刊』が記事「願いは、人類運命共同体建設に身を投じること」を公開いたしました。

「新型コロナウイルスパンデミックはピンチでありますが、ターニングポイントでもあります。パンデミックはボーダレスの人や物の流れを遮断しましたが、新技術、新材料には飛躍的発展をもたらしました」。丑年も暮れようとする冬の朝、Red Avenue New Materials Group Co., Ltd.([丹彡]程新材料グループ)董事長、Red Avenue Foundation([丹彡]程公益基金会)の創始者であり名誉理事長を務める張寧氏が、リモート取材でよどみなく語ってくれた記事内容を紹介いたします。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/295530/LL_img_295530_1.jpg
Red Avenue New Materials Group Co., Ltd.董事長、Red Avenue Foundation創始者・名誉理事長 張寧

■タイヤと共に弛まず駆ける
英国・ウォーリック大学エンジニアリングビジネスマネジメント修士号、米国・アリゾナ大学金融管理博士号、フォーブス中国・2019年度「テクノロジー女性ランキング」ランクイン、同2021年度「最も傑出した中国の女性ビジネスリーダー」ランクイン、「2021年度女性企業家長者番付」ランクイン、2021年度「中国ビジネスウーマンランキング」ランクイン……1970年代生まれの創業者・女性企業家は眩いばかりの称号をもつ。メディアはこうした張寧の輝かしいビジネスでの成功を報道するが、ビジネス同様に注力する様々な慈善事業の取り組みについてはあまり報じられていない。

「これまでの人生は比較的順風でした。挫折について話すとしたら、最大の挫折は、大学入試に失敗して北京大学に進めなかったことでしょうか」。今日まで一歩一歩歩みを進め、事業を立ち上げ、影響力をもつ女性実業家となった張寧であるが、時宜にかない、環境にも恵まれ、活況を呈する業界に足を踏み入れることができたのは幸運だったと謙虚さを失わない。その身には北京女性の率直さと鷹揚さが湛えられていた。

新材料業界で世界をリードするRed Avenue New Materialsは現在、電子材料、自動車タイヤ用特殊材料、完全生分解性材料に焦点を当てている。

1997年、象牙の塔に別れを告げた張寧は、タイヤ製造とゴム用添加剤の業界と接触をもったことから、1999年8月に[丹彡]程化工を創業し、ドイツの化学薬品会社BASFの中国初のエージェントのひとつとなった。1世紀半の歴史を有する世界最大規模の化学工業グループであるBASFは早くから、オープンな協力、ウィンウィン、持続可能な開発というエコシステムを形成していた。

世界のトップ500社に名を連ねるBASFのエージェントには、高い英語力が要求される。張寧の解決方法は至ってシンプルであった。サプライチェーンに、より良いサービスを提供するために、彼女は2000年以降、英国のウォーリック大学に留学し、エンジニアリングビジネスマネジメントの修士号を取得した。当校は、すべての英国の大学が「バイタリティー、質、企業家精神の灯台」と仰ぐ名門校であり、ビジネスやマネジメントの分野では世界のトップレベルにあった。

当時のロンドンは、日本の財閥に「買収」されたかのようであった。学校のカリキュラムでも日本企業が研究の対象となっていた。トヨタがその代表例である。「日本製は名品である」。世界が認める日本の匠の精神は、張寧に深い印象を残した。

張寧は「信用」の大切さを外国人から学んだ。Red Avenue New Materials、ドイツのBASF、日本の住友化学の3社との協力は20年間続いている。150年間トップクラスにあるBASFが構築した成熟したビジネスフレームワークに基づき、同グループは生産、研究開発、販売、サービスの全産業チェーンの環境負荷低減モデルの開発に成功し、自動車タイヤ用特殊材料、生分解性材料やフォトレジストに代表される電子材料の三大コアビジネスの構築を成し遂げた。

「ほとんど外国企業のような民間企業」。多くの同業者がRed Avenue New Materialsをこう表現する。これは同グループに対する称賛、評価の声であり、同グループはオープン、寛容、誠実、互恵の国際的思考を備えている。同グループはこれまで、価格競争やマーケットのシェア独占を追求したことはない。2020年5月、BASFは同グループが信用に値する企業であると認め、初めて技術を公開した。

20年前、彼女がタイヤ業界を知った頃、中国はその業種に着手したばかりであったが、中国のタイヤ業界の発展に伴い、Red Avenue New Materialsも長足の進歩を遂げたのだという。張寧は明言する。「当社は時宜にかない、私は折よく正しいレーンを選択することができたのです」。


■新材料が、より素晴らしい世界を創出
取材中、リモート画面が突然フリーズした。「強い風でも吹いているのでしょうか?」記者は冗談を言って間を取ろうとしたのだが、張寧は天気を確認しようと窓辺に向かった。そして、まじめな顔で「風はありません。空は真っ青です。北京の空気は本当にきれいになりました」と話した。長年北京で暮らしていた記者は、化学工業に従事する人間が発した言葉に揺るぎなさと誇りを感じ、強く胸を打たれた。そしてこの時、Red Avenue New Materialsが環境に優しく効率的で、持続可能な開発に資する新素材を追求してきたことを深く理解したのである。

水中の汚染物質には、タイヤの摩耗によって出た微粒子が多く含まれていて、その微粒子は自然に分解されることはない。微粒子は空中を浮遊し、人体に害を及ぼし、最後に雨や雪と一緒に地球の水循環システムに入り、水源と土壌を汚染する。
車の排気ガスには世界各国が注目し、「カーボンニュートラル」社会の確立が人類の共通認識となっている。ところが、タイヤによる環境汚染については、まだ十分に理解されていない。ゴム用添加剤に初めて着目したのも、タイヤによる環境汚染問題に最初に関心を向けたのもRed Avenue New Materialsであった。彼らは、包装などマナーの細部にまでこだわる日本は、環境保護のためのリサイクルに最も熱心な国であることを知り、大いに啓発を受けた。環境を犠牲にして、社会の発展や科学技術の進歩がもたらされてよいはずがない。この思いは、同グループが設立当初に打ち立てた「環境に配慮した開発」の理念とも完全に合致している。
中国の新材料の研究開発におけるイノベーション力は後れをとっていたため、Red Avenue New Materialsは、北京応用試験センターと上海素材研究開発センターを設立した。現在、日本の研究開発センターの設立に着手している。当センターは、日本の研究開発システムと科学研究の特質を尊重し、純粋性と専門性が確保されているという。
中国国内においては、科華微電子と北旭電子を相次ぎ買収し、強い自主研究開発力と、上流から下流まで細密化された完全な産業チェーンを有するグループ企業を徐々に形成し、中国最大の特殊ゴム用添加剤メーカー、アジア太平洋地域の主要なポリカーボネートメーカーのひとつに成長した。
材料産業は国民経済と社会建設の重要な物質的基盤である。先進国に比べて、中国の新材料産業は立ち後れていたが、中国経済と科学技術の急速な発展に伴って飛躍的成長を遂げ、中国は「新材料大国」となった。
現在、中国はタイヤ生産で世界の60%以上のシェアを誇る。「貿易戦争」やパンデミック等の困難な環境下、欧米の大国を含め、世界は中国抜きでは進めないのが現状である。対立や誤解は一時的なもので、世界は全人類共有のものであり、自然環境の保護と経済発展の維持は各国が共有すべき目標である。この考えに基づき、Red Avenue New Materialsは日本企業との協力を強化し、日本のパートナーへの更なる生産の委託を考えている。
「革新的に使命感をもって、中国の新材料産業の持続可能な発展を推進する」は単なるスローガンではない。Red Avenue New Materialsは北京大学等と協力して奨学金制度を立ち上げ、工業材料学を学ぶ学生を支援している。


■創業当初から公共福祉に取り組む
1970年代生まれの彼女は、学生時代の1989年に始まった、中国青少年発展基金会による「希望工程」プロジェクトが強く印象に残っているという。大学生の頃、貧困地域から来ていたクラスメイトの生活状況に心が痛み、働きながら学んで「希望工程」に寄付を行った。彼女は貧困地域の女子児童が教育の機会を奪われ犠牲になっている姿を見たくなかったのである。
Red Avenue New Materialsの創業当初、張寧は仲間と共に、毎年、利潤の10%を公共事業に充てることを決めた。創業3年目には、社内に公益基金会が設立された。2015年、Red Avenue Foundationは上海民政局に登記され、2020年には3A慈善団体の認証を受けた。張寧の同基金会への寄付はすでに利潤の10%を超えており、その後、家族信托基金が同基金会の大部分の運営経費を負担している。Red Avenue Foundationは張寧の三大事業のひとつとなっている。
Red Avenue New Materialsには特別な休日として「公益休暇」がある。これは法定の休日以外に設けられた休日で、公益活動に参加するためのものである。張寧は従業員に「公益休暇」を取ることを奨励し、同グループが旅費を負担し、公益活動を全力でサポートしている。
ある雲南省騰衝出身の子どもは、Red Avenue Foundationのボランティアが語ってくれた、南極を徒歩で渡った物語に心を打たれ、困難に直面する度にその物語に励まされ、ついに首都北京にやって来た。騰衝の山間地から出たことのなかった男の子は今、北京大学で学んでいる。Red Avenue Foundationが少年に夢を与えたのである。彼は、Red Avenue Foundationの「貧困学生支援プロジェクト」が救った6,114人の中の1人である。
ここ数年、Red Avenue Foundationは東南アジアとアフリカに焦点を当てているという。「われわれはもう、中国に必要とされていないのです!」。張寧の言葉に記者は戸惑った。「中国政府による貧困脱却政策が顕著な成果を収め、中国では貧困のために学べない子どもはほとんど見られなくなりました」。そこで、同基金会は国の「一帯一路」建設に足並みを揃え、東南アジアとアフリカに目を向けたのである。張寧はそう話すと会心の笑みを浮かべた。
パンデミックの長期化は各国の経済に影響を及ぼし、女性から仕事と教育機会を奪っている。Red Avenue Foundationは迅速に感染地域に駆け付け、防疫物資を寄付するとともに、上海交通大学新華医院と協力し「中西部小児専門医研修プロジェクト」を推進している。そして、アジア・アフリカ地域の第三世界の国々の学生に無償で昼食を提供し、橋を架け、井戸を掘るなどインフラ整備を行い、さらに薬物依存症治療センターを建設している。


■取材後記
取材の終盤、話題は今後の展望へと移った。張寧の答えは少し意外だった。1970年代生まれの彼女は、生産管理の仕事から少しずつ手を引き、公共福祉事業に全精力を注ぎたいと語った。科学技術の力、女性の力、公共福祉の力、模範者としての力……張寧の身には、これらすべてが集約されている。張寧の願いは、人類運命共同体の建設に身を投じることだ。

プレスリリース提供元:@Press

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