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プレスリリース

第36回日本臨床リウマチ学会において、国内初のナノボディ製剤オゾラリズマブの関節リウマチを対象とした国内第II/III相臨床試験データを発表

(@Press) 2021年12月20日(月)10時00分配信 @Press


大正製薬株式会社[本社:東京都豊島区、社長:上原 茂](以下、当社)は、2015年にAblynx社[本社:Ghent(ベルギー)](現Sanofi子会社)から導入し、当社が日本で開発を進めてきた抗TNFαナノボディ製剤「一般名:オゾラリズマブ(開発コード:TS-152)」の臨床データを、2021年12月18〜19日に富山県で開催された第36回日本臨床リウマチ学会にて発表しました。発表されたのは、関節リウマチの成人患者を対象とした第II/III相臨床試験(OHZORA試験)における24週間投与時の中間結果などです。
本発表は、関節リウマチを対象としたオゾラリズマブの第II/III相臨床試験(OHZORA試験)の最初の結果発表となります。今回の発表データは、オゾラリズマブが、メトトレキサート(MTX)による治療で効果不十分であった関節リウマチ患者に対し有用であることを示唆しています。当社は、オゾラリズマブの研究開発を通じて、関節リウマチ患者の生活の改善に貢献してまいります。
●演題1
MTX併用活動性関節リウマチ患者を対象としたオゾラリズマブの第II/III相臨床試験(OHZORA試験)の中間解析結果
OHZORA試験は、MTX治療にも関わらず活動性を有する関節リウマチの患者さん381名を対象とした無作為化プラセボ対照二重盲検試験であり、24週のプラセボ対照二重盲検期間と28週のオープンラベル期間から構成されています。本学会では24週時の中間解析結果について報告しました。
MTX併用下でオゾラリズマブ 30 mg 又は 80mg を4週間隔で皮下投与した結果、主要評価項目である投与16週時のACR20改善率では、プラセボ群では37.3%が達成したのに対し、オゾラリズマブ群の達成率は 30 mg 群では79.6%、80 mg 群では75.3% であり、オゾラリズマブ群ではいずれの投与群でもプラセボ群に対して有意な改善効果を示し、プラセボ群に対する優越性が検証されました。また、オゾラリズマブ群のACR20改善率は、いずれの投与群でも投与1週後からプラセボ群に対して有意な改善効果を示しました。
学会では、その他の副次評価項目においてもオゾラリズマブは投与後早期から良好な結果を示し、高い臨床効果が確認されたことを報告しました。
24週までの有害事象の発現率は、プラセボ群では62.7%、オゾラリズマブ 30 mg 群では76.3%、および80 mg 群では72.1%であり、最も高頻度で発現した有害事象は上咽頭炎でした。また、重篤な有害事象の発現はプラセボ群で2例、オゾラリズマブ 30 mg 群で4 例、オゾラリズマブ 80 mg 群で5 例であり、オゾラリズマブの忍容性は良好でした。
●演題2
ヒトTNF遺伝子導入(Tg197)マウスを用いたオゾラリズマブの長期有効性と既存抗TNFα抗体二次無効に対する有効性検討結果
TNF阻害剤による治療を受けている一部の関節リウマチ患者において抗薬物抗体(ADA)の産生による二次無効が生じることがあります。本学会では、オゾラリズマブの長期有効性とADA産生、既存抗TNFα抗体(アダリムマブ)の二次無効に対する有効性をTg197マウスで検討した結果を報告しました。
オゾラリズマブはTg197マウスにてADA産生を誘導せずに関節炎を顕著に抑制しました。アダリムマブに対するADAの産生が認められた二次無効モデルマウスにおいて、オゾラリズマブへの切り替えは関節炎の増悪を抑制しました。さらにアダリムマブと異なり、オゾラリズマブでは免疫原性の要因となりうる巨大な免疫複合体の形成が認められませんでした。
これらの結果から、従来のIgGと構造的に異なるオゾラリズマブは免疫原性が低く、1剤目のTNF阻害剤としてだけでなく、既存抗TNFα抗体に対する二次無効時における2剤目のTNF阻害剤としても有用であることが示唆されました。
■オゾラリズマブについて
オゾラリズマブは、Ablynx社によって開発された、二つの抗TNFαナノボディと抗血清アルブミンナノボディが融合した三量体構造のヒト化低分子抗体で、一般的なIgG抗体と比較して約1/4程度の分子量を有しています。オゾラリズマブは、2つの結合部位でTNFαに結合することで、その作用を強力に阻害します。また、血中滞留性の良い血清アルブミンと相互作用することで血中半減期を延長させ、月1回の治療を可能にしています。これらの特長から、オゾラリズマブには高い炎症組織への移行性と早期からの臨床効果が期待されています。
■ナノボディについて
ナノボディは、ラマや他のラクダ科の動物によって自然に生成される特殊なタイプの抗体に由来する分子です。ナノボディは、従来の抗体の10分の1のサイズで、従来の抗体ではアクセスできない体内の疾患標的部位にアクセスできる可能性があります。その小さくてシンプルな構造ゆえに、個別のナノボディを連結させることにより同時に複数の標的に作用できる「多価」ナノボディを創出することもできます。ナノボディは、様々な疾患において複合的な治療方法を複数の作用を有する単一薬に置き換えられる可能性を提供します。また、大規模生産により迅速に製造することも可能です。
欧米で初めて承認されたナノボディは、後天性血栓性血小板減少性紫斑病(aTTP)の治療薬としてAblynxによって開発された次世代抗体薬であるカプラシズマブです(ヨーロッパ2018年9月承認、米国2019年2月承認、国内第II/III相臨床試験実施中)。オゾラリズマブは、国内一番手のナノボディ製剤として開発されています。
『ナノボディ』はAblynx社の登録商標です。



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