• トップ
  • リリース
  • 口腔状態の悪さと風邪の引きやすさは関連している!20〜69歳男女4,491名を対象とした調査研究で明らかに

プレスリリース

  • 記事画像1
  • 記事画像2
  • 記事画像3

ライオン株式会社

口腔状態の悪さと風邪の引きやすさは関連している!20〜69歳男女4,491名を対象とした調査研究で明らかに

(@Press) 2021年12月10日(金)12時00分配信 @Press

ライオン株式会社(代表取締役社長・掬川 正純)は、20〜69歳の男女4,491名のデータをもとに、口腔状態と主観的な風邪の引きやすさの関係を統計的に分析した結果、口腔状態の悪さ(歯周病罹患や顎関節の不具合)と風邪の引きやすさの間に関係があることが示され、口腔状態の悪化が風邪の罹患率を高める可能性が示唆されました。本研究の内容は、2021年12月21日(火)〜23日(木)に開催される第80回日本公衆衛生学会総会(開催地:東京、オンライン配信)にて発表予定です。


■研究の背景
新型コロナウイルス感染症の流行により、感染症にかかりにくくするための防御機能である、身体の免疫力に対する関心が高まっています。睡眠の質の低下や食事における栄養バランスの偏り、ストレスの高さは、身体の免疫力を低下させ、風邪などの感染症を引き起こしやすくすることが知られています。一方、口腔状態は、糖尿病などの全身健康と深く関係していることも知られており、感染症に対しても、口腔粘膜は感染ルートの一つであることが示唆されています 1)。また、歯科衛生士による専門的な口腔ケアを行うことで高齢者のインフルエンザの罹患率が減少したという報告もあります 2)。しかし、歯周病など口腔の状態と感染症へのかかりやすさとの関連についての報告はこれまでにほとんどありませんでした。
そこで今回、これらの関係について、調査研究を行いました。

1) Huang N, et al., SARS-CoV-2 infection of the oral cavity and saliva, Nat Med., 2021
2) 奥田ほか、平成15年度厚生労働省老人保健健康増進等事業,口腔ケアによる気道感染予防教室の実施方法と有効性の評価に関する研究業務報告書,地域保健研究会, 2004


■研究方法
アンケートを用いて「主観的な風邪の引きやすさ」や口腔状態などを調査し、結果を統計的に分析し、口腔状態と風邪の引きやすさの関係について検討しました。
まず、「主観的な風邪の引きやすさ」を指標とすることの妥当性を確認した後、「主観的な風邪の引きやすさ」を目的変数としたロジスティック回帰分析により、口腔状態と風邪の引きやすさの関係について検討しました。

対象者 :20〜69歳の就労している男女4,491名(男性3,290名、女性1,201名、平均47歳)
時期 :2020年12月
方法 :インターネット調査
調査項目:主観的な風邪の引きやすさ、病欠日数、
睡眠・食事等の生活習慣および口腔状態に関する項目


■研究結果
1)「主観的な風邪の引きやすさ」を指標とすることについての妥当性確認
調査において風邪を引きやすいと回答した方の中で、過去3ヶ月で1日以上欠勤した人の割合は、引きにくいと回答した方と比較して1.7倍高く(p<0.01)、「主観的な風邪の引きやすさ」は客観的な病欠日数と関係があることがわかりました(図1)。
また、「主観的な風邪の引きやすさ」と、「熟眠感のなさ」や「食事のバランスの悪さ」、「気分が晴れない」ことの関係を調べました。図2に示した通り、「熟眠感がない」「食事のバランスが悪い」「気分が晴れない」については、年齢、性別で調整したオッズ比は、それぞれ、2.41、2.44、2.99(いずれもp<0.01)となり、熟眠感や食事のバランスに問題がある方や気分が晴れない方は、それらの課題がない人と比較して、風邪の引きやすい方の割合が有意に高いという結果が得られました。この結果は、これまでに報告されている研究結果と同様の関係性を示すものでした。
以上の結果から、本研究で用いる「主観的な風邪の引きやすさ」は、感染症へのかかりやすさを示す指標として妥当であることが確認できました。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/289462/LL_img_289462_1.png
図1「主観的な風邪の引きやすさ」別の「病欠有り」の割合

図2「主観的な風邪の引きやすさ」と睡眠、食事、ストレスの関係
https://www.atpress.ne.jp/releases/289462/img_289462_2.png


2)口腔状態と「主観的な風邪の引きやすさ」の関係
続いて、口腔状態に関連する項目と「主観的な風邪の引きやすさ」との関係を調べました。その結果、「口臭が気になる」「歯が痛む」「歯磨き時に出血する」「歯茎の腫れが気になる」「歯周病・歯槽膿漏の治療中である」「口の開閉時にあごが痛む」については、年齢、性別で調整したオッズ比がそれぞれ、2.29、2.33、2.20、2.49、1.62、2.49(「歯周病の治療中」のみp<0.05、その他はp<0.01)となりました(図3)。
このことから、歯みがき時の出血や歯ぐきの腫れなど歯周病が疑われる症状がある人や、あごの関節に不具合のある人は、口腔状態の良い人に比べて、風邪を引きやすいと回答する割合が有意に高いという結果が得られました。

図3 口腔状態と「主観的な風邪の引きやすさ」の関係
https://www.atpress.ne.jp/releases/289462/img_289462_3.png


■今後について
今回の調査結果から、口腔状態の悪さ(歯周病罹患や顎関節の不具合)と風邪の引きやすさの間に関係があることが示され、口腔状態の悪化が風邪の罹患率を高める可能性が示唆されました。当社は、今後も健康に寄与するより良い生活習慣の提案に向けて、研究を続けてまいります。


【第80回 日本公衆衛生学会総会】
○発表日 2021年12月21日(火)〜23日(木)
*2022年2月28日(月)までオンデマンド配信
○演題 風邪の引きやすさと口腔状態の関係
○演者 ライオン株式会社 永盛 友樹、城 隆太郎、水光 貴彦、青野 恵

プレスリリース提供元:@Press

このページの先頭へ戻る