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創造広場「アクトランド」

土佐が生んだ幕末の鬼才絵師「絵金」の作品24点を発見 高知県香南市の創造広場「アクトランド」にて初公開

(@Press) 2021年11月16日(火)09時30分配信 @Press

創造広場「アクトランド」(所在地:高知県香南市、館長:小笠原 満)ではこの度、幕末土佐で活躍した絵師金蔵、通称:絵金の描いたものではないかと思われる未確認作品24点を発見しました。そして、鑑定の結果、この作品が絵金の真作と確認されたことをお知らせいたします。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/284394/LL_img_284394_1.jpg
新しく発見された絵金の作品

この発見された作品は、石川五右衛門が主人公の浄瑠璃で、後に歌舞伎化もされた「釜淵双級巴(注1)(かまがふちふたつどもえ)」を絵金が絵馬提灯(注2)として描いたものです。
絵金筆の絵馬提灯は現存数が少なく、今回の発見で4作品目となります。
これまで確認されていた絵金筆の絵馬提灯のなかで最多の連作となります。
24点の中には、芝居の台本にない絵金の創作による場面もあり、絵金独特の視点がうかがえる貴重な作品といえます。

(注1)釜淵双級巴・・・元文2(1737)年初演の人形浄瑠璃を描いたもので、歌舞伎好きはおなじみの盗賊・石川五右衛門が主人公。五右衛門がうけた刑にちなみ、釜風呂を「五右衛門風呂」というように、処刑場面がクライマックスです。

(注2)絵馬提灯・・・芝居絵屏風と同じく神社の夏祭りの夜に飾られたもので、箱型の木枠に和紙を貼り、中に入れたろうそくの光で鑑賞します。ろうそくの揺れる光で見る絵馬提灯は、宵祭りの雰囲気をさらに盛り上げます。


■鬼才絵師・絵金とは?
絵師・金蔵(文化9〜明治9/1812〜1876)を略して絵金と呼ばれています。もとは狩野派絵師だったがのちに失脚して町絵師となり、芝居絵屏風を多数制作するようになります。当時の庶民の娯楽であった歌舞伎や浄瑠璃を題材とし、芝居の修羅の世界を極彩色で彩った芝居絵屏風は、ろうそくの揺れる光に映し出され、うごめくように息づいています。その独特の画風は「おどろおどろ」と表現され、近年の江戸絵画人気により全国的に注目され始めています。
現在でも高知県各地の神社で年に一度の夏祭りの夜に飾られ、土佐の祭礼文化を彩っています。

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/284394/LL_img_284394_2.jpg
絵金筆「伊達競阿国戯場 累」(部分)赤岡町絵金祭りにて

<高知県内の各地で行われる夏祭りにて展示される絵金の作品>

画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/284394/LL_img_284394_3.jpg
高知県内で行われる夏祭りにて展示される絵金の作品

絵金は、龍馬と並ぶ幕末土佐を代表する人物であり、年に一度、絵金の芝居絵屏風を町中に飾る「絵金祭り」(香南市赤岡町、7月第3土、日曜日開催)では、小さな町の商店街に国内外から2万人を集める祭りとなっており、高知の観光資源となっています。

<赤岡町の絵金祭りの様子>

画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/284394/LL_img_284394_4.jpg
赤岡町の絵金祭りでの展示風景

創造広場「アクトランド」では園内にある展示館の一つ「絵金派アートギャラリー」にて、この新しく発見された絵金の作品24点を一堂に展示する企画展を開催しています。


■企画展開催のお知らせ
企画展「宵を彩る絵馬提灯の世界-釜淵双級巴(かまがふちふたつどもえ)-」

画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/284394/LL_img_284394_5.jpg
企画展チラシ

<企画展概要>
開催日時:令和3年6月25日(金)〜令和4年5月29日(日)
10:00〜18:00(入館締切17:30まで)
開催場所:創造広場「アクトランド」絵金派アートギャラリー
主催 :創造広場「アクトランド」
入館料 :一般 1,000円(税込) 高校生以下 500円(税込) 小学生未満 無料

<企画展開催の背景>
2000年頃より日本美術ブームが続いています。幕末期、土佐で活躍した「絵金」も、そのブームで注目される絵師の一人。2020年に東京、大阪、山口で開催された「奇才展」では、伊藤若冲、歌川国芳、尾形光琳や円山応挙、葛飾北斎など日本を代表する絵師とともに、絵金の作品が全国巡回しました。今回の企画展では、新たに発見された絵金の作品を全国の皆様に見ていただきたく開催いたします。

<今回の企画展の要点>
・この度、絵馬提灯24枚が発見され、鑑定の結果、絵金の真作と確認されました。この新しく発見された絵馬提灯全24枚を初公開いたします。
・その24枚は、石川五右衛門が主人公の浄瑠璃で、のちに歌舞伎化もされた「釜淵双級巴」の連作です。
・芝居の台本にない絵金の創作による場面もあり、絵金独特の視点がうかがえる貴重な作品といえ、最後の24枚目は、石川五右衛門が釜煎りの刑になったその後を描いています。
・お手持ちのスマートフォンで音声解説やARでの解説も体験できます。
・展示室の照明が10分ごとに暗くなったり、明るくなったり、当時の宵祭りの雰囲気を再現します。

画像6: https://www.atpress.ne.jp/releases/284394/LL_img_284394_6.jpg
10分毎に照明が切り替わります

<様々な試み>
今回の企画展をより楽しんでいただけるよう、ARアート体験やフォトスポットを用意しました。絵金の世界をより深く楽しめるARアート体験では、スマホをかざすと画面の中にAR学芸員が登場し解説します。フォトスポットとして用意した皆様ご存じの「五右衛門風呂」は、石川五右衛門の釜煎りが由来です。展示館前にフォトスポットとして釜を用意しましたので、こちらで記念撮影ができます。

画像7: https://www.atpress.ne.jp/releases/284394/LL_img_284394_7.jpg
スマホで楽しめるAR体験とフォトスポット

■今後の展開について
高知大学教育学部の研究で、破損し大部分が失われた絵金派筆の芝居絵屏風が復元されました。
令和4年1月より、この最新研究の報告・展示を企画展とあわせて展示室内で行います。


■創造広場「アクトランド」について
「アクトランド」のアクト(ACT)とは、Art(芸術)・Culture(文化)・Technology(技術)の頭文字を並べたもので、芸術に親しみ、文化を高め、科学技術を発展させる、という想いのもと開設しました。施設内には、坂本龍馬の蝋人形館「龍馬歴史館」や、土佐の鬼才絵師・絵金らの作品を展示した「絵金派アートギャラリー」、自動車黎明期の技術が見られる「世界クラシックカー博物館」などの8つの展示館に加え、日本最小で唯一の人力観覧車など、ユニークな遊具のある無料エリアを併設。豊かな感性と創造性を育むための魅力に満ちた空間となっています。

画像8: https://www.atpress.ne.jp/releases/284394/LL_img_284394_8.jpg
創造広場「アクトランド」の所在地

プレスリリース提供元:@Press

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