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株式会社エムティーアイ

低用量ピルと血栓症に関する意識調査

(PR TIMES) 2023年08月01日(火)17時15分配信 PR TIMES

〜低用量ピルの服用経験があるユーザーの約9割が血栓症リスクについて認知〜

 (株)エムティーアイが運営する、ライフステージや悩みにあわせて女性の一生をサポートする健康情報サービス『ルナルナ』では、定期的にサービス内で様々な意識調査を行い「ルナルナ通信」として発信しています。
 Vol.61では、「低用量ピルと血栓症に関する意識調査」を行いました。低用量ピルは、PMS(月経前症候群)や生理痛をはじめとする月経困難症などの症状の緩和に有効な薬です。また、最近ではオンライン診療で受診し自宅にピルが配送されるなど、処方を受けやすい環境も整ってきています。一方で、年間1万人に3〜9人程度※1と多くはありませんが、低用量ピルの服用により血栓症を発症する可能性もあり、正しい知識を持っておくことが大切です。今回の調査では、ルナルナユーザーに、低用量ピルの服用と血栓症との関係や予防方法を知っているかなどについてたずねました。調査結果を通じて、低用量ピルの服用について正しい知識を身に付けるとともに、自身のカラダに違和感や異常が生じた際には早めに医療機関を受診することの必要性を理解して、安心して服用するきっかけにしてほしいと思います。
■ 血栓症という病気を知っている人は約9割! 病気の症状まで知っている人は5割ほど
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Q. あなたは、「血栓症(けっせんしょう)」という病気(疾患)を知っていますか?
 はじめに、血栓症という病気を知っているかを聞いてみたところ、「病気の症状まで知っている」48.9%、「病名(疾患名)だけ知っている」38.6%をあわせると、約9割の人が血栓症という病気があることを認知していることが分かります。
 月経困難症などの症状の緩和に有効な薬である低用量ピルには、特に気を付けたい副作用のひとつとして血栓症のリスクがあります。ピル服用者で血栓症を発症する人は年間1万人に3〜9人程度※1と多くはないですが、正しくリスクを理解し予防することが大切です。つぎからは低用量ピルと血栓症の関係について聞いてみました。


■ 低用量ピルの副作用としての血栓症のリスクについて、服用経験者の約9割が理解!
Q.あなたは低用量ピルの服薬経験がありますか?/Q. 低用量ピルを服用することで血栓症を発症する可能性があることを知っていますか?
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 まず、低用量ピルの服用経験があるかを聞いてみると、「ある(現在、服薬している)」29.0%、「ある(過去、服薬していたことがある)」25.0%、「ない(低用量ピルがどのような薬かは知っている)」32.8%、「ない(低用量ピルがどのようなものか知らない)」13.3%となり、回答したルナルナユーザーの5割以上に、服用経験があることが分かりました。
 つぎに、低用量ピルの服用により血栓症を発症する可能性があることを知っているかを聞いてみたところ、全体では「知っている」69.6%、「知らない」30.4%となり、約7割が知っているという結果になりました。
 さらに「知っている」と回答した人の割合を低用量ピルの服用経験の有無で見てみると、低用量ピルの服用経験がある人は、約9割が血栓症発症の可能性があることを知っているという結果となりました(「現在、服薬している」95.6%、「過去、服薬していたことがある」87.0%」)。また、服用経験がない人でも、低用量ピルについて知っている人は約6割が血栓症発症の可能性について理解しているようです(「低用量ピルがどのような薬かは知っている」56.2%、「低用量ピルがどのようなものか知らない」13.3%)。

Q. 低用量ピルの服用によって血栓症を発症する確率は低いものの、年間1万人に3〜9人とされていることを知っていますか?
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 さらに、低用量ピルの服用によって血栓症を発症する確率については、「知っている」29.5%、「知らない」70.5%となり、具体的な発症確率まで知っている人は約3割にとどまることが分かりました。
 回答者の内訳を服用経験の有無で見てみると、「知っている」と回答したのは、低用量ピルの服薬経験が「ある(現在、服薬している)」と回答した人のうちの47.8%、「ある(過去、服薬していたことがある)」では34.8%となり、「ない(低用量ピルがどのような薬かは知っている)」は19.9%、「ない(低用量ピルがどのようなものか知らない)」では3.5%となりました。服用経験があっても発症確率まで知っているのは5割未満、服用経験が無いと2割以下にとどまりました。低用量ピルの服用により、血栓症が発症する確率は年間1万人に3〜9人とあまり高くはありませんが、自身のカラダの状態を把握するために、定期的に医療機関を受診するなどしてほしいと思います。

■ 血栓症の不安から低用量ピルの服用を控えるユーザーは2割ほど。個人の体質などによって異なるため、まずは医療機関に相談を
Q. 低用量ピルの服薬経験が「ない」と答えた方にお聞きします。低用量ピルの服薬を今後検討されていますか?
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 また、服用経験がないと回答した人のうち、今後服用を検討しているかを聞いてみたところ、「服薬を検討している」16.9%、「今のところ服薬の予定はない」69.7%となり、約7割は今後も服用を検討していないようです。
 その理由を聞いてみると、「血栓症以外の理由で服薬をしていない」62.1%、「血栓症のリスクを知って、不安になったため」20.8%、「自身が血栓症リスクが高い状態があるのを知っているので」7.2%、「医師からの血栓症リスクの指摘があったため」4.5%となりました。
 自身に血栓症のリスクがあることを確認した上で服用を控えているのは約1割となり、服用による血栓症のリスクに不安を感じて服用を控えている人が約2割いることが分かります。血栓症のリスクが生じるかは生活習慣や体質など、一人ひとり異なります。低用量ピルにはPMSや月経困難症などの症状を緩和してくれるなどの副効用もあるため、服用をしてみたいけれど不安がある場合は、一人で抱えずにまずは医師に相談して自身の体質などを理解した上で服用を検討してほしいと思います。

■ 血栓症にならないために普段から気を付けることの認知度は、1位「水分補給」2位「禁煙」に! 血栓症を疑う症状として認知されているのは「手足のまひやしびれ」が最多
Q. 低用量ピルを服薬したいと思った際に、血栓症にならないように気をつけるべきこととして当てはまると思うものをすべて選択してください。(複数回答)
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 続いて、血栓症にならないよう気を付けるべきことは何かを聞いてみると、回答が多い順に、「水分を取る」69.4%、「禁煙」60.7%、「運動の実施」58.1%となりました。ほかにも、「食事改善」49.0%や「ストレス軽減」40.4%も半数近くの人が答えており、自由回答では、「座り仕事のため、仕事中定期的に立ち上がる」、「座りっぱなしにしないで、足の指を上下したり動かす」といった同じ姿勢で長時間いないことや、「定期的に採血検査を受ける」など定期的に病院を受診するという回答も目立ちました。
 約7割の人が回答している水分補給に加え、正しい食生活や運動などで、血液と血管、血流を正常に保つことが大事です※2。意識して水分をとったり、仕事中も軽くストレッチをするなど、日ごろからこころがけることが大切です。

Q. 「血栓症」は突然発症するため、早期発見および迅速な医療機関への受診が大切です。「血栓症」を疑う症状として、当てはまるものをすべて選択してください。(複数回答)
 では、血栓症を疑う症状についてどのくらい認知されているのでしょうか。もっとも認知率が高かったのは「手足のまひやしびれ」75.4%、「しゃべりにくい」55.5%、「片方の足の急激な痛みや腫れ」50.9%、「胸の痛み」47.2%、「呼吸困難」44.9%となり、このような症状はいずれも血栓症の初期症状で、早期発見のポイントとなります。また、自由回答には「激しい頭痛」といった声も目立ちました。人によってあらわれる症状が異なる可能性もあるため、普段と違う症状が出た場合や違和感がある際は、できるだけ早めにかかりつけ医に相談や医療機関を受診することをおすすめします。

■ 低用量ピルの服用にあたって、喫煙が影響を及ぼす可能性については広く認知されている
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Q. 血栓症のリスクが高く、「低用量ピル」の服薬が禁止(絶対禁忌)とされている人の特徴として、当てはまると思うものすべて選択してください。(複数回答)
 絶対禁忌とは、ある医薬品の服用により、容認できない健康上のリスクが生じるため、当該医薬品を使用してはいけない患者を指します。
 そこで、低用量ピルの服用が禁止されている人の特徴として知っているものを聞いたところ、「35歳以上で1日15本以上タバコを吸う人」と「血栓症に関連する病気にかかったことがある人」はそれぞれ、68.2%、68.0%となり、約7割の人に認知されていることが分かりました。また「重度の高血圧の人」は58.9%で約6割の人が知っているという結果になりました。これ以外の選択肢については、回答が多い順に「50歳以上、もしくは閉経している人」38.7%、「重度の肝障害のある人」34.0%、「前兆を伴う片頭痛のある人」29.3%、「乳がんにかかっている人」21.7%となりました。


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Q. 血栓症のリスクが高く、「低用量ピル」の服用にあたり注意が必要(相対的禁忌)とされている人の特徴として、当てはまると思うものすべて選択してください。(複数回答)
 相対的禁忌とは、ある医薬品服用にあたり、慎重な判断を要する患者を指します。
 ここでは、低用量ピルの服用にあたり注意が必要な人の特徴として知っているものを聞いたところ、回答が多い順に「喫煙者」73.5%、「肥満の人(BMIが30以上)」57.6%、「家族が血栓症に関連する病気や乳がんにかかったことがある人」52.7%、「糖尿病や脂質異常症などにかかっている人」48.8%、「軽度の高血圧の人(妊娠中の高血圧の既往も含む)」45.0%、「40歳以上の人」42.5%、「長時間の不動が想定される人(入院・デスクワークなど)」30.9%、「授乳中の人」28.3%、「前兆のない片頭痛のある人」27.4%となりました。
 今回、絶対禁忌、相対的禁忌で挙げた選択肢は全てそれぞれの主な特徴とされているものです。なかでも、絶対禁忌の特徴と同様に、相対的禁忌の特徴としても約7割が喫煙者を挙げるなど、低用量ピルの服用にあたって喫煙が影響を及ぼす可能性については広く認知されているようです。
 また、自由回答で「自分のリスクがどのくらいか、リスク回避のため何ができるのか知りたい」などの声も上がりました。今回の選択肢は主な特徴であることを理解して、これらに該当しなくても、これから服用を考えている人は、自己判断せずにまずは医療機関を受診してほしいと思います。

■ 実際に血栓症が疑われる症状があらわれたのは1割未満で、初期症状は「手足のまひやしびれ」が最も多く
Q. 「低用量ピル」を実際に服薬している・服薬していたと答えた方にお聞きします。服薬期間中に、血栓症の症状があらわれたことはありますか?
 低用量ピルを服用している・していた人に、服用期間中に血栓症が疑われる症状があらわれたことがあるかを聞いたところ、「ある」7.6%、「ない」92.4%となり、症状があらわれたのは1割未満であることが分かりました。

Q. 「血栓症」の症状があらわれたことがあるという人にお聞きします。低用量ピルを服薬してから、どの程度でその症状があらわれましたか?
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 続いて、低用量ピルを服用してからどのくらいの期間で症状があらわれたのかを聞いたところ、回答が多い順に「1カ月未満」29.4%、「1カ月以上〜3カ月未満」28.6%、「1年以上」20.2%、「6カ月以上〜1年未満」9.2%、「3カ月以上〜6カ月未満」7.6%、「覚えていない」5.0%となり、約6割が3カ月未満で症状があらわれたという結果になりました。
 さらにどのような初期症状があったのかを聞いたところ(複数回答)、回答が多い順に「手足のまひやしびれ」40.0%、「片方の足の急激な痛みや腫れ」35.0%、「胸の痛み」22.5%、となりました。約4割が「手足のまひやしびれ」、「片方の足の急激な痛みや腫れ」について挙げていますが、その他の症状があらわれている人もおり、人によってあらわれる初期症状は異なるので、日頃から自身の状態を確認し、異常や違和感に早めに気づけるようにしてほしいと思います。

■ 血栓症が疑われる症状があらわれた際に医療機関に相談・受診した人は7割以上。受診しなかった約3割の人の理由は「ピルが原因か分からなかったから」
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Q. 血栓症の症状があらわれた際に、どのような対応をとりましたか?
 血栓症が疑われる症状があらわれた際の対応について聞いてみると、「処方を受けている医療機関(医師)に相談した」51.3%、「処方を受けている医療機関とは、別の医療機関を受診した」19.3%となり、医療機関を受診したのが7割以上となる一方で、「特に何もしなかった」16.0%、「自己判断で服薬を中断した」7.6%、「その他」5.9%となり、医療機関を受診しなかった人が約3割いることも分かりました。




Q. 「医療機関へ相談しなかった」という方にお聞きします。その理由について、教えてください。(複数回答)
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 医療機関を受診しなかった人にその理由を聞いてみたところ、回答が多い順に、「ピルが原因かわからず、様子を見た」52.9%、「一時的なもので治ると思っていた」29.4%、「時間が経って症状が落ち着いたから」26.5%、「忙しくて時間が取れなかった」26.5%となるなど、緊急性のある症状だとは思っていなかったことがうかがえます。
 また、医療機関を受診せずにどのような対応をしたかを聞いたところ、回答が多い順に「特に対応はしていない(服薬を継続)」52.9%、「自身の判断で服薬中止」38.2%、「自身の判断で服薬休止後、服薬を再開した」8.8%となりました。
 血栓症を疑われる症状やその他の副反応が出た場合も、自己判断で継続や中断・服用の再開をするのではなく、早めにかかりつけ医に相談したり医療機関を受診してほしいと思います。


≪千葉大学大学院医学研究院生殖医学 教授 甲賀かをり先生からのコメント≫
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 低用量ピルには、PMS(月経前症候群)や月経困難症を緩和する副効用があります。一方、血栓症などの副作用を不安に感じている方も多いと思います。たしかに、低用量ピルには血栓症を起こすリスクはありますが、その確率は1年間で1,000人に1人以下、一般の方が妊娠中や分娩後に血栓を起こす確率より低いです。婦人科医と相談しながら、日常生活で予防を心掛ければ、さらにその確率は下げられ、また万一発症しても早期に対処できれば、生死に関わる問題は回避できます。大切なのはむやみに副作用を恐れず、正しくリスクを理解すること。普段から自分のカラダの状態を観察し、異変を感じたら自己判断せず、すぐに医師に相談できるよう、かかりつけの婦人科をつくっておくことをおすすめします。

 今後も『ルナルナ』は、サービス提供を通じ婦人科医療へのアクセシビリティ向上を図ると共に、「FEMCATION(R)(フェムケーション)※3」を通じて、年齢や性別を問わず誰もが、女性のカラダやココロについて正しく学べる機会を創出し、あらゆる女性たちが、より生きやすく、暮らしやすく、働きやすい社会の実現の一助となることを目指します。

調査実施時期:2023年6月23日(金)〜2023年6月28日(水)  
調査方法および人数:『ルナルナ』、『ルナルナ 体温ノート』にて調査 有効回答数:10〜50 代以上の女性:3,144名

※1:公益社団法人 日本産科婦人科学会 低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤ガイドライン(案) P73 https://www.jsog.or.jp/news/pdf/CQ30-31.pdf
※2:一般社団法人 日本血栓止血学会 血栓症ガイドブックP3
http://www.jsth.org/wordpress/wp-content/uploads/2015/05/%E8%A1%80%E6%A0%93%E7%97%87%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF.pdf
※3:「FEMCATION(R)」はFEMALE(女性)とEDUCATION(教育)を掛け合わせた造語です。

[画像12: https://prtimes.jp/i/2943/1121/resize/d2943-1121-c79e1bdec3354cb146a7-12.png ]

[表: https://prtimes.jp/data/corp/2943/table/1121_1_db03be5bd3001e3cdefc6381a0959e08.jpg ]

※『ルナルナ』「FEMCATION(R)」は(株)エムティーアイの登録商標です。



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