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ポーラ化成、先端技術「マイクロバイオプシー」を肌内部の評価に活用

(PR TIMES) 2023年12月13日(水)15時45分配信 PR TIMES

イギリスと日本で大規模な肌評価試験を開始

 ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業株式会社(本社:神奈川県横浜市、社長:片桐崇行)のフロンティアリサーチセンターは、イギリスのハル・ヨーク医科大学(Hull York Medical School)スキンリサーチセンターの研究チームおよび日本医科大学医学部皮膚科学教授の船坂陽子(ふなさか ようこ)医師それぞれと共同で肌内部の評価が可能なマイクロバイオプシー(Microbiopsy、補足資料1)を用いた試験を開始しました。
最先端の微小皮膚採取技術、マイクロバイオプシーを使用した研究について


 これまでシミやシワなどのメカニズムを調べる研究では、皮膚を模したモデルや侵襲性の大きい採取技術(パンチバイオプシー)が使われてきました。しかし皮膚モデルは皮膚の代表的な細胞からのみ構成され、血管や神経等その他の器官の影響を含めた複雑な生体反応は反映されません。生体の反応をより正確に知るには生身のヒトの皮膚を採取して調べることが望ましいものの、従来のパンチバイオプシーは人体への負担が大きいことが課題で、化粧品の皮膚研究ではほとんど実践されていませんでした。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/92303/65/92303-65-af654f917ca54540d696c861f095d444-2220x1734.jpg ]

 一方で近年、人体への負担が極めて小さい採取技術「マイクロバイオプシー(図1)」がTarl Prow(タール プロウ)教授(現在、ハル・ヨーク医科大学のスキンリサーチセンターに所属)によって開発されました。これは、注射針よりはるかに細い針で、目的の部位の皮膚からピンポイントにごく少量の細胞を採取する手法です。
 これにより、シミやシワなどの肌トラブルについて、生体での反応をより正確に・より的確に・経時的に繰り返し評価することが可能になります。


マイクロバイオプシーの権威ハル・ヨーク医科大学および医療・化粧品の両面に精通した船坂陽子医師と共同でイギリスと日本での大規模な肌評価試験を実施


ポーラ化成工業は、イギリスと日本のそれぞれで、マイクロバイオプシーを用い、化粧品成分を塗布した皮膚の変化を追う試験を実施します。これらの試験で得られる膨大なデータを用い、一連の細胞活動の変遷や個人差などを多角的に分析する考えです。またイギリスと日本で生物学的に異なるルーツを持つ方を対象にすることで、肌トラブルを引き起こす要因について遺伝的な要因を含む個人毎の差を解明し、個々人に合わせた効果的な改善策の提案を目指します。
 イギリスでは、マイクロバイオプシーの第一人者Tarl Prow教授をはじめとするハル・ヨーク医科大学スキンリサーチセンターの研究チームと、そして日本では、医療・化粧品の両面で皮膚に精通されている日本医科大学の船坂陽子医師とそれぞれタッグを組みます(各共同研究先の情報:補足資料2)。

<ハル・ヨーク医科大学スキンリサーチセンターのTarl Prow教授からのコメント>
 マイクロバイオプシーは、従来の皮膚採取技術よりも痛みが少なく、低侵襲で傷跡を残さないため、経時的な皮膚の変化を捉える理想的な方法です。ポーラ化成工業の試みによって経時的な皮膚状態の変化について新たな知見が得られることを期待しています。

<日本医科大学の船坂陽子医師からのコメント>
さまざまな薬剤の効果を経時的に追跡することは臨床研究においても非常に重要であり、今回の取り組みで皮膚の状態変化をより正確に捉えられることが期待されます。


【補足資料1】 マイクロバイオプシーとは
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/92303/65/92303-65-e63944f3f66fac6f0696f4fe99182fcb-2024x1860.jpg ]

 マイクロバイオプシーは、注射針よりも細い針により、皮膚からごく少量の細胞を採取する手法です(図2)。極めて低侵襲で傷が小さいため従来技術(※1)より治りが早く、時間をずらして採取し肌状態の変化を追うことも可能になりました。極小の採取面積で特定の部位だけ的確に得られることもメリットです。また、皮膚の細胞そのものが得られるので、DNAやRNA、タンパク質など多くの観点で分析することができ、より正確な皮膚内の状態・変化の把握につながります。
 なお、マイクロバイオプシーの技術は、現在ハル・ヨーク医科大学のスキンリサーチセンターに所属するTarl Prow教授の主導により2013年に開発されました。

※1 パンチバイオプシー: 局所麻酔を行なった後に直径2〜4 mmの円柱状の筒で皮膚をくり抜く手法。


【補足資料2】 共同研究先について

ハル・ヨーク医科大学スキンリサーチセンター
 ハル・ヨーク医科大学(※2)は、イギリスの国営医療制度や地域医療従事者の協力のもと、卓越した医学教育を提供し優れた臨床医師や医師助手を輩出しています。人材育成にとどまらず、がんや緩和医療、メンタルヘルス、公衆衛生分野をはじめ研究活動にも積極的で、地域患者の生活向上や国内外の健康問題に取り組んできました。
 同医科大学に 最近設立されたスキンリサーチセンターでは、皮膚の健康増進を目的として科学者や医師等の専門家が集まり、基礎研究から臨床開発までの研究を一貫して行っています。同センターは、皮膚バイオマーカーの効率的な探索や微小皮膚採取技術の改良、最先端の医用画像解析技術の開発を通じて科学の発展に貢献することを目指しています。また皮膚に関する橋渡し研究の次世代リーダー育成や産学連携の促進によって、患者の治療、生活の質の向上、皮膚の健康と疾患についての新しい知識の創出にも努めています。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/92303/65/92303-65-6ca9379618b78ad5267b6456a0cd1a88-739x676.png ]

[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/92303/65/92303-65-8381568a2465ed3f45760128e257ec31-896x1105.jpg ]

※2 ヨーク大学とハル大学の提携により設立された医科大学

<ハル・ヨーク医科大学スキンリサーチセンター> https://www.hyms.ac.uk/research/research-centres-and-groups/skin-research-centre



本医科大学医学部皮膚科学教授・船坂陽子医師
 船坂陽子医師は神戸大学医学部卒業後、皮膚科での臨床をしながら国内外の大学・大学院に所属し研究活動に邁進してきました。2014年以降は日本医科大学医学部皮膚科学教授として同大学の美容皮膚外来を牽引し、科学的根拠に基づく的確な治療で高い評価を得ています。臨床においてはシミに効くハイドロキノンや美肌効果のあるケミカルピーリングの第一人者として知られ、専門医の育成活動にも注力しています。研究者としても分子生物学的な基礎研究から治療につながる応用研究まで幅広く活躍されています。
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/92303/65/92303-65-567e540c48f9ac1b5d9a179989202f04-2639x2225.jpg ]



プレスリリース提供:PR TIMES

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