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ポーラ・オルビスHD

真皮にたまったメラニンがくすみ肌の原因に

(PR TIMES) 2023年11月27日(月)13時45分配信 PR TIMES

生体の掃除屋マクロファージのメラニン分解作用に着目

オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業株式会社(本社:神奈川県横浜市、社長:片桐崇行)は、真皮メラニンと肌のくすみの関係を研究し、以下の2つを発見しました。

1.真皮にメラニンが蓄積していると肌がくすんで見える傾向があること
2.植物エキスの混合物によってマクロファージによるメラニン分解作用が促進されること

なお、本研究成果の一部は2023年8月に開催された第41回 日本美容皮膚科学会総会・学術大会でも発表されました。ポーラ化成工業では本知見をもとに、表皮にとどまらず真皮も含めた肌のくすみへの総合的なアプローチの提案に向けて検討を始めます。
真皮メラニンの蓄積により肌がくすんで見える


 肌の「くすみ」とは、一般に肌の明るさが低下した状態とされています。これまで、くすみの原因解明では主に表皮が研究対象とされ、中でもメラニン色素の過剰生成の影響がよく報告されてきました(※1)。一方、より深い部分にある真皮については、表皮から落ち込んだメラニンの存在が知られているものの、生体を傷つけずに真皮中のメラニンを観察することは難しく、くすみとの関係性は分かっていませんでした。
 本研究では新たに光音響法(補足資料1)を用いて真皮中のメラニンを可視化しました。この方法で分析した結果、くすみのある肌では真皮メラニンが多く、肌のくすみには真皮メラニンの影響も無視できないことを明らかにしました(図1、補足資料2)。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/92303/53/92303-53-47c2182bce4701a461505b8c9d3579c0-2847x2004.jpg ]

※1 メラニン色素は表皮中の色素細胞(メラノサイト)で作られる。紫外線や物理的刺激などにより過剰に生成される。

真皮メラニンを分解するマクロファージに着目


 真皮にメラニンが蓄積している肌では、メラニンの落ち込みが多く、分解が追いついていないと考えられます。そこで、改善方策の検討において、免疫細胞の一種であるマクロファージに着目しました(図2)。マクロファージはダメージを受けた組織や細胞、雑菌などの異物を貪食(※2)する役割を持ち、メラニンも取り込むことが報告されています。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/92303/53/92303-53-048a27cd24c7662f79706cf0567b6816-2146x1437.jpg ]

※2 細胞が不要なものを自らの中に取り込み、分解すること。食べる様子に似ていることから「貪食」と表現される。

植物エキス混合物がマクロファージのメラニン分解を促進


 培養マクロファージを用いた実験により、センブリエキスとショウブ根エキスの混合物にメラニン分解の促進効果を見出しました(補足資料3)。本知見により、表皮だけでなく真皮にもアプローチする総合的なくすみ対策が可能になりました。


【補足資料1】 光音響法の原理と測定方法


 メラニン色素は表皮の色素細胞で作られ、一般的に表皮に存在します。しかし一部は表皮よりも深い真皮へ落ち込むことがあります。近年まで肌を傷つけずに肌深部のメラニンを高精度に観察する技術はなく、真皮中のメラニンの量や分布を分析することは困難でした。
近年開発された光音響法では、メラニンなどの構成物が特定の波長の光を吸収し超音波を発することを利用して肌内部を観察できます(図3)。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/92303/53/92303-53-67ffa3a3e91142bd482517d1cdb7e28b-1398x1336.jpg ]

 肌の構成物に特異的な光と伝搬性に優れる超音波を組み合わせて用いるため、光のみを用いるより肌の奥深くを非侵襲的かつ高感度で計測でき、さまざまな皮膚研究(※3)での活用が進められています。本研究では、真皮メラニンと肌のくすみの関係性を初めて明らかにすることができました。

※3 参考リリース: 「第31回国際化粧品技術者会連盟世界大会にて「肌をありのままとらえ、解析する『ダブルアライブ計測』について発表」 (2020年10月16日) http://www.pola-rm.co.jp/pdf/release_20201016_04.pdf 

【補足資料2】 真皮メラニン量が多いほど肌がくすんで見える傾向を確認


 20歳から69歳までの女性80名にご協力いただき、光音響法を用いて頬部位の真皮のメラニンを定量し、同じ部位のL*値との関係性を調べました。その結果、真皮のメラニン量が多いほど肌がくすんでいる(L*値が低い)傾向が明らかになり、真皮中のメラニンの蓄積が肌のくすみに影響することが定量的に示されました(図4)。

[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/92303/53/92303-53-57de57a8d555a4943c0326d66e53f451-2636x1698.jpg ]


【補足資料3】 マクロファージのメラニン分解作用を促進するエキスの探索


 マクロファージのメラニン分解を促進する成分を探索するにあたり、まずメラニン分解を評価する試験系を構築しました。本評価系では、メラニンおよびエキスの存在下でマクロファージを培養し、マクロファージに分解されず残ったメラニンの量を測定します。
 センブリエキスとショウブ根エキスの混合物を培地に添加すると無添加時に比べてメラニン量が少なくなったことから、エキス添加によりマクロファージのメラニンを取り込み分解するはたらきが促進されたことが示されました(図5)。
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/92303/53/92303-53-f0195ebcc64b4becf3d6f5092980b1b1-2562x2045.jpg ]



プレスリリース提供:PR TIMES

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