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日本板硝子株式会社

脱炭素社会を背景に伸びる複合材市場に新たなソリューション高弾性・高強度ガラスファイバー「MAGNAVI(R)(マグナビ)」 を新開発

(PR TIMES) 2022年02月02日(水)18時45分配信 PR TIMES

日本板硝子株式会社(本社:東京都港区、代表執行役社長兼CEO:森 重樹、以下「NSG」)は、耐熱性、電波透過性等のガラスファイバーの特性はそのままに、剛性と強度をさらに高めた新たなFRP・FRTP(繊維強化プラスチック)用補強材※1として、高弾性・高強度ガラスファイバー「MAGNAVI(R)」を開発しました。エネルギー消費量の軽減を目的に、産業製品部材の軽量化、薄型化ニーズが高まっています。それらを背景に進む複合素材※2への材料転換の動きに対して「MAGNAVI(R)」 は、従来のガラスファイバーやカーボンファイバーでは対応の難しい分野にワンランク上のソリューション提供を目指します。既にサンプルワークを開始し、2022年下期より、津事業所(三重県)での生産体制を整備し、順次販売を拡大していく予定です。
[開発背景]
 近年の脱炭素の流れを受け、エネルギー消費量の軽減に向けた軽量化、薄型化ニーズの高まりにより、FRP・FRTPなどの複合材料を金属の代替として産業製品部材に採用するケースが増えています。複合素材の機械特性※3を高める代表的な補強材としては、カーボンファイバーがありますが、電波透過性やコスト面、黒い色調といった点が一部の用途に適さないという課題がありました。また、同様に補強材として利用されてきたガラスファイバーは、電波透過性などの点で優位性はあるものの、強度や剛性の面でカーボンファイバーに劣ることから、使用用途の拡大が進むFRP・FRTPの分野で、これらに代わる新たな補強材の開発が求められてきました。

[製品特徴]
[画像1: https://prtimes.jp/i/54570/42/resize/d54570-42-3ca7c93dd1ee239a82fa-0.png ]


「MAGNAVI(R)」は、ガラス本来の特性とカーボンファイバーに優る耐衝撃性能を有しながらも、カーボンファイバーよりも低価格で、ニュートラル色調のため、従来のカーボンファイバーでは対応が難しかったエレクトロニクスの分野や再生エネルギー関連分野をはじめとする多方面での用途展開が可能となります。また、ガラスファイバーは、生産時に希土類元素(レアアース)を使用し、その弾性を高めることがありますが、「MAGNAVI(R)」は、レアアースを一切使わないことで、環境負荷の低減し、また原料調達リスクの回避を実現しています。さらに「MAGNAVI(R)」は、生産時のエネルギー使用・CO2排出量の削減も行うことで、環境配慮型製品として、脱炭素社会の実現にも貢献します。製品の詳細は参考情報(PDF)をご覧ください。
                                                 以上

[ MAGNAVI(R)の製品特性]
■Eガラス(従来のFRP・FRTP用ガラスファイバー)との性能比較
MAGNAVI(R)は汎用のEガラスに比べて優れた引張弾性率、引張強度を示します。
また、同様に複合材料の補強材として使用されるカーボンファイバーやアラミド繊維と比較して極めて高い耐熱性を持ちます。
[画像2: https://prtimes.jp/i/54570/42/resize/d54570-42-7d93ec8acd6cf8682786-6.png ]



■Eガラスとカーボンファイバーを添加した場合との複合部材物性比較
複合部材にそれぞれの補強材を添加したところ、MAGNAVI(R)は強度や耐衝撃性を高め、部材の機械性能を飛躍的に向上させました。
[画像3: https://prtimes.jp/i/54570/42/resize/d54570-42-994f8b08eaaccfe082b5-5.png ]



(いずれもPA66に20%添加した場合。Eガラス成型品物性を100として、表示。なお、本データは保証値ではございません)

[MAGNAVI(R)の製品特性を活かした用途例]
[画像4: https://prtimes.jp/i/54570/42/resize/d54570-42-d3d0b78de929103f64e4-3.png ]


・ 低誘電率※8・電波透過性×高強度
ガラスファイバー特有の電気絶縁性と、従来のガラスファイバーから改善した高い機械特性により、エレクトロニクスの分野を始めとし、絶縁性と高強度が求められる様々な用途に使用可能です。
[使用例] レドーム / 電子機器向けUD部材 / 電力機器向けの軽量・高強度・絶縁素 / 中〜大型ドローン分野でのGFRP筐体(Central Plateを含む)

・高弾性・高強度・耐衝撃×ニュートラル色×低価格
カーボンファイバーに対して弾性率は若干劣るものの、カーボンファイバーを凌ぐ高い衝撃性と色の選択性、そして比較的安価であることから、カーボンファイバーの代替として、より汎用的な用途に使用いただけます。
[使用例] エアボンベ / 高圧ガス容器 / FCV向け水素タンク / 航空機内装材:床材、貨物室壁材

・高強度・高弾性×電気絶縁性×耐食性
高圧送電分野の碍子(ガイシ)は、磁器製から樹脂製のものに置き換わりつつあります。これらの用途は軽量・高強度・絶縁性の要求が高く、カーボンファイバーは使用できず、かつ酸性雰囲気での脆性破壊しない耐酸性が要求されます。これらの用途にもMAGNAVI(R)は好適です。
[使用例]  ポリマー碍子 / GFRPワイヤ・コンポーズ

[用語説明]
※1 補強材:部材の強度、剛性などを高めるために付加・付与する材料のこと。
※2 複合素材:2種類以上の異なる素材を組み合わせ、単一の素材よりも強度や耐熱性などを向上させた素材の  
   こと。ガラス繊維強化プラスチック(ガラス繊維などを加えたプラスチック)などが代表例。
※3 機械特性:材料が持つ力学的特性の総称。材料が引張り・圧縮・せん断などの外力に対してどの程度の耐久  
   性を持つかなどの諸性質。
※4 引張弾性率:材料に外力を与えた際の変形のしにくさを表す物性値。
※5 引張強度:材料が引っ張られた際の力に対して示す、材料が有する最大強度のこと。
※6 曲げ強度:材料を曲げた際に破壊に至るまでの最大荷重を基に算出した曲げに対する応力のこと。
※7 シャルビー衝撃強さ:シャルピー衝撃試験機を使用し、衝撃を受けた際に材料がどれだけ衝撃力を吸収でき
   るかを数値化したもの。耐衝撃性。
※8 低誘電率:誘電率とは、絶縁性物質が電場を与えられた際の誘電分極のしやすさを表した値。

NSGグループ(日本板硝子株式会社およびそのグループ会社)について
NSGグループは、建築および自動車用ガラスとクリエイティブ・テクノロジー分野で事業を展開する世界最大のガラスメーカーのひとつです。
建築用ガラス事業は、各種建築用ガラス、太陽電池パネル用ガラス等を製造・販売しています。
自動車用ガラス事業は、新車用(OE)ガラスや補修用(AGR)ガラスの分野で事業を展開しています。
クリエイティブ・テクノロジー事業の主要製品は、プリンターやスキャナーに用いられるレンズや、タイミングベルトの補強材であるグラスコードやガラスフレークを中心とする特殊ガラス繊維です。
コーポレートサイトURL https://www.nsg.co.jp

NSGグループが掲げる「中期ビジョン」
NSGグループは、「中期ビジョン」として「高付加価値の『ガラス製品とサービス』で社会に貢献するグローバル・ガラスメーカーとなる」ことを掲げ、貢献したい3分野として「快適空間の創造」、「地球環境保護」、「情報通信分野」を定義しています。グループが持つ要素技術、生産技術をベースに、「中期ビジョン」実現を目指してまいります。
* 中期経営計画「リバイバル計画24 (RP24)」説明資料
https://www.nsg.co.jp/-/media/nsg-jp/ir/ir-presentations/mtprp24presentation2021_j01.pdf

<お問い合わせ>
(報道関係等)      広報部   Tel:03-5443-0100
(製品のお問合せ)    事業開発統括部    Tel:059-238-1125
※NSGウェブサイト(https://www.nsg.co.jp/ja-jp/contact-us)からもお問い合わせが可能です。



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