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サノフィ株式会社

成人のアトピー性皮膚炎患者さんを対象とした「アトピー性皮膚炎の治療実態調査」結果発表

(PR TIMES) 2023年09月12日(火)15時15分配信 PR TIMES

約7割の中等症以上のアトピー性皮膚炎患者さんがアトピー性皮膚炎の原因物質を標的とした新しい治療法を知らないことが判明

サノフィ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:岩屋孝彦)は、アトピー性皮膚炎患者さんの疾患に対する認識、治療実態、および分子標的薬を含む治療に対する認知や考えについて理解を深めることを目的として、20代から60代の男女500名のアトピー性皮膚炎患者さんを対象に「アトピー性皮膚炎の治療実態調査」を実施しました。

2018年に日本で初めてアトピー性皮膚炎に適応の分子標的薬が登場してからこの5年の間に、アトピー性皮膚炎治療の選択肢は広がっています。一方で、今回の調査の結果、中等症以上の患者さんの約7割が「アトピー性皮膚炎の原因物質を標的とした新しい治療法があること」を知らないと回答しています。また、患者さんの約7割はアトピー性皮膚炎を「症状がくりかえす病気」と回答しており、「よい状態をキープできる病気」とは考えていないことが明らかになりました。このことから、中等症以上の患者さんに対しても、いまだアトピー性皮膚炎の治療環境が大きく変わっている情報が行き届いておらず、治療を諦めてしまっている方も少なくない実態が浮かびあがりました。
アトピー性皮膚炎は長期寛解維持を目指せる時代となっています。一人ひとりの患者さんが、それぞれ最適な治療方法に巡り合い、症状がないか、あっても軽微で日常生活に支障がない状態を目指せるよう、サノフィ株式会社ではこれからもアレルギー疾患関連の総合情報サイト「アレルギーi」やLINE公式アカウント「myアトピー」を通じ、アトピー性皮膚炎の最新状況を交えた疾患啓発に努めてまいります。

主な調査結果は以下の通りです。
調査トピックス


1. 中等症以上の患者さんの69.0%がアトピー性皮膚炎の原因物質を標的とした新しい治療法があることを知らない
2. アトピー性皮膚炎は「症状がくりかえす病気」と考えている患者さんが71.2%
3. 中等症以上の患者さんの半数以上が医師の指示がでていない段階で自身の判断で治療をやめてしまった経験がある
4. アトピー性皮膚炎治療の目標(ゴール)をもっている患者さんは57.2%。一方で約9割の患者さんが医師と治療目標を相談していない
5. 治療目標(ゴール)をもっている患者さんの治療目標は、「全く症状がでなくなること(41.3%)」より「症状はでるが、日常生活に支障がないこと(43.0%)」が多くなる結果
6. アトピー性皮膚炎の情報で困っていることで多い回答は、「信頼できる情報とそうでない情報の区別がつかない(41.4%)」、「自分にとって必要な情報か、判断がつかない(39.2%)」、「新しい情報と古い情報が混ざっている(29.6%)」

調査結果を受けて、専門医からのコメント


獨協医科大学皮膚科学講座主任教授 井川健先生
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/97089/17/97089-17-83c029b6c34d1d4a056685a248deddfe-3900x3900.jpg ]

1995年 東京医科歯科大学医学部卒。1998年 ボン大学(ドイツ)に留学。東京医科歯科大学、東京都立墨東病院、大阪大学での勤務の後、2017年より獨協医科大学皮膚科主任教授に就任。1999年 東京医科歯科大学大学院卒業(医学博士)、東京都立墨東病院皮膚科医員、東京医科歯科大学皮膚科学分野助手、2006年 同講師2009年 大阪大学皮膚科学講座講師、2012年 東京医科歯科大学皮膚科 講師、2015年准教授を経て2017年より現職。2018年からは、獨協医科大学アレルギーセンター 副センター長を兼任。栃木県で唯一のアレルギー専門医(皮膚科)研修施設であることを意識し、アトピー性皮膚炎や蕁麻疹をはじめとしたアレルギー疾患の診療にも力を入れている。

今回の調査で、中等症以上のアトピー性皮膚炎患者さんでも「アトピー性皮膚炎の原因物質を標的とした新しい治療法がある」ことを知らない方が69.0%(Q1参照)という結果でした。
アトピー性皮膚炎の治療環境が変わってきたのはここ4〜5年の話で、他の疾患では類を見ないほどの勢いで変化している印象があります。変化がない時期がとても長かったので、患者さんがご存知ないというのも当然の結果と言えます。

治療の目標(ゴール)をもっている方が57.2%という結果は思っていたよりも多い印象です。その結果自体は良いのですが、「患者さんが医師と相談せずに治療目標を設定している」、「治療目標をもっていない」ということ(Q4参照)は課題と感じました。本来、アトピー性皮膚炎のような慢性疾患は医師側から短期・長期目標を示せるのが理想と考えるためです。アトピー性皮膚炎治療の基本である外用剤に加え、分子標的薬などの治療選択肢も増えてきた現在では、早い段階で良い状態に到達し、それを保ち続けられる患者さんが増えてきていますので、治療状況の確認・決断が早くからでき、短期・長期の目標設定の話もしやすくなりました。

アトピー性皮膚炎のような慢性疾患は、良くなったり悪くなったりを何度も繰り返して治療の終わりがみえないと、良い状態を目指せるという考え方から遠くなってしまい、治療の諦めにもつながります。アトピー性皮膚炎の治療環境はここ数年で急に動き始めたので、すべての医師や患者さんに浸透するにはもう少し時間がかかるかもしれませんが、治療環境がアップデートされていることを知っていただくことはとても重要だと考えています。

調査概要


【実施時期】
2023年6月16日(金)〜2023年6月27日(火)
【調査方法 】
インターネット調査
【調査対象 】
・20代から60代の男女500名 (20代:男性50名/女性50名、30代:男性50名/女性50名、40代:男性50名/女性50名、50代:男性50名/女性50名、60代:男性50名/女性50名)
・アトピー性皮膚炎と医師から診断を受けており、1年以内の通院歴がある
・アトピー性皮膚炎の重症度はPOEMスコアをもとに判定
最重症(25〜28点):37名、重症(17〜24点):78名、中等症(8〜16点):286名、軽症(3〜7点):66名、消失・またはほぼ消失(0〜2点):33名
【調査エリア】
全国
【調査委託先】
株式会社エム・シー・アイ

調査結果詳細


1. 中等症以上の患者さんの69.0%がアトピー性皮膚炎の原因物質を標的とした新しい治療法があることを知らない
アトピー性皮膚炎の原因物質を標的とした新しい治療法があることを知っているかお聞きしたところ、中等症以上の患者さんでは、「全く知らない」と回答した方は30.0%、「あまり知らない」と回答した方は39.0%でした。アトピー性皮膚炎の原因物質を標的とした治療薬が登場してから5年経過した現在でも、新しい治療法があることを知らない中等症以上の患者さんが約7割いることがわかりました。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/97089/17/97089-17-2f5be76a0ca5ee2fba006e4b7d7c26aa-1919x1079.jpg ]


2. アトピー性皮膚炎は「症状がくりかえす病気」と考えている患者さんが71.2%
「アトピー性皮膚炎をどのようの病気だと思いますか」とお聞きしたところ、「よい状態をキープできる病気」と回答した方は9.0%でした。71.2%の患者さんは「症状がくりかえす病気」と回答しており、アトピー性皮膚炎は多くの患者さんが「よい状態をキープできる」病気とは考えていないことがわかる結果となりました。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/97089/17/97089-17-40e755574913103a37c5674dd56e0698-1637x1170.jpg ]


3. 中等症以上の患者さんの半数以上が医師の指示がでていない段階で自身の判断で治療をやめてしまった
経験がある
治療を自身の判断でやめてしまった経験があるかをお聞きしたところ、中等症以上の患者さんでは、半数以上の53.0%の方が「ある」と回答しました。軽症以下の患者さんでは46.0%で、症状の重い中等症以上の患者さんの方が、途中で治療をやめてしまった経験がある方が多い結果となりました。
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/97089/17/97089-17-225dd391054cd698fc88b9d402799d11-1609x1040.jpg ]


4. 治療の目標(ゴール)をもっている患者さんは57.2%。一方で約9割の患者さんが医師と治療目標を相談
していない
治療の目標(ゴール)をもっているかお聞きしたところ、「医師と相談して、もっている」と回答した方は12.6%、「自分なりに考えて、もっている」と回答した方は44.6%で、過半数以上となる57.2%の方が治療目標をもっていることがわかりました。一方で「医師と相談して、もっている」という方は12.6%で、9割近い87.4%の方が治療目標について医師と相談していないことが明らかになりました。
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/97089/17/97089-17-87a22d8521fb3c59207c9e1b541e56d6-2276x1067.jpg ]



5. 治療目標(ゴール)をもっている患者さんの治療目標は、「全く症状がでなくなること(41.3%)」より「症状はでるが、日常生活に支障がないこと(43.0%)」が多くなる結果
治療目標(ゴール)をもっていると回答した方に「アトピー性皮膚炎の治療目標(ゴール)はどのような状態ですか」とお聞きしたところ、「症状はでるが、日常生活に支障がないこと」が43.0%で、「全く症状がでなくなること」は41.3%でした。「全く症状がでなくなること」よりも「症状はでても、日常生活に支障がないこと」を治療目標と考えている方が上回る結果となり、治療でよい状態を目指せることへの諦めがみえる結果となりました。
[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/97089/17/97089-17-62d0cb8c18e8693c7450e79287905209-2122x1095.jpg ]


6. アトピー性皮膚炎の情報で困っていることで多い回答は、「信頼できる情報とそうでない情報の区別がつか
ない(41.4%)」、「自分にとって必要な情報か、判断がつかない(39.2%)」、「新しい情報と古い情報が混ざっている(29.6%)」
世の中にあるアトピー性皮膚炎に関する情報で困っていることについてお聞きしたところ、「信頼できる情報と、そうでない情報の判断がつかない(41.4%)」が最多回答で、「自分にとって必要な情報か、判断がつかない(39.2%)」、「新しい情報と古い情報が混ざっている(29.6%)」が続く結果となりました。中等症以上の患者さんの約7割がアトピー性皮膚炎の原因物質を標的とした新しい治療法があることを知らないという調査結果もでていますが、信頼できる情報の判別の難しさが要因のひとつとなっているのかもしれません。
[画像7: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/97089/17/97089-17-778006f3125d4a2090ae0b4055af4ff2-2023x1253.jpg ]


LINE公式アカウント「myアトピー」について


[画像8: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/97089/17/97089-17-d131b88ae16df3d76bc868a13205a79d-218x218.jpg ]


2022年8月に運用を開始し、運用1年での現在の登録患者は10万人に達しています
(2023年8月現在)
アカウント名:myアトピー
友達追加用URL:https://lin.ee/ehLKMyq


アトピー性皮膚炎について


アトピー性皮膚炎は湿疹の一種で、発疹をはじめとする症状を伴う慢性炎症性疾患です (i,ii,iii,iv) 。中等症から重症のアトピー性皮膚炎は、広範な発疹を特徴とし、持続する激しい難治性のかゆみ、皮膚の乾燥、亀裂、紅斑、痂皮(かひ)と毛細血管出血を伴うことがあります (v,vi) 。かゆみは、アトピー性皮膚炎の患者さんにとって最も大きな負担となり、体力を消耗させることもあります。また、中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者さんにおいては、睡眠障害、不安や抑うつ症状が現れ、生活の質(QOL)に影響を及ぼします (vii) 。

アレルギーiについて


日本国内のアレルギー疾患患者さんおよびそのご家族を対象とした、サノフィが運営するアレルギー疾患関連の総合情報サイトです。アトピー性皮膚炎や気管支喘息、副鼻腔炎、花粉症などの疾患と上手に付き合うために、お役立ち情報を提供しています。
サイトURL:https://www.allergy-i.jp/kayumi/

サノフィについて


サノフィは、人々の暮らしをより良くするため、科学のもたらす奇跡を追求する、というゆるぎない使命を原動力に進み続ける革新的でグローバルなヘルスケア企業です。約100ヵ国の社員は、医療を変革し、不可能を可能に変えるため、日々研鑽に努めています。私たちは、社会的責任と持続可能性を企業の本質とし、画期的な医薬品や生命を守るワクチンを開発し、世界何百万もの人々に届けていきます。

日本法人であるサノフィ株式会社の詳細は、http://www.sanofi.co.jp をご参照ください。

i. Schneider et al, AAAI 2013, Practice Parameter Update, page 296
ii. Eichenfield et al, AAD 2014, Guidelines of Care for Atopic Dermatitis, page 118
iii. Guideline to treatment, European Dermatology Forum. http://www.euroderm.org/edf/index.php/edf-guidelines/category/5-guidelines-miscellaneous?download=36:guideline-treatment-of-atopic-eczema-atopic-dermatitis. Accessed December 23, 2016
iv. Gelmetti and Wolleberg, BJD 2014, Atopic dermatitis- all you can do from the outside. Page 19
v. National Institutes of Health (NIH). Handout on Health: Atopic Dermatitis (A type of eczema) 2013. http://www.niams.nih.gov/ Health_Info/Atopic_Dermatitis/default.asp. Accessed October 31, 2016.
vi. Mount Sinai. Patient Care Atopic Dermatitis. Available at: http://www.mountsinai.org/patient-care/health-library/diseases-and-conditions/atopic-dermatitis#risk. Accessed July 2017.
vii. Zuberbier, T et al. Patient perspectives on the management of atopic dermatitis. J Allergy Clin Immunol vol. 118, pp. 226-232, 2006.



プレスリリース提供:PR TIMES

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