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株式会社エフアンドエム

2023年10月最低賃金引き上げに関する実態調査

(PR TIMES) 2023年12月06日(水)16時45分配信 PR TIMES

株式会社エフアンドエムが運営する中小企業総合研究所によるレポート

2023年10月に最低賃金額の改定が行われ、引き上げ後の最低賃金額(全国加重平均)は1,004円となりました。これは前年度と比較すると平均引き上げ率4.5%、引き上げ額43円で、1978年に最低賃金の目安制度が始まって以降、過去最高の引き上げです。新型コロナウイルス感染拡大の経済的影響が特に大きかった2020年を除き、ここ数年の最低賃金改定は高い引き上げ幅が続いています。しかし、経営資源が限られた中小企業では賃金引き上げが難しいこともあります。そこで、本調査ではエフアンドエムクラブの会員企業に対して今年度の賃金引き上げに関するアンケート調査を行いました(実施期間:2023年10月1日〜31日)。
1.調査結果
「2023年10月からの最低賃金引き上げに際し、改定後の最低賃金条件を満たさず引き上げ対象となる従業員はいますか?」という質問に対し、「対象者がいない」が58%(1,350社)、「対象者はいる」が30%(701社)であった(図1)。業種別でみると、建設業、情報通信業は対象者がいない企業が約70%で、全体の結果と比べて割合が高かった(図2,3)。一方、対象がいるという回答が多かったのは宿泊業・飲食業57%、医療・福祉48%であった(図4,5)。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/29825/14/29825-14-bd34abefb723f4a1d4379402bca71914-930x362.png ]

[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/29825/14/29825-14-a2580ead6283d8b541bfbaee816b7692-932x741.png ]

次に、「対象者がいる」と回答した701社に対して対象者以外の従業員も賃上げを行うか尋ねたところ、「対象者のみの賃上げで他の従業員の賃上げは行わない」が44%(305社)、「対象者の賃上げ額と同等かそれ以上の賃上げを他の従業員に実施する」が26%(182社)、「対象者の賃上げ額には満たないが、一定額の賃上げを他の従業員に実施する」が11%(80社)、「対象者と同程度の賃金を支給している従業員に対してのみ賃上げを実施する」が9%(61社)であった(図6)。対象者のみに賃上げを行う企業が多く、その場合他の従業員との金額差が少なくなることで賃上げされない従業員からの不満が懸念されるものの、賃上げを実施する余力がない企業が多いのが実態だろう。また、地方別でみると、九州・沖縄地方では他の従業員へも同等程度の賃上げをすると回答した企業の割合が高かった(37%、図7)。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/29825/14/29825-14-2d25372a68fa106f907769f38a1edae0-932x366.png ]

[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/29825/14/29825-14-6ff40b00ea123a35ea8a24d7f6bb3a44-652x268.png ]

「対象者はいない」と回答した企業1,350社に対しては、改定後の最低賃金と自社内の最低賃金との差額を尋ねた。最も多かったのは「+30円以内」で21%(280社)、続いて「+51〜100円」が15%(204社)、「+31〜50円」が14%(186社)で、100円以内の企業が50%を占めた(図8)。
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/29825/14/29825-14-e35b1a1f6e243f98d0590db1654baf15-628x421.png ]


2.まとめ
本調査により、今年度の大幅な最低賃金引き上げで約6割もの企業が賃金引き上げの対象となったことが分かった。さらに、岸田文雄首相は2030年代半ばまでに全国加重平均を1,500円まで引き上げることを目標にすると発表している。そのため、今後も高い水準で最低賃金の引き上げが続くと予想される。来年度も40円台の引き上げが行われた場合には、再び多くの企業が対応を迫られることになるだろう。今後に備えて業務の効率化や働き方の見直しなどにより生産性を向上させ、従業員の賃上げを行っていくことが重要だ。
そのための公的支援として、生産性向上に資する設備投資を行うとともに最低賃金を引き上げることで投資額の一部助成を受けられる「業務改善助成金」をはじめとした助成金・補助金制度の新設・拡充が行われている。また、中小企業が前年度より従業員の給与を増額した場合に法人税の税額控除を受けられる「賃上げ促進税制」も存在する。他にも、生産性向上や賃金引き上げの取り組み事例を厚生労働省が公開しているため、他社の取り組みを参考に自社でも検討いただきたい。
エフアンドエムクラブでは、このような公的支援制度の情報を取り逃がさないよう、会員企業向けの公式LINEアカウント「補助金はやみ」にて、国・地方自治体の支援策に関する情報提供を行っている。また、昇給に関する規定整備や賃金テーブル、評価制度の策定などについても担当アドバイザーが相談を受け付けている。今後もエフアンドエムクラブでは各種情報提供だけでなく、様々なサポートを通じて中小・零細企業のバックオフィス強化に努めていく。

>>>レポート全文はこちら
https://www.fmltd.co.jp/info_cat/chushou



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