• トップ
  • リリース
  • 軽度脱水時の緑茶飲料の飲用が、尿排泄を促進しないことを確認

プレスリリース

  • 記事画像1

軽度脱水時の緑茶飲料の飲用が、尿排泄を促進しないことを確認

(Digital PR Platform) 2023年10月23日(月)13時00分配信 Digital PR Platform

緑茶飲料が水と同等に体液バランスの回復に寄与

株式会社伊藤園(代表取締役社長:本庄大介 本社:東京都渋谷区)は奈良女子大学と共同で、軽度脱水時の緑茶飲料の飲用は体液バランスを回復させ、緑茶飲料に含むカフェインによる尿排泄は促進されないことを確認しました。またこの試験結果は、学術雑誌European Journal of Nutrition(※1)に掲載されました。

近年、熱中症(※2)は屋外におけるスポーツなどの活動時だけでなく、室内や夜間でも発生することが知られています。そのため、熱中症のリスクを上昇させる脱水の予防として、のどの渇きを感じていなくても「こまめな水分補給」を行うことが推奨されています。

そこで奈良女子大学と当社の研究チームは、カフェインを含有する緑茶飲料が脱水時に飲む飲料として適性を有しているかを確認するため、軽度の温熱脱水時における緑茶飲料の摂取が体液バランスと腎臓からの水分・電解質排泄反応に及ぼす影響をランダム化クロスオーバー試験(※3)により検証しました。

〇試験の内容について
健常な成人男女の試験参加者を対象に、20 分間の足踏み運動を10 分間休憩を間に挟んで3回実施し、軽度の脱水状態を誘導しました。その後、被験者の体液損失量に等しい量の水、緑茶飲料、または緑茶飲料と同等レベルのカフェインを含有する水(20mg/100 ml ; カフェイン水) を摂取し、摂取後2時間の水分バランス、尿排泄速度などを測定しました。

その結果、運動により体重の1%程度の水分不足が誘導され、水分損失量と同量の水分を摂取したことにより、体液バランスは一旦脱水前の状態まで回復しました。その後2 時間で尿排泄などにより体液量が減少しました。摂取後、2時間目の水分保持率は、水 で 52.2 ± 4.2%、緑茶飲料 で 51.0 ± 5.0%、カフェイン水で 47.9 ± 6.2%で、これら試験飲料間で統計的に有意な差なく、どの飲料でも脱水時より体液量の有意な回復がみられました(図1)。また、水分補給後の2時間における尿からの水分・電解質排泄速度においては、水、緑茶飲料およびカフェイン水とも同等に推移し、緑茶飲料またはカフェイン水の摂取が、水摂取と比べて尿排泄速度を上昇させませんでした(図2)。


[画像1]https://user.pr-automation.jp/simg/2571/78130/600_228_202310231136546535dc46d879b.png



本研究結果により、軽度の脱水時の水分補給飲料として、緑茶飲料が水と同程度に体液量を回復させることが示唆されました。そのため、緑茶飲料が幅広い世代の健康維持のための水分補給にも寄与することが期待できます。当社は健康創造企業として、健康訴求を目指した製品開発に寄与する研究だけでなく、お客様の健康への不安や疑問をお答えするような研究にも積極的に取組み、多方面から健康で豊かな生活と持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

(※1)Takamata A. et al., Effect of fluid replacement with green tea on body fluid balance and renal responses under mild thermal hypohydration: a randomized crossover study. European Journal of Nutrition|Published: 18 August 2023(https://doi.org/10.1007/s00394-023-03236-3

(※2)熱中症は、高温多湿な環境に長くいることで、徐々に体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態を指します。(厚生労働省「熱中症予防のために」リーフレットより)
(※3)無作為化交差試験。いくつかの治療法や介入の影響を、治療法や介入を被験者内でランダムに順番を交換して評価し比較することです。



このページの先頭へ戻る