1. Mは大手メーカーに勤めている。
2. Mは大手メーカーに勤めており、料理同好会の一員である。
【答えと解説】
タツヤ:そりゃ(2)ですよ。なんか、お菓子に興味があったなら、料理同好会に入っててもおかしくないっすよね??今回の問題は簡単ですね!
みなみ:よく問題を読みなさい。「もっともありそうなのは」ってところがミソよ。
タツヤ:よく読みましたよ。だから大手メーカーに勤めていて料理同好会に入ってる女性と思ったんですよ~。
みなみ:答えは(1)よ。お菓子作りが好きでケーキ屋でアルバイトしてたのは関係なく、「大手メーカーに勤めてる、料理同好会の一員」である確率よりも、ただ単に「大手メーカーに勤めている」確率のほうが、どのような場合でも高いのよ。分かるかしら?
タツヤ:うーん。よくわかんないっす!!
みなみ:大手メーカーに勤めている人の中にはお菓子作りや料理に興味がない人が相当数いるわけよね?そうであれば、答えが(1)になるのは自明よ。
タツヤ:なるほど…。って、ひっかけ問題じゃないっすか!ひどいなぁ。
みなみ:これは、リンダ問題といって、ヒューリスティックの話なの。人間は判断を楽にしようと過去の経験則を利用することが多いのよ、これをヒューリスティックっていうの。経験則に基づいて判断をすると間違うこともあるのよ。リスクマネジメントでも、イメージしやすいリスクというのは実際のリスクよりも大きなリスクと認知してしまうことがあるかもしれないから注意が必要よ。
タツヤ:へぇ~。年をとるとガンコになるというのも、経験則が増えすぎて新しい発想ができないみたいな感じっすか?
みなみ:誰が年をとったガンコなのよ(怒)
タツヤ:あわわ、すみません!
みなみ:まったく。
タツヤ:ん?この問題に出てきた「M」って、ひょっとしてみなみ部長の話ですか?!
みなみ:さあ、どうでしょう?それより、チョコレートの試作品があるのよ。味見お願いできるかしら?
タツヤ:え、マジっすか?!た、食べられますよね…?
丸山満彦(まるやま・みつひこ)
公認会計士。
大手監査法人に在籍 パートナー。
1992年大手監査法人に入社。1998年~2000年米国の監査法人に勤務。帰国後、リスクマネジメント、コンプライアンス、社会的責任、情報セキュリティ、 個人情報保護関連のコンサルティングを実施。
情報セキュリティ関連の政府委員を歴任。
内閣官房情報セキュリティセンター兼務。
情報システムコントロール協会(ISACA)東京支部理事
日本セキュリティ監査協会(JASA)幹事
デジタルフォレンジック研究会監事
JPCERT/CC監事
日本監査研究学会会員
情報ネットワーク法学会会員
[イラスト]
加藤 豪(かとう ごう)
大阪府出身。ユーモアを含んだ勢いとコントラストの強いカラーのイラスト、人の心理をテーマにしたちょっとシュールな4コマ漫画、短編等を制作しています。
■ホームページ : http://www.occn.zaq.ne.jp/kato5/