プレスリリース
「実録まんがで学ぶ。パワハラ防止とコンプライアンス。」は企業向けに実際にあったパワハラ事件やコンプライアンス事件をまんがにして毎月配信しているサービスです。
2022年4月のサービス開始以来、採用を決めた企業は大手食品メーカー、世界的家電メーカーなど、誰もが知る大手企業も多く名を連ねています。
このストーリーではサービスの企画、運営を行う志村航氏に、サービスが誕生した背景と、なぜ大手企業が実録まんがを社員研修に採用するのか、その魅力がどのようにして生まれたのかお聞きしましたので、お伝えしていきます。
まんがでパワハラ防止啓発サービス、誕生までの経緯
このサービスを始めたきっかけは2022年から施行された「パワハラ防止法」ですべての企業がパワハラ防止に関する周知、啓発が義務化されたことにあります。
「どのような研修方法がパワハラ防止の周知、啓発に有効なのだろう?」
そんな模索をはじめました。
実際に起きたパワハラ事件を調べていく中で、加害者と被害者の間の感覚の違いで起こったケース、つまり悪意なくパワハラをしていた事件が多くあることに気づきました。パワハラ防止に必要なのは被害者がどんな言葉や行動で傷ついているのか、本当に起きた事件をより多く知ることであると考えました。教育の現場ではこれをケーススタディーとしてよく使いますが、まさにこれが有効な手法であると感じました。
*悪意なくパワハラを起こしてしまうエピソードまんが
どうすればパワハラ事件を広く知ってもらえるのか
より多くのパワハラ事件について知るため、まずは裁判の判例資料を集めることにしました。しかし、裁判の文章は法的専門用語の使用や厳格で形式的な構造で書かれているため、読むことすら苦痛に感じてしまいました。
このまま裁判文書をまとめて読んでもらい、啓発として社内に広めるのは難しいだろう思い、どうにかしてこれを読みやすくしたいと考えていました。
ちょうどその頃、受験勉強で日本史の歴史まんがを用いることが広まり、教育にまんがを活用することが認知され始めていました。この新しい学習スタイルは、受け手の負担を減らし、理解度も深まり、単に文章だけでは理解しきれないことへの学習の効果を高めていました。
これを参考に裁判のわかりにくい文章もまんがにすればわかりやすくなり、まんがでパワハラ防止を啓発するというアイデアを思いつきました。
「無関心」のハードルを下げる。まんがにして啓発するメリット
パワハラ事件をまんがにするメリットとしてはまず、関心を持ってもらえる点があげられます。私は専門学校で非常勤講師もしているのですが、常々教育で最初に越えなければいけないハードルは「無関心」だと思っています。
何よりもまず生徒の興味を引いて、関心を持ってもらわなければ伝えたいことが伝わらない。パワハラ事件であっても、まんがを利用すれば最初の「無関心」のハードルを大きく下げることができると考えました。
採用いただいた企業の受講者アンケートでも「とっつきやすくて良い」などの評価を頂いています。
実際に起きた事件だから伝わること
まんがの内容を本当に起こった事件にすることにもこだわっています。
これは私の体験からきていまして、
数年前に、運転免許の更新で講習会を受けた際に
「きっと、交通ルールの再確認で面白くない講習なのだろうな」と思って席に着いたら、動画で流れたのが、飲酒運転で交通事故を起こしてしまった人のドキュメンタリーだったのです。
事件を起こしてしまった人は、普段飲酒運転などしないのですが、年に一度の忘年会で飲酒して、その帰りに上司に「ちょっと送ってよ」と言われて距離が短かったこともあり、運転してしまい、そこで事故を起こしてしまった。
事故に至るまでのセリフも再現されていて、その状況や背景も描かれていて、事故後の反省の言葉を聞いていると、不覚にも泣いてしまいました。
周りを見渡すと私以外にもすすり泣く人も多くいる。
これまでに受けたどの講習よりも強く「交通ルールを守ろう!」と感じました。
本当に起きた事件だからこそのリアルが、作られた教材よりも伝わることを実感しました。
*メールで注意をした内容と宛先のアドレスがハラスメントになった事件。
本当に起きた事件だからメールの内容、宛先などハラスメントの詳細が伝わる。
パワハラ防止やコンプライアンスの研修方法は担当の方も模索している状態だった。
サービスの形を決めてまずは無料サービスとして配信を開始したところ、
プレスリリースやwebサイトをご覧いただいた上場企業など大手企業からの採用をいただくことができました。
パワハラ防止やコンプライアンスの社員研修、啓蒙に関しては、
まだまだ効果的な手法がない状態で、担当の方も模索している状態なのだと感じています。
繰り返し伝える事で浸透を。
料金体系に悩むも何人で利用しても1万2000円の固定料金に
サービスとして運営するために料金体系について検討を始めたのですが、
パワハラ防止やコンプライアンスは全従業員に関わることですので、一部のスタッフを選抜して研修を受けることには向かない内容です。
多くの研修のように受講する人数で料金が決まってしまうと、利用しにくいと考えました。
そこで、特に利用人数には制限がなく全従業員でご利用いただける固定料金1万2000円にして、毎月続けていただくサブスクリプションモデルにしました。
毎月続けることの教育効果には自信がありまして、これも専門学校の講師の経験から感じているのですが、年に1回だけ講義した内容は生徒はほぼ忘れてしまいます。1年に1回1時間伝えるよりも、毎月5分間でも繰り返し伝えた方が確実に伝わる。これは講師経験から実感していることです。
採用いただいた企業には、毎月社内ポータルにこのまんがを掲載していただくなどの形で、全従業員に啓発をおこなっていただいております。
企業への配信開始直後でのご意見に即時対応。
企業への配信を始めてみると、その月に届いたパワハラまんがのエピソードが合わないという問題が出てきました。
そこで、10以上のストックまんがを用意することでエピソードを選んでいただけるようにしました。
現在はご要望をいただき、パワハラ事件だけでなく、コンプライアンス事件も配信しています。
また、このサービスの採用を決めていただく担当の方のほとんどが女性という点も特徴的です。
おそらくパワハラやセクハラなどの問題を感じていても、なかなか直接伝えることができないことも多く、 事件のまんがを社内に広めることで、気持ちの代弁に役立てていただいているのだと思います。
最後に
ハラスメント事件は社内のどこで事件が起こるかわかりませんし、人間関係に関する問題なのでマニュアル化も難しい。しかし、事件が起きてしまうと、企業が受けるダメージはとても大きいので、対策をすることは大切だと思います。
本当にあった事件から学ぶケーススタディ教育、わかりやすいまんがを活用して啓発することで、未然に防げる事件もあると感じています。
WEBサイトに多数の事件まんがのエピソードを掲載しています。
ぜひご覧ください。
「実録まんがで学ぶ。パワハラ防止とコンプライアンス。」
https://hara.lifestudytec.com/
また、企業研修にもっとまんがを活用できると感じています。
ビジネスを組んでくださる企業や、販売代理を行ってくださる方々とも、ぜひ手を組んで、まんが研修サービスを進展させていきたいと考えております。