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捨てずに肌へ潤いを残す仕様でロングヒット商品に。逆転の発想を実現させ、福祉事業所とのつながりで生まれた「ローソープ」の誕生秘話

(PR TIMES STORY) 2024年08月05日(月)12時58分配信 PR TIMES

ブラインドメイクなどの訴求活動も行っている、健やかで美しい皮膚を保つためのスキンケアライフスタイルを提案する敏感肌ブランド「OSAJI(オサジ)」。ブランドをスタートした2017年からロングヒットを続けている人気のオリジナル商品「ローソープ(半熟石けん)」があります。それはブランドディレクター兼代表取締役・茂田正和がOSAJIを始める前から構想を練っていた商品でした。


本ストーリーでは、同商品が誕生するまでの裏側をお伝えします。


もっちりとした泡立ちで肌を包み込み、うるおいを残しながらすっきりと洗い上げる、やわらかい半練り状の2層式保湿洗顔石けん

ねば塾との出会い

スキンケアブランドの開発・販売を2004年よりスタートした茂田は、次はオリジナルの洗顔石けんを作りたいと当時の技術顧問担当者に相談しました。それならば「ねば塾」に行くべきだと助言を受けます。


「ねば塾」は心身にハンディを持ちながらも『社会に出て働きたい』と望むメンバーが"障がい者” "健常者”という概念を捨て共に働く場所としてつくられた場所です。初代塾長が障がい者の社会的自立を目指して2名の重度障がい者と共に1978年に設立しました。福祉施設のように行政から補助金による保護保障を望むのではなく『自ら働き その収入で暮らす』ことを目的とした有限会社です。


設立当時は土木作業を生業としていたものの、徐々に共感を得てメンバーが増えてきたねば塾が雇用を維持できる収入源を探した際、当時社会問題となっていた環境汚染に着目。環境を汚さず、人にやさしく、生活必需品(消耗品)になるものを製造・販売しようとたどり着いたのが『石けん』でした。


ねば塾の代名詞的商品・白雪の詩


その技術が耳に入り茂田がねば塾に足を運ぶ頃には、化粧品工場を2010年に竣工し、さらなる拡大を図るために化粧品製造業及び化粧品製造販売業の許可取得を検討していたタイミングでした。


一方、茂田自身も元はサウンドエンジニアから生業を転じて皮膚科学研究者であった叔父に師事し、スキンケアブランドの展開を始めて数年経過した頃でした。まだ石けんに関する知見が明るくない段階で、まずは石けんの作り方をねば塾で一から学ぶことを志願。双方の不足していた部分を補うように関係性が深まったのです。茂田は製造工程について習得する一方、化粧品製造業許可の取得をサポート。その甲斐もあって許可を取得し、翌年には化粧石けんのOEMをスタート。その後、茂田とローソープの研究・開発を開始しました。


ねば塾のローソープ製造加工風景

石けんの製造過程にヒントを得た、OSAJI流「しっとり石けん」


OSAJIブランドディレクター兼代表取締役の茂田正和


通常固形石けんは、油脂にアルカリを反応させ、石けん(脂肪酸ナトリウム)とグリセリンに分解することで作られます。このとき硬度を高めるためグリセリンは捨てられてしまいます。しかし、グリセリンは肌への親和性が高い保湿成分。そのため、「わざわざ捨てなくてもいいのではないか?」と茂田は技術顧問担当者に問いました。すると「石けんが固形化していないと持ち運びが難しいでしょう」と当初は笑われました。「あなたは既成概念に囚われない発想をするね」と。当時の様子を茂田はこのように振り返ります。


「持ち運びに困らない容器を考え、グリセリンを捨てずに済む方法を見出せば、これまでにない潤い成分を閉じ込めた石けんがお客さまにお届けできると確信したんです。ねば塾さんと連携をして2年をかけて開発しました。製造に必要な機械もこちらで購入し、現在のガラス容器に入った柔らかい2層式の石けんが誕生しました。

グリセリンを残すことで『半熟』状態となり、石けん本来のさっぱり感と、うるおいの残るしっとり感の両立が叶っています。“ローソープ”という名称で商標登録もしました。

『機械化できない美しさ』へのこだわり

見た目にも十分こだわって販売したかった、と茂田は続けます。


「まず、使い続けていく楽しみを感じていただくため、バイカラーにしようと決めました。これは、一度充填して固めてから二度目の充填となり、かなり手間がかかります。もう一つ課題となったのが、半熟状態の石けんを容器からすくう方法です。環境を配慮し、プラスチック製ではなく木製のヘラですくう仕様にどうしてもしたかった。

2層に分けて注がれた半熟石けん。風合いのある紐で結ばれた木製のヘラ。

これらは機械作業では成し得ない仕様です。全て手作業を要するこの工程を引き受けてくれる工場は他にはありませんでした。しかし、ねば塾さんにとっては『手作業』は得意分野。石けんの充填作業から瓶へのラベル貼り、そして木べらの取り付けまで、全てを手作業で一つひとつ大切に扱いながら商品を作ってくれます。」(茂田)



そうして2社の特徴を活かして互いに補い合い、誕生したのが「ローソープ」です。グリセリンリッチな泡は非常にもっちりとした独特のテクスチャで、スッキリとしつつもうるおい感のある洗い上がりになります。一度使うと病みつきになるローソープのファンは多く、定番商品とは別に季節限定商品にも登場するくらいOSAJIの人気商品となっています。


「本当は、 OSAJIの前進的なブランドで発売する予定だったんです。それがその年に東日本大震災が起きてしまった。販売計画は中断しました。その後OSAJIが立ち上がることになり、目玉商品として投入したんです。固形石けんよりやさしい洗い上がりということもあり、敏感肌向けスキンケアブランドであるOSAJIのお客さまにはピッタリとマッチしました。」(茂田)



ニーズが増えれば比例して雇用も産み続けられます。ねば塾は少しずつ製造拠点を増やし、120種類を超える石けんを作る工場へと成長しました。今ではねば塾は、障がい者自らが働き、隣接する形でグループホームを建てて生活拠点を設け、生涯をそこで過ごせるように一人ひとりの個性に合わせた働き方を見つけ出し、寄り添う形で存在しています。


OSAJIというブランドは、母親が交通事故をきっかけに従来の化粧品が合わず困り果てたところ、代表の茂田正和が自ら皮膚科学を学び、キッチンで化粧品を独自に配合し、母親に合った安心安全の化粧品を作ったことが始まりです。

「社会のために、人のために」というブランド理念に沿ったプロダクトは多くの方に支援され、今でも人気の商品となっています。


季節限定商品シリーズにも、もちろんローソープは欠かせない存在



有限会社ねば塾 https://www.neba.co.jp/

長野県佐久市で良質な無添加石鹸を製造・販売する石けんメーカー。

障がい者の社会参加と経済的自立を目的に運営している。

事業内容:石鹸・化粧品製造販売、公園管理受託、グループホーム運営、便利屋

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