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一般社団法人 ヒューマンサイエンスABOセンター

古代史の知られざる真実とは。歴史の謎に科学的アプローチで挑む『古代史サイエンス』の著者が語る出版の経緯

(PR TIMES STORY) 2023年10月16日(月)19時52分配信 PR TIMES

当センター研究員、金澤正由樹の著作『古代史サイエンス』が、鳥影社より出版されました。本書は、理系の深い知識と独自の視点で、古代史の未解明な謎に新しい光を当てたものです。



この一冊は単なる歴史の解説書ではありません。サブタイトル「DNAとAIから縄文人、邪馬台国、日本書紀、万世一系の謎に迫る」が示すとおり、古代史へ革新的かつ科学的アプローチを展開し、真実を探求した理系出身者からの報告書なのです。


特に、日韓古代史の解釈には多くのバイアスが存在する中、金澤は独立した視点で、事実を追求。大胆な仮説や推論を展開し、歴史研究の新たな方向性を示しています。


知的好奇心を刺激する『古代史サイエンス』で、古代史の新しい地平を体験してみませんか。

(ヒューマンサイエンスABOセンター 理事長 市川千枝子)

古代史の研究には分厚い「学問の壁」。現在では特に理系的発想が求められている

ヒューマンサイエンスABOセンター研究員の金澤正由樹です。

数多くの紆余曲折を経た、『古代史サイエンス』出版までの経緯をお話します。


古代史の研究は、歴史学、考古学、ゲノム解析など、多岐にわたる「学問の壁」に分断されています。その一つ、日本神話における分析の不足は、極めて大きな問題として立ちはだかりました。なぜなら、既存の学問フィールドでは、神話は正式な分析対象外であることが多いからです。


典型的な例が、「建国記念の日」に関するエピソード。2月11日、この日に西暦紀元前660年「旧暦1月1日」に初代・神武天皇が即位した、と日本書紀にあります。2月11日なのは、当時の日付を現代の暦に換算した結果。しかしそれを科学的に検証すると、疑問が浮かび上がります。2600年以上前の日本はどのような暦を使用していたのか。その解明には、天文学を用いた計算と歴史的背景の理解が必要です。


出所 日本書紀(Wikipedia


疑問に思った天文学者が独自に調べてみたところ、なんと「唐」の暦だったそうです。唐が建国したのは1400年ほど前の西暦618年。仮に神武天皇が旧暦1月1日に即位したのが本当だとしても、1000年以上後の暦を使ったのでは、正確な日付に換算できるわけがありません。


このように、古代史の謎を解明するには、横断的な視点と、専門外からのフレッシュなアプローチが不可欠であり、理系的な発想が新しいリアリティをもたらすのです。

縄文人や弥生人のDNAが解明され、古代史研究に新風が吹き込まれる

現在の古代史研究は、従来の常識を覆す驚くべき進化を遂げています。その契機となったのは、2022年にスウェーデンのペーボ教授がノーベル賞を受賞し、広く知られることとなった「ゲノム解析」の手法です。この革新的なアプローチにより、何万年も前のネアンデルタール人のDNAが解明されるという、かつては夢物語とされた出来事が現実になりました。


出所 ネアンデルタール人(Wikipedia


そんなバイオテクノロジーの進歩は、日本の古代史研究にも新しい風を吹き込んでいます。国立科学博物館のチームを中心に、縄文人や弥生人など、古代人のDNAが次々と解明されているのです。


その一例は、2019年リリースの、北海道・礼文島で発見された3800年前の「船泊23号」と呼ばれる女性の調査結果。彼女のDNAから、A型の血液、お酒に強い、直毛、茶色または黒い目など、生き生きとした特徴が浮かび上がってきました。

歴史が大の苦手だった理系人間が、古代史の本を書いた理由

理系出身の私は、かつては日本史=暗記と捉え、相当な苦手意識を抱いていました。しかし、井沢元彦氏の『逆説の日本史』を読んでから、そのストーリーとしての魅力と、卑弥呼日食死亡説など、SF的な設定に心引かれ、俄然日本史への興味が湧いてきたのです。


そして最近現れたのが、ゲノム解析の新しい波。データとソフトが無料で公開されているこのフィールドが、私の知的好奇心をくすぐりました。「これは凄く面白そうだ、やるしかない!」という軽い気持ちでのスタートでしたが、その探求の道のりは予想以上に険しかったのです。


ネットで英語の情報まで毎日のように探し回り、試行錯誤をさんざん繰り返しました。それだけではなく、手持ちのパソコンが非力で毎回処理がフリーズし、やむなく高性能な新しいパソコンを購入するというオチまで付きました。


苦心惨憺の結果、なんとか物理的な距離とDNAの類似性を示す、日中韓を比較した図を作成。これには意外な発見もありました。韓国人のDNAは、日本人と中国人の中間、言い換えれば混血であることを示唆していたのです。



この分析結果は、AIを活用した査読付き英語論文として公開しています。興味を持たれた方は、是非ご一読ください。異なる分野からのアプローチが、どのように新しい発見へと繋がるのか。その先にある未知の世界を、共に探究してみませんか。


《参考》金澤正由樹の論文一覧

朝鮮半島は、2万年前から7千年前まで無人だった

本書の背後には、ヒューマンサイエンスABOセンター理事長・市川千枝子の洞察に端を発する物語もあります。市川のブログ記事が提起する、そんな一見不可解な疑問も、本書執筆の契機となりました。


朝鮮半島の歴史を追っていくと、BC.10000年以前には、それよりもっと過去に原始人がいた可能性を除くと、朝鮮半島に人が住んでいた形跡は今のところ見つかっていないとのことです。その後、BC.5000年頃、朝鮮半島の地に、最初に渡ったのはどうやら日本の縄文人だったわけで、そしてその後、南下してきた北方の漢民族がそれら縄文人と混血したか、あるいは漢民族と馴染めなかった縄文人たちは南方に追われていったのではと思われます。

日本と韓国を想う(2)


現在の定説では、朝鮮半島からの渡来人が、水田稲作などの先進技術を持ち込み、縄文人と混血して弥生人を形成。それが現代の日本人へと繋がっている、とされています。しかし、市川は逆説を提示。前述したように、最先端のゲノム解析技術を用いて、この新しい仮説を検証してみると、市川の言説が現実味を帯びてきます。


また、2022年の韓国研究者による有機物の分析(炭素14法)では、2万年前から8千年前の朝鮮半島南部は、「ほぼ無人」であったと指摘しています。2万年前に氷河期が終わると、気候変化で住民は北へと移動した可能性が高いそうです(この論文は『古代史サイエンス』脱稿直前のため未収録)。


出所 Chuntaek Seong 他 [ソウル大学]


『古代史サイエンス』では、こうした最新の研究成果をもとに、歴史に新しい風が吹き込んでいくプロセスを描いています。

読みやすさや豊富なビジュアルにこだわり、3刷が決定

出版元の鳥影社の担当者の方からは、数多くの適切なアドバイスをいただきました。

たとえば、読者の読みやすさを最優先にするなら、鮮やかなカラー図版を豊富に入れるべきだというのです。


そこで、国立科学博物館や鳥取県からの公式の許可をいただき、縄文人と弥生人の復元顏像、それに加えて、三内丸山遺跡や吉野ヶ里遺跡など、魅力的なカラー口絵を30頁以上収録しました。これらビジュアルの力のインパクトは計り知れません。


この効果は明白で、本書は読者の好評を得て3刷が決定しています。

言論プラットフォーム「アゴラ」で内容を先行無料公開

出版元のご協力のもと、本書の一部内容は、言論プラットフォーム「アゴラ」で、発売に先行して無料公開されています。「アゴラ」は、知的好奇心にあふれた、熱心な読者層が集まるサイトであり、その深い議論を求める空間に、本書の内容がマッチすると信じていたからです。


その結果、多数の記事の中で、瞬間風速ではありますが、トップの人気記事としての位置を築くことができました。



《参考リンク》

ヒューマンサイエンスABOセンターのご紹介と新刊の予定

ヒューマンサイエンスABOセンターでは、名を冠する「血液型」について、性格との関連性を中心に、人間科学のフィールドで研究を推進しています。


金澤は、『古代史サイエンス』の執筆を通じて蓄積された知見をベースに、来春、鮮やかなカラー図解を交えた新刊『(仮題)B型女性はなぜ人気があるのか AIと300万人のデータで読み解く「血液型と性格」』をリリース予定です。


この新刊では、初の日韓国際比較調査の分析に最新AIを活用するなど、のべ300万人以上の膨大なデータとともに、血液型と性格に関する議論を新たな次元へと導くことを目指しています。なお、執筆にはChatGPTをフル活用しました。


実は、査読付き英語論文のようなアカデミックな評価では、既に質量両面で肯定論が否定論を圧倒しているのです。このような興味深い探求の結果を、『古代史サイエンス』も含め、図書館や書店にて是非ご一読ください。

アマゾンへのリンク

古代史サイエンス

〜DNAとAIから縄文人、邪馬台国、日本書紀、万世一系の謎に迫る〜


古代史は文献資料が限られるため、ゲノム解析などの最新バイオサイエンス、ハイテクノロジーが活躍し、近年ではその結果を参考に縄文人や弥生人の非常に精巧な復顔像が作られ話題になるなど、理系の学問に近づいています。 本書では、縄文、弥生、邪馬台国、日本書紀、万世一系などの古代史について、最新の研究結果を紹介し、従来の定説を検証します。 併せて、ゲノム解析にAIを活用した著者の英語論文を巻末に収録しました。

(2022年11月発売)



デジタル時代の「血液型と性格」

AI〜AIと60万人のデータが開けた秘密の扉〜


【好評既刊】

60万人を超えるデータとAIなどの最新デジタルテクノロジーで多面的に解析し、心理学的に血液型と性格の関連性を実証!

各血液型に目立つ「O型は首相や大富豪」「A型は文科相」「B型は個人スポーツ」「AB型は都知事や米大統領」などの傾向が明らかに!

巻末に東京五輪の全メダリストと皇族の血液型、著者執筆の英語論文3編などを収録!

(2021年11月発売)


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