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株式会社WithMidwife

約3万5千人が潜在化。かつては産婆と呼ばれた助産師の現状と今後求められるスキルとは

(PR TIMES STORY) 2024年07月04日(木)10時31分配信 PR TIMES

株式会社With Midwife(本社:大阪市、以下With Midwife)は、「助産師があなたの世界を明るくする」をミッションに、助産師の力でいのちにまつわる社会課題を解決する会社です。助産師の能力を発揮できる事業を創造し、病院だけではなく家族や企業、地域へと助産師の価値を取り戻すことで、「生まれることのできなかった、たったひとつの命でさえも 取り残されない未来」の実現を目指しています。

助産師だけで設立した珍しい会社であり、起業の背景には助産師として病院で勤務する中でみてきた現実が関係していました。


◆そもそも助産師ってなに?

そもそもみなさんは、「助産師」という職業をご存じでしょうか?助産師は“お産を助ける人”と思われがちですが、実はそれだけではありません。

助産師は、英語では“midwife”と言います。midとは古典英語で“with”=「寄り添う」を意味し、wifeは“women”=「女性」を意味する言葉です。助産師は「寄り添う女性」という意味であり、出産に限らず全ての人の人生に寄り添い支えることができる職業です。



戦前、助産師は「産婆」と呼ばれており、地域で性教育を行ったり家族計画への助言をするなど、出産だけにとどまらず、広く地域の人たちの生活を見守る役割を担っていました。

しかし戦後、GHQの指示により日本産婆協会は解散させられることとなり、出産が自宅から病院へ集約されました。その結果、1950年にはほとんどの人が自宅で出産していましたが、現在ではおよそ99%の人が病院で出産するようになりました。それに伴い、地域で活躍していた助産師の働く場も病院へと移り、地域の人々との深いつながりは閉ざされてしまいました。

◆病院でみてきた現実

出産が病院へと移行し、日本は世界でも有数の「安全に出産できる国」となりました。しかし、かつての産婆のように身近に性に関して相談できる相手がいなくなった結果、現代では不妊や中絶、産後うつ、虐待などの社会課題が増加しています。


実際に、私たちは病院でも「不妊治療をしているが、もっと早く、妊娠できる期間について知っていたら…」「月経の時以外にも出血していたけど、仕事が忙しくてそのままにしていた。まさか自分ががんになるとは…」「両親もまだ働いており、遠方で助けてもらえない。産後の生活が不安…」などさまざまな声を聞いてきました。


病院の中で助産師が主に関わることができるのは、妊婦健診時・出産前後の約7日間・1ヶ月健診までが多く、病院の中だけではサポートできることに限界があります。

助産師として、「もっと早く関われていたら」「退院後もサポートに入れたら」という思いがWith Midwife起業のきっかけになっています。


また、病院での勤務は夜勤もあり心身への負担も大きく、出産時の急変というトラウマ的体験や自身のライフスタイルの変化から臨床を離れる選択をする助産師も少なくありません。

現在、助産師の約9割が病院で勤務しており、病院で勤務できない助産師は必然的に助産師として働く場を失います。さまざまな理由により病院で働いていない助産師は約半数となり、その数は約3.5万人にのぼると言われています。



◆お産だけじゃない、助産師のスキル

助産師の国家資格取得のためには看護師資格が必須となるため、助産師は全員が看護師資格を併有しています。さらには、助産師のうち約半数が保健師資格を有しています。助産師は、これら3つの国家資格を活かし、健康・メンタル・子育てなどオールマイティに対応できる稀有な存在であるといえます。



このように幅広い専門性を持っている助産師の約半数が潜在化している状況は、社会にとっても大きな損失と言えるのではないでしょうか。

私たちは、今の時代にあった方法で、助産師をかつての産婆のように再び社会に戻すことで、社会課題を解決していくことをめざしています。


そのためには、変化し続ける社会に合わせて助産師自身もスキルアップしていく必要があります。その変化に対応するために立ち上げた事業が、助産師向けリスキリング「License says(ライセンス・セズ)」です。


License says公式サイト: https://lic-says.jp/


License saysでは、助産師が最新の医療知識だけでなく、ビジネス、ブランディング、ITスキルなど幅広い分野の知識とスキルを体系的に学ぶことができます。

With Midwife 代表取締役の岸畑聖月(きしはた・みづき)が発案し、かつて自らも潜在助産師になった宗内優美香(むねうち・ゆみか)がリーダーとなり、これからの助産師として活躍するために必要なスキルを学べる講座となっています。


【License says管理責任者・宗内 優美香】


◆助産師向けリスキリングライセンス、立ち上げまでの道

With Midwifeはメイン事業として、健康と子育ての従業員支援プログラム「The CARE(ザ・ケア)」を提供しています。

「The CARE」とは、はたらく人のさまざまな悩みを、企業専属の女性医療専門家に24時間365日いつでも相談することができるサービスです。相談内容は、子育て、キャリア、パートナーシップ、更年期の悩みなど、多岐にわたります。

全人口の約6割が働いている現代では、人々は1日の大半を仕事に費やしており、はたらくこととプライベートは切っても切り離せない状況となっています。そこで私たちは、企業ではたらく人を対象にオンライン相談事業を開始いたしました。


健康と子育ての従業員支援プログラム「The CARE」: https://thecare-biz.jp/


企業ではたらく人をサポートするにあたって、困難も多くありました。病院での新人教育では採血やルート確保といった技術は学びますが、名刺の渡し方やメールの送り方など、基本的なビジネスマナーを学ぶ機会はありません。また、病院ではすでに悩みが顕在化した人を対象にケアを行っているため、今は悩みがない/または悩みが潜在化している人が、どのように生活し、働いているのかも想像することが難しく感じました。

そんな私たちが、The CAREを通して延べ4000人の相談に対応する中で学んできた、「助産師として持つべき視点」「知っておくべき知識」などを、License saysで習得できるようになっています。


宗内「私も病院を飛び出す前にLicense saysを受講できていたら、潜在化せず助産師としての働く場をもっと広く考えられていたかもしれない、とすごく思います。」



◆「何ができるか」ではなく「相手が何を求めているか」を大切にしてほしい

License saysを運営する中で、受講生の助産師からは度々キャリアに関する相談が寄せられます。その中には、「私はこれができるからこれに関するサービスをしたい」というものや、「自分に自信がないので、資格をとって自信がついてから起業しようと思うんです」といったコメントをされる助産師もいらっしゃいます。

私たちには、これまでの活動を通して気づいた事があります。それは、「自分に何ができるか」だけではなく、「相手は何を求めているのか」が大切だということです。

当たり前のことですが、病院外で働く前と後では、この意識が大きく変わりました。


病院内でのケアは、例えば「乳房ケアを受けたい」と目的が明確な方に、足を運んでもらえることが多く、ニーズに合わせたケアの提供ができます。

しかし、社会に出てサービスを提供するとなると、まずはサービスについて知ってもらう必要があり、相手によいと思ってもらえなければ、ケアの提供につなげることができません。


License saysでは、医療知識の提供だけでなく、プレコンセプションケアやフェムテック、男性育休などの社会的に注目を集めているトピックについてもお伝えしつつ、そして自分自身のやりたいことや自分の強みを、どのように届けていくか、考えを深める時間も提供しています。


宗内「病院で働くことが合わなくても、他の場所で活躍している助産師はたくさんいます。私もかつて助産師としての自分の価値を見失っていました。しかし “あなたの助産師としての知識、あなたの今までの経験に救われる人がいる” という代表の言葉に後押しされ、社会に一歩踏み出すことができました。ぜひ、そんな助産師さんの後押しを今度は私がお手伝いし、そこから救われるいのちを増やしていきたいな、と思います」



◆時代に合わせて助産師の学びも進化

2022年にLicense saysをリリースして以来、延べ120人以上が受講、約98%の方に「満足」と回答いただいています。

受講後の学びも充実しており、ライセンスの取得後は、受講者限定のコミュニティに所属することができ、月1回の交流会や年間10回のブラッシュアップセミナーに参加して継続的な学びの場を得ることができるようになっています。


2024年5月にはWith Midwifeのコーポレートサイトに、License says受講者を可視化するページも作成しました。今後も受講者を順次更新していきます。


License says取得者一覧: https://withmidwife.jp/midwife/


また、2024年度の第4期よりカリキュラムを一部変更しています。この数年ほど、異次元の少子化対策、男性育休の促進、産後ケアの拡充など社会も動いており、時代に合わせた新しい知識を得られるようにLicense says自体もブラッシュアップしていく予定です。

◆今後の展望

家族の在り方や生き方も多様化し、個人の抱える悩みも多岐にわたる現代社会では、さまざまな悩みに寄り添える人材として、助産師が必要とされていくと確信しています。

病院内やお産の現場のみならず、幅広い場所で助産師が活躍することができるよう、With Midwifeは今後も力を尽くしていきます。

◆【第4期募集情報】


  • 募集開始:2024年7月1日(月)より
  • オンデマンド講義受講期間:お申込直後から9月末まで
  • リアルタイム講義:9月末から10月末まで(詳しくはホームページをご覧ください)
  • 募集定員:先着25名
  • 対象者:助産師資格を持つ方
  • 受講費用:150,000円(リニューアルオープン特別価格)
  • 申し込み先:License says公式サイト https://lic-says.jp/


また、自分の助産師としての方向性に迷う方に向けて、2024年8月1日(木)に東京でリアルイベントを開催します。「助産師のためのキャリア」を考える、他にはないイベントになっております。詳細についてはホームページをご覧ください。


License says公式サイト:https://lic-says.jp/


◆企業概要

企業名:株式会社With Midwife

設立日:令和元年11月1日

資本金:300万円

代 表:岸畑 聖月

所在地:大阪府大阪市都島区東野田町4-15-82 QUINTBRIDGE303

理 念:「生れることのできなかった、たったひとつの命でさえも 取り残されない未来」の実現

目の前のいのちだけでなく、流産や死産など、目に見えないいのちも私たちは日常的に目にしています。そんないのちも、決して取り残されない社会を、私たちは助産師の「寄り添う(care)」チカラで実現します。


公式HP: https://withmidwife.jp/

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