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ワコム×セルシス社長対談「私たちが手を取り合うのは、運命的というか必然だと思う」

(PR TIMES STORY) 2022年07月26日(火)11時34分配信 PR TIMES


2022年4月、株式会社ワコムとアートスパークホールディングス株式会社の資本業務提携が締結されました。ワコムは以前から、同社のペンタブレット製品にアートスパーク傘下の株式会社セルシスが販売するイラスト・マンガ・アニメーション制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」をバンドルしており、20年以上にわたってクリエイティブ・コミュニティをともにけん引してきた仲。言わば同志といった関係性ともいえる2社の資本業務提携は、どのようなクリエイティブ・コミュニティの未来を描いていくのでしょうか。ワコム代表取締役社長兼CEOの井出信孝さんと、セルシス代表取締役社長の成島 啓さんにお話をうかがいました。

今回の資本業務提携には、運命的な奇跡を感じています

――どのような経緯で資本業務提携の締結という形になったんでしょうか。


成島 ワコムさんとの関係性は、ワコムさんがハードウェア、我々セルシスがソフトウェアという形でずっとコラボレーションしてきました。そのままの関係性でもいいよね、という話もあったんです。ですが、両社のサービスをもっと技術的に融合させ、クリエイターさんの創作体験の向上を目指したいと考えたときに、協業という形では互いの会社で話せることが限られてくる。例えば、製品のロードマップを互いに共有することは、通常の業務提携ではできないんですね。それで井出さんに、もう1歩踏み込んだより深い関係となって、お互いにユーザーさんに向けてクリエイティブな体験をより深めていくような取り組みができたらいいんじゃないか、とお話したのがきっかけです。


▼成島 啓さん(株式会社セルシス 代表取締役社長)


井出 セルシスさんとはずっとご一緒にお仕事をさせていただいていましたし、僕らは同じユーザーさんに向かって価値を届けようとしています。共同のプロジェクトなどの体験を深めていく中で、もっといけるよね、もっと近くでやれるよね、という感覚が僕の中で自信や確信のような形で高まってきたときに、ちょうどお話をいただきました。


成島 同じ顧客層に向けて、違う形でグローバルにサービスを提供している2社ですが奇跡的にどちらも日本の会社で、オフィスも徒歩5分ほどと、とても近いんです。イラストや漫画、アニメーションというコンテンツは日本だけではないですし、ITの世界は欧米、とくにアメリカの影響が強い会社が多い中で、2社が奇跡的な距離感で一緒にいたことは、きっかけのひとつと言いますか、ご縁だと思いますね。現在のようにお互いのエンジニアが行き来できるようなことも、なかなかできることじゃありませんから。例えば、ワコムさんの発売前のサンプル製品などは本来は門外不出。それに事前に触れることで、我々のソフトに新製品の特長を生かした機能や体験を入れることができます。そういう部分は大きなメリットになってくると思います。


井出 僕らがやりやすくなったという部分では、時間軸の組み方ですね。本来はクリエイターさんの生涯という長い間の時間軸に対してクリエイションの体験という僕らの価値を提供しなければならないのに、単発プロジェクトや機能単位のプロジェクトでは細切れになってしまいます。資本業務提携によって、その時間軸が一気につながるんですね。視点の転換が両社で起きて、取り組みへのアプローチや切り口が一気に変わると思っています。そこは大きなメリットですね。


▼井出信孝さん(株式会社ワコム 代表取締役社長兼CEO)

終わりなきクリエイターズ・ファーストであり続けたい

――お互いの会社についてリスペクトを感じるところはどのような部分でしょうか。


井出 アートスパークさんとしてはいろいろな事業があるんですが、セルシスさんにフォーカスしてお話しすると、クリエイターズ・ファーストの理念が、すごい!とかではなく、衝撃のレベルで実装されているんです。言動や資料、プロジェクトなどすべてにおいて、クリエイターの創作を絶対に止めないという思想が何よりも重要視されていて、クリエイターズ・ファーストが行き届いている。正直、リスペクトとともに悔しさも感じるほどです。


成島 ありがとうございます。私はアルバイトのころからセルシスで働いているので、そうおっしゃっていただくこともあるんですが、正直実感が湧かない部分もあるんです。それが当たり前でしたから、それ以外のオプションがない。働いている人自体がクリエイターという部分もあるかもしれません。すべて自分事として、自分だったらどうだろう、とプロジェクトを進めているというような部分はあるかもしれないですね。


井出 ワコムがクリエイターズ・ファーストじゃない、とかではないんですよ。僕らも同じように、命をかけてクリエイターの方に、僕らの道具を通じて価値を提供しようとしていますし、終わりなきクリエイターズ・ファーストであり続けたい。ただ、ワコムは学校や教育といった現場や、クリエイティブ系ではない企業、部品の販売などのダイバーシティがあって、その多様性がワコムのユニークさでもあります。そこにクリエイターズ・ファーストという本串がどこまで刺さるのか、となると、セルシスさんとは成り立ちが違うという感じなんですよね。ダイバーシティであるがゆえに、余白が多い。


成島 そこが逆説的に、セルシスから見たワコムさんのリスペクトな部分になると思います。私たちのグラフィックツールによって創作の楽しさを広め、グローバルなお客様に届けたいという想いでやっていますが、そういう部分ではワコムさんが2歩も3歩も先を行っています。さまざまな分野でビジネスをされているワコムさんにお話しを振ると、ビジネスとはこうあるべきなんだと学ばせていただくことも多いですね。


井出 僕らも、クリエイターさんへの接し方などセルシスさんから学ばせていただいていることはたくさんあります。ワコムとしての前提から、変えていきたいくらいの学びを得ていますね。


成島 両社のいいところが一緒になれば、と、私は心から思っています。



→ 後編に続く

ワコム×セルシス社長対談「道具を意識しないほどの没入感をクリエイターに届けたい」

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