プレスリリース
魚を育て、学び、悩んで、海の恵みといのちの大切さを学ぶ 「陸養プロジェクト2023」 大阪府堺市立東百舌鳥小学校「特別授業」を開催しました!
2023年11月14日(火)、11月28日(火)、12月8日(金)【場所】大阪府堺市立東百舌鳥小学校
一般社団法人RIKUYOUは、陸上養殖の体験を通して水産資源の貴重さや、自分たちが住む地域の海の問題、命の大切さを小学生に学んでもらう「陸養プロジェクト2023」をスタートさせ、今年度は、全国の小学校5校の小学生たちが、「ヒラメの養殖体験」にチャレンジしています。
今回、参加校の一つである大阪府堺市立東百舌鳥小学校で「特別授業」を行いました。「特別授業」は、陸上養殖体験と平行し、身近な海とそこに暮らす生き物や海とつながる環境・生態系全体について地元地域の専門家から学びます。海と人とのつながりを実感し、環境や生態系の保全の重要性を“自分ごと”として捉えられることを目的とした授業です。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」“の一環です。
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イベント概要
・開催概要:1.第1回特別授業 2.第2回特別授業 3.第3回特別授業
・日時:1.11月14日(火) 2.11月28日(火)9時40分〜10時25分 3.12月8日(金)13時50分〜15時30分
・開催場所:1.岡田浦漁港 2.・3.大阪府堺市立東百舌鳥小学校
・参加人数:大阪府堺市立東百舌鳥小学校の5年生、162名
・協力団体:1.岡田浦漁業協同組合 青年部長 東裕史さん 2.大阪市立自然史博物館 外来研究員 鍋島靖信さん(元・大阪府立環境農林水産総合研究所水産技術センター主任研究員)、漁師・堺市漁業協同組合 高田威さん 3.大阪公立大学 海洋環境学研究室の皆さん
第1回特別授業「身近な海・大阪湾を学ぶ」
第1回の特別授業では、泉南市にある岡田浦漁港でのインタビューを行い、動画にまとめて、全体で鑑賞しました。
岡田浦漁業協同組合 青年部長 東裕史さんからはまず、身近な海である大阪湾についてのお話がありました。魚が豊富だった大阪湾も、近年、埋め立てなどの影響で潮の流れが変化し、海底に泥がたまる現象が起こっているそう。そこで東さんはじめ漁師のみなさんは、海の底を耕す「海底耕運」を行い、魚が住みやすくなる環境づくりをしているとのこと。組合としては他にも天然の砂浜を生かした地引網体験など、地域の人々に海への関心を持ってもらう取り組みも行っていました。
続いて、岡田浦漁港が取り組むアナゴ養殖について、お掃除やエサやり、体重測定・仕分けといった日常のお世話の実演とともに紹介してもらいました。半年以上かけて育てたアナゴを出荷するときの気持ちを聞かれた東さんは「一生懸命育てたので、美味しく食べていただきたい」といい、美味しかったという声が聞けた時は嬉しくなると語りました。最後は、東さんからヒラメの養殖にチャレンジしている児童たちに向けて、「自分たちもアナゴを育てている途中で死んでしまうことなどがあり、難しさはよく分かります。引き続きヒラメの飼育をがんばってください」との言葉をかけてもらいました。
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第2回特別授業「地元の海と漁業の変化」
第2回の特別授業では、大阪市立自然史博物館の鍋島靖信さんと 漁師の高田威さんによる、「地元の海と漁業の変化」をテーマとした出前授業です。
高田さんからはまず、堺市で行われている漁業についてのお話がありました。刺網・アナゴ籠・タコつぼ、等といった道具の使い方と獲れる魚の種類を紹介。実際の道具に触れた児童たちは、工夫が凝らされた仕組みに驚いていました。
また、漁業を始めたころと現在では獲れる魚が大きく変わってきていることをお話しいただき、海の変化・抱いている危機感について、実体験を基に語っていただきました。
続いて鍋島さんからは、堺市の名産であるアナゴの生態や漁法について、資料を見ながらお話を聞きました。近年、海の環境変化や温暖化の影響によりアナゴが1/20に減少し、天敵であるハモと入れ替わっているとのこと。そしてマイクロプラスチックが海に与える影響について触れ、海を守るためには、ごみを少なくすること、分別すること、海に興味を持ち海の生き物と友達になろうとする気持ちが大切だと教えていただきました。
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第3回特別授業「海の豊かさを守ろう!(海と街の繋がり、海洋ごみ発生の仕組み)」
第3回の特別授業は、大阪公立大学海洋環境学研究室の皆さんによる「海の豊かさを守ろう!(海と街の繋がり、海洋ごみ発生の仕組み)」をテーマにした出前授業です。
前半ではまず、海の役割と、地球全体の海が抱える問題について考えました。多様な生き物のすみかであり地球の水を貯めておく役割を担っている海ですが、工場・生活排水やごみによる汚染、とりすぎによる資源の減少など、さまざまな問題に直面していることを教えてもらいました。そして、なぜ海が汚れてしまうのかを体験するためのグループワークを行いました。「住みたい街」をテーマに、スーパー、コンビニ、服屋さんなど生活に必要な施設をマップに書き込んでいき、ごみが出る場所にクリップを置き、それが川を伝って海に流れていく様子を再現。海に溜まったクリップの量を見て、「自分達の街も毎日たくさんのごみを出しているいることに気付いて、なんとかしなくちゃと思った」「ごみを減らすことにも気を付けながら、海を綺麗にする活動もしたい」といった声が上がりました。
後半では、身近な海・大阪湾が抱える問題「栄養塩」について学びました。栄養塩は窒素やリンなどで作られる生きものにとって必要なものですが、大阪湾の中では栄養塩が多すぎたり少なすぎたりと偏りが生まれているそう。工業・生活排水などの影響で栄養塩が多くなった場所では赤潮や青潮が発生し、逆に、栄養塩が減った場所では生き物がうまく育たず、漁獲量も減少してしまうという説明がありました。その後、大阪湾に見立てたビニールプールに、栄養塩に見立てたスーパーボールと、埋立地に見立てた障害物を浮かべ、埋立地にぶつかることで栄養塩を運ぶ海流の勢いが弱まってしまう様子を再現。一見、海とは関係のなさそうな人間活動が海の問題につながっていることを学んだ児童たちからは、「普段の生活から気を付けないと、海や生き物に迷惑をかけ続けてしまうので、自分だけでなく周りの人達にも呼びかけていきたい」といった声が聞かれました。
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<団体概要>
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団体名称:一般社団法人RIKUYOU
URL: https://rikuyou.uminohi.jp/
活動内容:「陸上養殖」を通し、水産資源の貴重さ、生命の大切さ、自分たちが住む地域の海の問題について学んでもらい、子どもたちに海の未来について考えてもらう機会を提供すべく活動しています。
2018年4月陸養プロジェクト実行委員会発足。これまで全国13地域29の小学校(青森・福島・栃木・埼玉・東京・千葉・富山・長野・静岡・愛知・大阪・愛媛・長崎)で陸養プロジェクトを実施。実施地域の企業や専門家と連携し、地元の海に関する問題や魚の生態等を学びながら、プロジェクトの最後には育てたヒラメをどうするか、学校ごとに結論を出してきました。
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※プロジェクト共催
団体名称:NPO日本養殖振興会
URL:https://npojco.org/home/
活動内容:これからの日本を背負って立つ子ども達に、この日本が誇る
『人工種苗による養殖技術』の素晴らしさを伝えることを趣旨とし、日本の漁業の将来を担う人財育成及びその人財が活躍できる農山漁村地域での活性化、雇用促進を最終的な目標としています。
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日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
https://uminohi.jp/
プレスリリース提供:PR TIMES