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公益財団法人日本ユニセフ協会

欧州難民危機:欧州委員会が新たな移民送還計画を採択 移民を危機に晒す早期送還【共同プレスリリース】

(PR TIMES) 2017年03月06日(月)17時26分配信 PR TIMES

子どもたちのリスク増大を危惧


[画像1: https://prtimes.jp/i/5176/872/resize/d5176-872-734865-0.jpg ]

【2017年3 月3日 ブリュッセル(ベルギー)発】

昨日、欧州委員会は、欧州連合(EU)加盟国に対して、各国に非正規に滞在している男女、子どもを彼らの出身地または経由地まで送還させる手続きを検討するよう求める「提案と新たな行動計画(Recommendation and Renewed Action Plan)」を採択しました。この文書は、加盟国が早期送還の措置を取ることを促すため、子どもを含めたすべての移民に保証されるべき基本的保護措置と権利を制限することになります。

ユニセフ(国連児童基金)をはじめとする国連諸機関や子どもの権利に携わる諸団体は、欧州委員会が提示した送還措置は、EU加盟国による子どもを含む移民の「早期送還」を促しており、保護の手続きの減少や拘留措置の増加につながることを危惧しています。これらの措置は、子どもたちの命を危険にさらし、すべてのEU加盟国が批准している子どもの権利条約に違反するものです。

私たちは欧州委員会の文書に、おとなの同伴のない子どもの送還決定に際しては子どもにとって最良の方法を評価すると記載されていることについて歓迎します。子どもに最良の方法をはかるための確固たる手続きが、家族と共にいる子どもを含むすべての子どもの送還決定の前に実施されることが重要です。この手続きは、チェック式のアンケートで済まされるべきではありません。送還が子どもにとって最良の方法かどうかを判断するためには、子どもの意見が正当に反映されなければなりません。強制退去や拘留は、子どもたちとその家族に深い傷を負わせます。子どもたちは決して、移民であるために拘留されてはならないのです。それが最後の手段であったとしても。

[画像2: https://prtimes.jp/i/5176/872/resize/d5176-872-303961-1.jpg ]

今年の始めにスウェーデンで、おとなの同伴のないアフガニスタン人の子ども3人が自殺しました。ソーシャルワーカーたちは、子どもたちは孤独を感じていて、手続きに伴う不安や、彼らにとって安全でない場所へ送還される可能性への不安に対処できなかったと語りました。

送還された子どもたちとその家族は、祖国の家族や地域コミュニティから拒絶され、人権侵害を受ける危険があります。彼らは、搾取や、武装グループによる徴用、強制労働などの対象となりやすくなります。

このたびの文書は、EU及び加盟国の送還政策により子どもたちがすでに蒙っている被害に対処するのではなく、それを増大させる措置を提案しています。文書は、保護措置を低減し、送還の決定をより早くかつ自動的に下し、強制退去の増加および拘留の増加を促すものです。

EU全域に存在する現実的な移民の課題に取り組まず、この提案は現状を悪化させるだけです。さらに、強制的な追放が、人々に移民となることを思いとどまらせるという証拠は存在しません。彼らを不安定な情況の中に送還することは、さらに危険で不安定な移動を生むという悪循環のリスクを増加させます。

移民の送還を強制する政策決定や目的の陰には、子どもたちとその家族の現実の生活があります。EUと加盟国は、長い間子どもの権利を主導してきました。私たちはEUと加盟国に対して、移民か居住者かの地位に関わらず、すべての子どもたちへの献身を維持するよう強く求めます。

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参考情報:
・2012年にユニセフが発表した報告書「静かな被害(Silent Harm)」は、コソボに強制送還された子どもたちの心理社会的な影響に関する調査結果を報告したもので、子どもたちの3人に1人が睡眠障害、悪夢、フラッシュバック、記憶障害、分離不安症、社会からの引きこもり、怒りや攻撃的な行動などの何らかの心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状を現しているとしています。また、若者のほぼ2人に1人は欝状態を経験し、4人に1人は自殺を考えたとしています。
*この報告書は、https://www.unicef.org/kosovoprogramme/SILENT_HARM_Eng_Web.pdf からご覧いただけます。強制送還を受けた子どもたちが、経験した恐怖や受けた影響について語った言葉も収められています。

・子どもたちが独りであっても家族と一緒であっても、適切に適応された任意の送還政策は、子どもたちにとって最良の方法であり得ます。しかし、子どもたちが家族の同伴があってもなくても、離ればなれになっていたとしても、移民を管理する対象とされる前に、子どもにとって最良の方法を定めるための正式で個々の子どもに対応した確固たる手続きが常に優先されるべきです。この手続きが意味あるものとするためには、いくつもの保護措置が必要です。子どもたちが帰還した直後に得られるケアが施設ケアでしかない場合には、彼らを決して送還してはならないのです。

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■本信はユニセフ本部が発信した情報をもとに、日本ユニセフ協会が編集・翻訳したものです。本信の原文は、 https://www.unicef.org/media/media_95028.html からご覧いただけます。

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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。(www.unicef.or.jp)



プレスリリース提供:PR TIMES

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