プレスリリース
〜LNG輸入国と生産国の技術連携によりLNGバリューチェーン全体のクリーン化を推進〜
JOGMEC(本部:東京都港区、理事長:高原 一郎)は、マレーシアで開催されたASEAN Energy Sector Methane Leadership Program (以下「ASEAN MLP」) 2.0の公表の場において、マレーシア国営石油会社(PETRONAS)とのASEANメタン排出管理実証設備設立に向けた連携を発表しました。
JOGMECとPETRONASは、ASEAN MLP2.0の公表の場で、ASEAN地域初のメタン排出管理実証設備となるSoutheast Asia METEC(The Methane Emissions Technology Evaluation Center)の設立を発表しました。ASEAN MLP2.0は2023年6月から実施されていたASEAN MLP1.0(注)に続くプログラムであり、メタン排出管理におけるASEAN地域での連携を実施しています。
メタンは二酸化炭素の28倍程度の温室効果影響があることから、メタンの排出量削減はLNGバリューチェーンにおける低炭素化に寄与することが期待されており、国際的にも、メタン排出量を正確に測定および算定する手法の検討が進んでおります。
ASEAN地域でのメタン排出管理は、地域の気候やASEANに多くみられる海上の天然ガス生産設備に適した手法を検討する必要があります。Southeast Asia METECでは、PETRONASおよびUTP(Universiti Teknologi PETRONAS)、INSTEP (Institut Teknologi Petroleum PETRONAS)と連携し、ASEAN地域の天然ガス生産設備の特徴を踏まえた排出実証設備の設立を目指します。本設備では各地域の企業と連携し、メタン排出の測定・モニタリング・報告・検証プロセスについて検討し、ASEAN地域全体のメタン排出量削減を支援します。これにより、石油ガス開発の事業者がメタン排出対策を行う際に、事前にメタン測定技術を評価する場を設けることで、計画策定の効率化を図ることができます。
また、日本と韓国は大規模なLNG輸入国として、2023年7月に開催されたLNG産消会議2023の場で発足したCLEANイニシアティブを通じて、生産事業者とともにLNGバリューチェーンのメタン排出対策の取り組みの紹介を行っています。2024年10月6日に経済産業省及び国際エネルギー機関の共催により開催されたLNG産消会議2024において、LNGバリューチェーンのメタン排出対策として、事業者の対策に向けた取り組みを公表しました。Southeast Asia METECの取り組みもCLEANイニシアティブの枠組みで紹介しており、LNG輸入国側からの連携を行うことで、LNGバリューチェーンのメタン排出の透明性の向上を目指しています。
大規模なLNG輸入国である日本として、JOGMECが生産国とメタン排出対策の技術連携を行っていくことにより、日本に輸入されるLNGのバリューチェーン全体のクリーン化を進めていきます。
[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/12624/819/12624-819-f317f02926a30ab106a26b26b6d95ca1-900x600.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
ASEAN MLP 2.0セレモニーにて行われたフォトセッションの様子
左から、Mohamad Nasir, Chief Executive Officer of INSTEP、Ir. Mohd Yusri Mohamed Yusof, Senior Vice President, Project Delivery and Technology, PETRONAS、Tan Sri Tengku Muhammad Taufik, President & Group Chief Executive Officer of PETRONAS、JOGMEC大東副理事長、Professor Dato' Ir. Ts. Dr Mohamed Ibrahim bin Abdul Mutalib, Vice Chancellor of UTP
(注)ASEAN MLPの概要
ASEAN MLP1.0は2023 年6 月のEnergy Asia で発足が公表されました。本枠組みはASEAN の石油ガス企業を中心に構成され、JOGMEC も参加しております。2023 年6 月から2024年10月までの期間、ASEAN の石油ガス部門のメタン排出の測定・モニタリング・排出量削減に向けた知識共有を目的としたワークショップ等が実施されてきました。ASEAN MLP2.0は2024年10月から2026年3月の18か月の期間で実施される枠組みであり、MLP2.0からより多くのASEANの政府、国営石油企業が加入し、日本の経済産業省(METI)も加入を公表しました。MLP2.0では、ASEAN企業でのメタン検証設備を重要な項目として設定し、ASEAN地域での連携の強化を目指しています。
■ 参考
ネットゼロに向けたLNGからのメタン排出削減のための連携〜LNG事業ごとのメタン排出削減取り組みの共有〜(2023年7月20日)
https://www.jogmec.go.jp/news/release/news_10_00125.html
リリース本文はこちら↓
https://www.jogmec.go.jp/news/release/news_10_00204.html?mid=pr20241015
d12624-819-d6b0cb6537a12232fdb2e70ca416a68c.pdf
プレスリリース提供:PR TIMES